この時間になると電車が駅に着いても降りる人は少ない。




静かな静かな駅舎はぼんやりと灯りは灯してはいるが




無人の駅となると、やたら寒く冷たく感じる。


















そして数秒で電車は走り出した。






ほとんど人がいなくなったこんな町だけど



電車が走ってくれるのはありがたい。



でも、切り捨てられるのはそんなに遠くない未来。













ここから先は行き止まり…。




その陽射しに誘われて




梅の花が咲き始める。




窓の外はまだこんなに冷たいのに。
























今年もよろしくお願いします。

私はもうかれこれ2ヶ月近くウオーキングをしている。




血液検査の結果、なんとかしないといけないと思った。




雨の日も風の日も、夕食後すぐに30分程度毎日歩く。




それは爽やかな太陽の下ではなく、誰に出会うわけでもなく




ただひたすら暗闇の中を黙々と歩く。











今夜もお月様だけが私のことを見ている。



私もお月様を見ている。










家に帰り着くとすぐに体重計にのる。



体脂肪率とBMIは相変わらず変わらない。



ちくしょう…。



そう簡単にはいかない。










上から見ているからといって、



すべてが見えているわけではない。













かといって下から見上げていても



見えているようで見えていない。











そばに行ってわかろうとしても



心を開いていないから



本当のことは見えない。





きっと自分のことが一番見えていないのかも知れない。

夕暮れの高知城は薄っすらとライトアップされて、それはそれなりに幻想的だった。









一国一城の主といえば、地位名誉と権力を手に入れ



裕福で不自由のない暮らしができると



現在ならば想像するだろうが



当時はこの城自体が実を守る鎧であり



けっして楽しいわが家というわけではなかったと思う。










ただそれを見上げる者にとっては、憧れの夢御殿だったにちがいない。



こんなところに住みたくはないが、城下にいると



きっと楽しいこともがあったかも知れない。





だんだんと夜になり、



高知の街は少しずつ賑わい始める。