縫製産業が圧倒的な輸出量を誇るバングラデシュ、あまり知られていないかもしれないが、実は医薬品、食器なども海外へ輸出している。
先日、日本人コミュニティの人たちで小さなツアーを組んで、ある食器工場見学に行ってきた。
私ははじめての参加だったけれど、以前にもその工場へ行ったことがあるリピーターもいた。
私たちの目的は、食器の生産工程の見学…というよりもむしろ、海外輸出向けブランド食器を破格の値段で買いあさること。。。だった。
噂では、どうやらここ最近、日本人や韓国人マダムたちの食器購買熱がヒートアップしており、ダッカでの市場価格もそれに比例して上昇しているとか。
土曜日の朝、私たちは日本人学校前に集合し、20人ほどが乗れるワゴンでダッカ市内から少し郊外に出た工場地帯へ。
某大手企業の敷地内にある食器工場までは、約1時間半の道のりだ。
途中、先日世界中でニュースになった崩壊した縫製工場跡の前を通り過ぎた。
ローカルの人たちも立ち止まって見ており、ちょっとした観光スポットと化している風だった。
でもそれも、来月のラマダンが始まる頃にはすっかり遠い過去の記憶になってしまうのだろう。
工場に着くと、リピーター組はさっそくディスプレイされた食器の物色を開始。
私は初めてだったので、まずは工場見学へ向かった。
デルタ地帯であるバングラデシュでは石がほとんど採れないため、これらの石はほとんどインドから輸入しているという。
一度全て釉薬で白くなった食器は、Aランク、Bランク、Cランクに分けられる。
Aランクは当然海外輸出用。
Bランクはローカルショップに並べられ、Cランクは更に下の安いマーケットに出回る。
食器に施されているデザインは、水を使ってセロファンのようなものを貼り付けていて、焼くと黄色い部分は熱で燃えてなくなり、プリント部分は食器に定着するという仕組みらしい。
ちなみに、この下のお皿に描かれているのは、バングラデシュ建国の父と呼ばれている初代大統領、シェイク・ムジブル・ラフマン。
いったい誰が何の目的でこのお皿を買うのだろう。
何かの記念式典などに使われるのだろうか。
(食器のサンプルが並ぶ)
縫製工場と同様に、暑い工場内にはところどころに扇風機が設置されているが、それでも30分ちょっとの見学でも充分に汗が滲んできた。
工場見学を終えると、メインの食器選びへ。
その時々でディスプレイされている種類は異なるのだが、ティーセットからディナーセットなど、北欧や欧米、そして日本のブランド(MIKASA)も見られた。
ディナーセットはわりときらびやかなものが多い印象だったが、中にはリチャードジノリなどの白いシンプルなものもあった。
私は、大皿を2枚、ティーセット、スープボールを購入。
中にはディナーセットを何セットも購入している人もいて、私も後になってもう少し買えばよかったかなとちょっと悔いが残った。
また次の機会に違うものを購入しよう。
お支払いは、後日品物と引き換えに、グルシャンにあるウェスティンホテルにて行う。
商品によっては早くて3週間ほど、遅いものは数ヶ月かかるかもしれないというのだが、その理由はいったいなんなのだろうか。
工場直販という、製造国ならではのメリットもあるのだということを実感した一日だった。