約11ヶ月ぶりのダッカ。
飛行機を降りるなり、空港に充満するダッカの匂いで一気に色んな感覚が呼び戻された。
青白い蛍光灯が間接照明程度に照らすダッカの空港は、成田、香港の空港に比べたらずっと暗い印象だけれど、それでも数年前に比べたらずっとキレイになったし、Foreign passport の列に並ぶ外国人の数もずっと増えた。
新しいドライバーの運転する車で我が家に戻る。
車窓からの風景はほとんど変わらず、明るい日本の生活に慣れてしまった私にとっては、大通りから中に入った住宅街はよく目をこらさないとそのディテールが浮かび上がってこなかった。
アシュウィンは周りをキョロキョロと見回していたけれど、母国や外国という感覚なんてもちろんないのだから、おそらくいつもの外出の延長くらいに思っているのかもしれない。
家についたのは夜の22時半ころだっただろうか。
控えめなアンバー系の照明に、ビュンビュンと音を立ててまわる天井ファン。
日本から戻るフライトはいつも夜の便なので、何か出し惜しみするように暗闇がダッカの姿にベールをかけていて、でもそれがむしろダッカの存在感をもって押し迫ってくるような感じがする。
昼間の便で戻ったら、久しぶりのダッカでの印象はまた違うはずだ。
アシュウィンは、天井でクルクルとま わるファンを物珍しそうな目で見つめていた。
とりあえず荷物をすべて部屋に運び入れて、ダッカ初日の夜には早々に幕をおろした。