子育てあるある「子どもに対する期待」と… | 「衣食住育学」石川幸夫のブログ

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教育畑40数年、猫好き、子ども好き、音楽好き!幼児、小学生の算数指導用に、水道方式のタイルを独自開発。教育評論家・教育研究家・子育て評論家としても活躍中です。

 

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期待とプレッシャー

■「ピグマリオン効果」と「ゴーレム効果」

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 「期待をかける」このことは、子育てにおいても、会社などで、部下に期待をかけるなど、日常的な我が子や人とのかかわりの中で行われています。ただ、ニュースや新聞の社会面を賑わす記事の中に、「プレッシャーに耐え切れず…」「プレッシャーに押しつぶされ…」など、「期待」に対する負の部分も気になる所です。

 

 ただ、こうした「期待をかける」ことに臆病になることはありません。期待をかける側(例えば、教師、上司、親など)と期待をかけられる側(生徒、部下、子どもなど)の関係性は非常に重要です。この関係性が良好であるほど、期待はポジティブな影響を与えやすくなります。この「期待」をかけ、良い方向に向かうことを「ピグマリオン効果」と言います。

 

 ピグマリオン効果の逆も存在します。これを「ゴーレム効果(Golem effect)」と呼びます。低い期待が持たれた子どもや個人は、その期待に応じてパフォーマンスが低下することがあります。例えば、教師が特定の生徒に対して「この子は成績が悪い」と思い込むと、その生徒の成績が実際に悪くなることがあります。「人を育てる」という、最も困難な課題に、この「期待」という行為はとても重要だと思うのです。

 

 ピグマリオン効果は、期待がどれほど個人のパフォーマンスに影響を与えるかを示す強力な概念です。家庭、教育、職場、などさまざまな場面で、子どもや人への期待を意識的に高めることで、ポジティブな結果を引き出すことが可能です。一方で、期待が低い場合には逆効果を生む可能性があるため、注意が必要です。

 

 そして、「期待」をかけられた側の想いも十分に理解しなければなりません。一方的な期待は、良い効果を生まず、かけられた側の心を押しつぶしてしまうことも考えられるからです。期待をかけることはピグマリオン効果を引き出す強力な手段ですが、その期待がプレッシャーとなり潰されるリスクもあります。信頼と尊敬に基づいた良好な関係性を築き、現実的で具体的な期待を設定し、ポジティブなフィードバックとサポートを提供することで、期待をかけられる側がプレッシャーを感じずにパフォーマンスを向上させることができます。バランスの取れたアプローチとオープンなコミュニケーションが重要です。

 

 子どもでも大人でも、具体的な目標や期待を設定することで、目標に向かって努力しやすくなります。コミュニケーションの不足は、様々な場面でこの「ピグマリオン効果」を上げられない環境を作っています。別の面から見ると「ゴーレム効果」が生まれやすい環境になっています。人との関りが減少すると、学習面でも、仕事の面でもパフォーマンスの低下を招いているようです。

 

 まずは、信頼し合える親子関係をつくっていきましょう!「期待」されるということは、必要とされている、認められているという意味にもつながります。家族でも、世の中でも、期待される、必要とされる、認められる、これが人を動かす原動力、後ろを押してくれる力になると思います。我が子に期待をかけられる。そんな素晴らしい親子関係、素敵ですよね!!