園の格差が小学校で! | 「衣食住育学」石川幸夫のブログ

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教育畑40数年、猫好き、子ども好き、音楽好き!幼児、小学生の算数指導用に、水道方式のタイルを独自開発。教育評論家・教育研究家・子育て評論家としても活躍中です。

 

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歴然、子どもの能力格差

■面倒くさいことはしない園!

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 ここにきて、全国の自治体で「幼小接続」への取り組みが活発になってきました。これは、幼稚園・保育園・認定こども園の区別なく、小学校から始まる教育に対し、へスムーズに移行できるよう、就学前の教育プログラムの充実をはかることを目的としています。

 

 教育界は目まぐるしく変化しており、20年前にはなかった英語指導(2011度年から)・プログラミング(2020年度から)も始まり、そこに、プログラミング指導になど、教育のIT化によるコンピュータ学習も入ってきています。

 

 こうした背景から、小学1年生に求められる最低限の能力として、清音・濁音・半濁音から拗音・長音・欲音などの表記なども含めた平仮名の読み書き、数の概念など、基本的な運動面や生活力などが求められています。しかし、これらの能力を持ち得ていない子は、教科書すら使えない状態です。

 

 学校の現状では、40分間座っていられること、先生の話を聴くことが出来る(聴き、理解できる)ことがなど出来ず、席を立ったり、教室から出て行ってしまったり、既に授業に参加できない子どもたちが目立っています。勿論、家庭力の低下、親力の低下もあるのですが、幼児を指導する「園」の指導力が問われているのです。子どもを見れば、どの園の卒園生かが分かるというケースもあります。

 

 園の中では「面倒くさいことはするな!」と子どもの保育や世話に積極的では園も決して珍しくはありません。学習姿勢が整わず、「小1プロブレム」として問題視された状況は全国で見られるようになり、そこで、自治体による積極的な「幼小接続」が大きな課題として浮き上がってきたのです。

 

 子どもの成長発達には様々な能力に対する臨界期が存在すると考えられています。幼少期は、年齢に応じた遊びから始まる積極的な教育的関わりが重要になります。”幼児期の投資は、一生のうちで最も価値のあるもの”と考えられる反面、わが国では、厚生労働省と文部科学省管轄で行われる幼児教育に、言葉は悪いですが「縄張り争い」があるように見えます。

 

 このような状況に対し、柔軟に対応できるのは民間でしかないのでしょう。今、「幼小接続」に焦点をあてた、教育をサポートし牽引する教室の開設を企画推進している団体が出てきました。そこには、夫婦共働き家庭を意識した幅広い時間帯での預かり時間の設定、認知(子供の情緒面)・非認知能力(言語・数などの能力)の指導、遊びを通した手先の巧緻性や基礎運動などの指導が考えられています。共働き家庭、シングル家庭などに寄り添い、また、子どもたち寄り添ったこのような、幼小の学童保育に似た教室の存在、皆さんはどのように捉えますか?