考える場面を!
■学習は強制しても…
連休に入りました。そんな中、固い話にお付き合い頂き有難うございます。
テレ朝の火曜日深夜の番組「アンタウオッチマン」から、偉人の名言を解説してほしいと依頼があり、昨日、その原稿を送りました。15に及ぶ名言リストを改めて考察していくと、子育てや、教育、人材育成には共通点があり、それゆえ偉人として今なお多くの人々から認知されているのだと感じました。
どれにも共通する内容の中に、失敗からの学びがあります。子どもの為と、子どもの通る道を掃き清め、石を拾い、転ばぬよう整備しても、そこには、経験を通した、または、失敗を通した生きた学びはなく、同時に考える場も与えられていません。
物であっても、お金であっても、子どもに与えることはあっても、奪うことなどないと考えしまうとそれは大きな過ちで、気付きや、発見、そして、探求心や好奇心をも奪っているのです。与えるものは、親の愛情であり、親の真剣に生きる姿だと伝えています。
与え過ぎは、子どもの発想力、思考力、創造力を奪う元凶になることがあります。自ら苦労して得たものには、自分の意思や、工夫、発想や想いという、自身の心から湧き上がってくるものがあります。そこで、脳内の報酬神経群を刺激し幸せホルモンと言われる、オキシトシン、セロトニン、ドーパミンなどが分泌されます。ここでは詳しい説明は省きますが、子ども自身の意識的関わりが如何に大切なのか、そこから育つ子どもの能力は、より確かな力として身についていきます。
子どもの能力として身に付けて貰いたいものの代表格が「思考力」です。思考力と言えば、算数、数学ですが、その学習には様々な指導があり、計算問題など、その解放手順という、学習のアルゴリズムを伝えるもの、単位など、その仕組みを伝えるもの、図形などは、共通点、言葉では難しい図形表現、そして、それらを複合し応用した問題に取り組む学習などがあります。
子どもたちに考える場を多く作る、効率化が叫ばれる社会ですが、思考は、その点からすると非効率的です。多くの経験と時間を必要とします。だからこそ、重要な学習となります。小学2年生で、「足し算と掛け算の違いとそれぞれの「良さ」を説明してください。」という問題を出しました。何の疑問も持たず、計算をしてきた子どもたちです。これは、「考える」という学習を、普段行っている機械的な計算で行ったのです。これからの学習は、こうした「考える場」がとても多くなると思います。
子どもの思考力を育むには、この「考える場」が必要で、普段から、生活の中に発見や気づき、工夫があることで、様々な思考力の土台となる経験が積み重なっていきます。発見や気づき、工夫こそ、知的好奇心であり、思考力の源なのですから。