注目されるの脳「報酬系」の発達 | 「衣食住育学」教育研究家・子育て評論家 石川幸夫のブログ

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教育歴50年 子育て・教育について毎日更新
教育現場で長く子どもたちを指導。社会で活躍している子どもたちを多く輩出。また、教育評論家という肩書も持ち、多くのテレビ番組に出演。その経験と、教育・子育ての専門家として、様々な内容を深く専門的に語ります。

 

 TODAY'S
 
報酬系って?

■遊びから学習、遊びから運動、遊びから…

 今日もご訪問頂き有難うございます。

 

 私のブログは、自身の仕事を反映してか、子育てや学習、教育全般で専門的な内容が多くなります。毎回固い内容が多く、また、フォロワーになって頂いた方に十分な対応が出来ず申し訳ありません。

 

 今行っている様々な教育活動や子育て支援活動、そして、カリキュラムの作成と教材開発のお手伝いをさせて頂いていると、こうしで、幅広い年齢の子どもや、それに伴うに幅広い活動をしているからこそ、そこに共通したキーワードに気付かされることが多々あります。まさに、物事、俯瞰して見ることの大切さを実感します。

 

 例えば、特殊扱いされる小学校受験ですが、同じ若年層の受験でも中学受験とは大きな違いがあることに気付きます。小学校受験の認知能力を中心とした学力検査に対し、小学校受験は、認知能力に加え、非認知能力と言われる躾・所作・情緒・礼儀正しさ・コミュニケーション能力・表現力・運動能力などがその対象となります。

 

 この違いと共通性は、人の成長に関する土台形成の重要性です。受験も自然と、人の発達過程で何が基礎となり、どうそれを活かしていくかという、意外にも自然の流れになっていることに気付きます。

 

 子育てと学習の間にも共通するキーワードがあります。子育てにおいて、「誉めて育てる」という教育法が根付きつつあります。これは、その後の「評価」と同じライン上にあります。そして、今、どちらもその評価に対し苦慮しています。一方は数字化できない評価、一方は数字化した分かり易い評価です。

 

 これまで、「誉めて育てる」も「点数による評価」も子どもたちファーストと言うより、親や大人側の理解のしやすさや、楽な部分が見え隠れしていました。誉めればいい、だから、とりあえず「すごいね!」「がんばったね!」と言っておく。それが、後に子どもの負担になることがあり、他方、点数評価も、子どもの努力値より、それを見る親側、大人側の基準値で大きく左右され子どもを精神的に追い込む「数値」と化してきました。しかし、今は、自己評価による自分自身の認識が重要視され、学習は自己教育力向上に伴う自己責任化が進んでいます。

 

 こうした背景から、ここにきて注目されてきたのが「自己報酬機能の発達」です。何故なら、報酬系神経群を鍛えることが学力向上にも関連する可能性があるからです。報酬系は、学習やモチベーションに重要な役割を果たしており、適切に活性化されることで学習能力や記憶力が向上する可能性があります。脳の報酬機能は、遊び、食事、社交、運動、学習、報酬を感じることなど、様々な行動に関与しています。その為、報酬機能の正常な機能は、生活の質と生存に不可欠であり、逆に、報酬系の異常は、精神障害やs中毒、依存などの問題を引き起こす可能性があります。

 

 この報酬系の発達は、家族そろっての楽しい食事、遊びを通した仲間意識、発見、達成感、身体を思い切り動かした後の爽快感など、この遊びから発展する学習、人間関係、社会意識の発達が子どもに大きな「やる気」を与えています。様々な活動の裏に、脳の報酬系神経群の働きがある。ここへの刺激が、伝達物質のドーパミンを分泌します。

 

 今、新たな展開を目指し準備中の学習支援活動も、こうした脳科学を中心に、発達心理学や認知心理学から指導体系を創り上げ、子どもたちが興味関心を示さざるを得ない環境づくりを目指しています。とても、やりがいのある、子どもの為の大人の仕事です。