学びの自立
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ある幼児教室の教材制作のお手伝いをしているのですが、「それまで使用してきた教材を改めて見直していくと、当たり前と思っていた指導内容に疑問を抱くようになて来た!」と担当の先生がポツリつぶやきました。昔から、教育界では「切り張り」という教材制作が当たり前に行われてきました。教材出版社から取り寄せた教材の一部を切り抜き、一枚の教材に仕上げるのです。ところが、全てをオリジナルで作ろうとすると、指導の系統性、指導理論はもとより、書き込む欄の大きさ、イラストの内容、年齢による発達過程、文字の書体と、それまで気付かなかったことが沢山出てきます。
今、「学習支援」という言葉を多く聴くようになってきました。学力の低い子に対する学習支援は、ただわからない所を教えるという単純なことではありません。既に、教育界では「わかるまで丁寧に教える」という考え方を捨てる所が出てきています。何故なら、今の指導法が子どもの学習の自立を妨げ、依存への道を歩ませているからです。
探求学習についても、調べることが多くなった学習形態から、電子端末の検索で、活用と利用を通り越し「依存」に陥る傾向があると、先日書き上げた月刊教育誌に書かせてもらいました。分からなくなると、先生に聞けばいつでも教えてくれる、一見、微笑ましい光景に見えますが、この状態が継続すると、自ら理解し、覚えようとしない、学習依存型の性格を形成してしまいます。いつでも調べられる!という意識が、記憶に留める努力をしない学習になり、「覚えない脳」へと、自分自身が追い込んでいきます。いつでも教えてくれる、いつでも調べられる、こうした環境が子どもの学習依存を加速させてしまいます。
ある所で、今進められている学習支援活動に、アドバイスを求められています。現在行われている学校の教育活動と、AIの発達で大きく変化している社会から、今後、子どもたち求められるスキルは何かを考えているのですが、やはり「学習の自立」を追及する学習支援が望ましいという判断に至りました。学習支援が、学習依存へと向かわせていけない、自分で考え、判断し、自分自身で立てた規範に従い行動する、まさに、その先には「自律」が待っている、そんな学習支援体制を考えています。
「学習の自立」を目指す学習支援では、子どもの生活全般の自立も考えなければなりません。子どもの、学習以外の社会や家庭生活での認知力低下を大人はもっと知る必要があります。例えば掃除一つとってみても、学校で校内清掃を外部委託するところが目立ってきました。「掃除」は、非認知能力向上に必要な学びがいっぱい詰まっています。最近では、雑巾や、テーブルを拭く布巾を触れない子どもが増加しています。「汚い!」という意識が強く、掃除だけでなく、調理実習がある家庭科の授業にも支障をきたすほどです。コロナ禍以降、この傾向が強くなっています。
学習支援を追及していく過程で、令和の時代の子どもたちの姿が浮き彫りされてきました。これは、間違いなく、大人社会を写し取る鏡のようなもの、子どもに学校内の清掃をさせていると、保護者からクレームが入る時代です。まずは、大人も、子どもも、心の清掃から始めなければいけないですかね?
私は、これから恒例の我が家の土曜清掃が待っています!