お子さんの学力大丈夫ですか? | 「衣食住育学」石川幸夫のブログ

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教育畑40数年、猫好き、子ども好き、音楽好き!幼児、小学生の算数指導用に、水道方式のタイルを独自開発。教育評論家・教育研究家・子育て評論家としても活躍中です。

 

 TODAY'S
 
難しくなった学習

■依存からの脱皮

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 この春中学を卒業する子どもたちの、学習の二極化が進んでいることが懸念されています。特に英語の成績ははっきりした二極化の波を見せています。学ぶ者だけが先へ進める道になりつつあり、対する学習指導は旧態依然のまま、学力の中間層に向けた授業形態がとられています。

 

 2020年から小学校、2021年には中学校と施行されてきた新指導要領は、多くの学習内容が含まれています。これらをこなせる小中学生がどれだけいるのだろうと、疑念を持っていましたが、児童生徒だけでなく、先生の指導力もその仕事量から限界に来ているようです。

 

 また、直ぐにスマホを用いた検索にはしる子どもたちの長期・短期に関わらず、その記憶力低下も教育現場では課題の一つとなっています。自分の脳を使わず、AIに依存する世代が増えているのです。便利な世の中は、労働から、身体の自由を与えてきましたが、考えない脳、記憶しない脳へと、頭を使わない児童生徒が急増しています。忘れたら直ぐスマホに向かい検索する、その場合文字入力ではなkぅ、音声入力で。

 

 学習は多様な要素を孕み難しくなってきています。しかし、学習現場では、記憶や知識を電子機器に委ね、思考も人任せにするそんな場面に出来食わすことが多くなってきました。その為、電子機器に頼らず、自分の脳を中心とする学習をしている子は、上手にアナログとデジタルの住み分けをしています。これができる子と、そうでない子の違いになり始めています。

 

 また、夫婦共働き家庭が増え、多くの家庭が保育園などに1歳ころから預けるケースが増えています。今、その過程での子どもの成長に不安を抱えているお母さん、お父さんがいます。その不安の一つに「ホスピタリズム」という現象です。施設病ともいわれ、早いうちから保育施設に預けられた子に、知恵や言語能力の遅れ、そして感情表現の乏しさが見られるというものです。以前は、親の愛情不足とも揶揄されましたが、赤ちゃんが泣いているときに直ぐに関わってくれる人の有無が、言葉や心の発達に大きく影響していると考えられています。

 

 泣くという行為は、感情の伝達と言葉の土台を形成するのに大切な行為です。保育施設では、先生が対応する人数が子どもの年齢別に決まっており、それでも、多くは1対1で対応してくれるお母さんとは大きな違いがあります。園内では、皆が同じ環境にいるので目立たないようで、それが、小学校に上がってから子どもたちの学力差に繋がっているのでは、という人もいます。ただ、保育園に預けても、短時間で密度の濃い親子関係を築いている場合、こうした傾向はないとの報告もあります。

 

 私たちの生活は、便利になればなるほど、私たちは便利になった対象に依存する傾向を示します。今日の話は、年齢も、内容としても幅が広いのですが、便利社会の代償は、自分自身の機能低下となって表れているような気がします。それは、若い世代であればあるほど色濃く出ているように思います。自然回帰という言葉がありますが、不便回帰、アナログ回帰も考えておかなければならない時代のようです。