子育てと親育て | 「衣食住育学」石川幸夫のブログ

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教育畑40数年、猫好き、子ども好き、音楽好き!幼児、小学生の算数指導用に、水道方式のタイルを独自開発。教育評論家・教育研究家・子育て評論家としても活躍中です。

 

 TODAY'S
 
親も人として育つ

■誇りを持っていても悩む親の職業

 今日もご訪問頂きありがとうございます。

 

 久しぶりにニュース、報道から離れ、バラエティー番組からの依頼が入ってきました。性格上、バラエティーは苦手なのですが、今回は「お笑い芸人さんの子育て」がテーマで、僭越ながら、何人かの芸人パパの子育てについてコメントさせて頂きます。その芸人さんの中に、数年前、子育てライブでご一緒した「コウメ太夫」さんがいらっしゃいます。

 

 芸人さんでも、芸能人の方でも、多くの場合、子育ては公にせず、一般の方と同じようにされています。これまで、野球選手のお子さんや、役者さんのお子さんなど、また、子役時代に指導をさせて頂いた方など、幅広くご指導をさせて頂きました。

 

 今や重鎮の芸能人になられた方など、離婚騒動でもめていて、ご連絡するのも大変な時期がありました。そんな中、SOP(ソニー・お笑い芸人・パパ部)の子育てライブに招かれ、「お笑い芸人さんの子育て相談をする」というコーナーに出ました。

 

 最も印象的だったのが白塗りで、着物姿で出てくる「コウメ太夫」さんでした。お客様は親子で参加されていて、コウメさんが出てきたとき、数人の幼児がものすごい勢いで泣き始め、コウメさんも一瞬怯み、どうしようという表情をされていました。でも、そこは、芸人さんです。それも笑いに変え、淡々と芸を続けられました。

 

 コウメさんの相談は、まさにご自身の職業でした。コウメさんにとって白塗りで鬘をかぶり着物姿というのが、一般的なビジネスマンの切るスーツです。この姿で、近所で行われた夏祭りに参加が決まったとき、お子さんも来るのでとても悩まれたそうです。「人に笑われる父親の姿を、我が子はどう見ているのだろうか?」会場は、その言葉にそれまでとは違った雰囲気になりました。

 

 でも、お子さんの言葉がコウメさんを救うのです。「櫓の上で芸を披露するコウメさん」その姿を指さし「あの人、俺のお父さん!」と友達に、誇らしげに語ったのです。テレビに出るお父さん、こうして、町会から呼ばれ夏祭りで注目を浴びる「お父さん」の姿、時代は、様々な職業を世に送り出しています。人に笑われるのではなく、人を笑わせる。それが、「コウメ太夫」さんの仕事です。

 

 社会には、様々な職業があり、その一つ一つが社会の重要な一部になっています。勿論芸人さんも。”汗を流さず、楽してお金が儲かる仕事がしたい!”そんな考え方が若年層に増えてきています。中には、そうした考え方の仕事も時代の流れ、と物わかりのいい大人もいます。ただ、職業の中には、汗を流し肉体的にも辛い仕事が数多くあり、その仕事をしていただく方たちのおかげで社会が動いていることを知らなければなりません。それが、働くということの原点だからです。

 

 職業で人を見る、まさに、これは差別です。華やかな芸能界、テレビにも出られる「コウメ太夫」さんですが、間違いなく、素敵なお父さんです。あれから数年たっていますが、お子さんに対する想いは変わっていないのでしょう。子育ては、子どもを育てているようで、子どもからも、親として、一人の大人として育てられているだと思います。それだからこそ、子育てで悩むのでしょう。それが、自分自身の成長とともに流す汗なのだと思います。テレビ朝日の番組、どのようになるのか、楽しみです。