「優秀な子どもの特徴」自分に適度なストレスが! | 「衣食住育学」石川幸夫のブログ

「衣食住育学」石川幸夫のブログ

教育畑40数年、猫好き、子ども好き、音楽好き!幼児、小学生の算数指導用に、水道方式のタイルを独自開発。教育評論家・教育研究家・子育て評論家としても活躍中です。

 

 TODAY'S
 
適度なストレス?

■「転ばぬ先の杖」という親心が、子どもの成長を鈍らせる!

 今日もご訪問頂きありがとうございます。

 

 親であれば、我が子を”優秀な子”に育てたいと、漠然とした望みを抱きます。ただ、"優秀な子”という言葉が先行してしまい、具体的に何がどうだという内容までに至らないのが一般的です。

 

 乳幼児から中学生まで指導させて頂いた経験から、優秀な子の特徴を分析してきました。今日は、その中でも意外に「ストレス」も大切というお話をしたいと思います。

 

 「ストレス」?、優秀な子にこの「ストレス」がどのように関係しているのか、たぶん皆さんは半信半疑でしょう。ここで取り上げる「ストレス」とは、外的にうける外圧ではなく、自ら課す内的な「ストレス」を指しています。

 

 幼い頃から、我が子に様々なチャレンジをさせる親御さんがいます。既にこの段階で、我が子を優秀に育てる要素が見えています。子どもは、その本能から、見たい、聴きたい、触りたい、食べてみたい、やってみたいなど五感をフルに使った好奇心で日々を過ごします。その動きに個人差はあるものの、乳幼児期はほど同様に、物事に興味関心を示しています。

 

 そんな中で、何度も積み木を積む子がいます。でもなかなか指が思うように動かず、直ぐに崩れてしまいます。こんな光景を見たことはありませんか。それでも、何度もチャレンジする、この時、子どもの脳はどのようになっているのでしょうか。一つずつ積み上がると、その過程で、ドーパミンという脳内物質が分泌されます。これは、脳にとってとても重要な神経伝達物質の一つで、報酬機能と繋がっています。ここでの成功体験が、次のチャレンジを促していきます。実は、次のチャレンジを促すと言う部分がとても重要なのです。

 

 このドーパミンが分泌されたことを脳は記憶していて、その時の快感を再現しようとします。そして、もっと効率的に分泌しようとします。この時、脳内では「ニューロン」という神経細胞が繋ぎかわり「シナプス」という神経回路のネットワークが新しく出来上がります。これが「くせ」となり、次のチャレンジを促していきます。これが、一つの学ぶ形となり、繰り返しの学習ループへと進みます。これを「強化学習」と呼ばれるメカニズムです。

 

 学力の高い子が、少し難しい課題に挑戦するのは、自分自身に内圧をかけ、その過程で努力し得た快感を脳が記憶しているため、学習に手中して取り組む状態を創り出します。自分で課す適度なストレスは、その先の成功を目指した原動力となるのです。優秀な子ほど、目標や目的意識を持っているのは、こうした自分自身の脳を上手に活用しているからです。

 

 うちの子は無理と考えていませんか?この「強化学習」メカニズムは、多くの子が経験しています。それが「ゲーム」です。一つのゲームを制覇する為に、このメカニズムが使われています。共通する「楽しい」という感覚の違いで、子どもの学習能力はその違いを見せます。学習課題を自らに課した子は、その適度なストレスを原動力に、問題に取り組みます。そして、共通して持つ目標の設定、そして、学習においても楽しめるのは、できたときの喜びを脳が記憶しているからです。この繰り返しのサイクルが、脳を更に活性化するのです。

 

 この「強化学習」メカニズムは、思春期まで続きます。こうした事を理解し指導してくれる先生に巡り会うと、学習の楽しさを教えてくれるかも知れません。多少の苦労が、喜びを倍増してくれます!!