乳幼児の能力 | 「衣食住育学」石川幸夫のブログ

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教育畑40数年、猫好き、子ども好き、音楽好き!幼児、小学生の算数指導用に、水道方式のタイルを独自開発。教育評論家・教育研究家・子育て評論家としても活躍中です。

 

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インプリンティングは言葉!

■動物とは違う、人間の赤ちゃん特有の成長

 

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 乳幼児の脳の成長発達に欠かせない働きに「模倣」があります。真似るという行為は、赤ちゃんの脳に備わった一つの重要な学習機能です。乳幼児は、とても観察力が強く、お母さんやお父さん、兄弟姉妹の動きをよく見ています。この行為は、脳内のミラーニューロンという神経細胞が刺激され、自分と他者の行為を結びつけていきます。乳幼児期の模倣行為は、他の動物と比べ、誕生後、直ぐに立ち、動くことが出来る動物とは違い、未熟な状態で生まれる人間の子どもは、身体の運動能力向上の前に、知的な部分の成長が著しく、主に、言語を中心としたインプリンティングが行われます。

 

 このことから、0歳から3歳頃までは、言葉のインプリンティング期と言われ、人としての知性を高めるための準備期間として重視されます。言葉のインプリンティングは、その後、人とのコミュニケーション能力を高める重要な役目があり、人の生涯の中で、0歳から3歳期は、その人の一生を左右する重要な3年間として考えられています。

 

 この時期は、家族で集うことも重要で、それは、家族の語らい、食事風景、遊び、掃除洗濯などの家事、夫婦間のコミュニケーションなど、赤ちゃんは、その光景から様々な人間関係、生活習慣、家族というものを、理屈抜きに学びます。この時期の、赤ちゃんとの関わり方が多ければ多いほど、そして、その関わりが、愛情の込められた物であればあるほど、赤ちゃんの心の発達、情操面に安定した発達が望めます。まさに、心の成長に必要な『ビタミン愛』が求められる時期なのです。

 

 赤ちゃんも1歳を前に歩き始め、それと同時に、意思を持って動き始めます。好奇心が旺盛な時期ですから、様々な物に興味関心を持ちます。それでも、まだまだ未熟な脳は知的な刺激である言葉を欲しています。自分の意志で動き始め、行動範囲も広くなると、自己中心的な行動にでます。そして、お母さんに「NO」と言い放つのです。「イヤイヤ期」です。子どもの知性の目覚めです。この頃から、子どもは多動になります。走る事も出来るようになり、広いところに出ると、ひたすら走り始めます。これは、まだ仮説ですが、脳はその活動に多くの酸素を必要とします。その為、走るという運動で、足を鍛え、第二の心臓と言われる足の筋肉運動から多くの酸素を供給していると考えられています。運動と、脳の発達は、神経系の発達に加え、酸素の供給も含まれているようです。

 

 幼児期は、バギーは欠かせませんが、歩くこと、走る事はとても重要です。子どもの歩く頻度、走る頻度が高いという事は、それだけ、お母さんと一緒の時間が多いことを示しています。勿論、お父さんでも同様で、親からの刺激は、特に言葉に絞ればとても重要で、最近では、こうした会親子間の話よりも、直ぐに、読み書きに走りがちですが、十分な言葉のシャワーと、子どもの発する言葉に、親が耳を傾けることが重要です。それが、子どもの言語的知性という、全ての認知能力を高める基礎を築いてくれるのです。

 

 幼児期に耳を鍛えられた子は、言語性に優れ、それは、英語の学習や、音楽にも大きな影響を与えることになります。毎度申し上げることですが、この親子間に割って入ってくるのがスマホです。乳幼児期の重要なインプリンティング期に、十分な関わりを持てない状態だけは避けたいものです。何故なら、この時期に先日もお伝えした、幾つかの臨界期を迎えるからです。それが、言語能力であり、数学的能力であり、運動能力、絶対音感などです。「聡明な子」の文字が示すように、『耳』は、言葉の入り口です。大切にしましょう!!