保育の究極的狙いとは? | 「衣食住育学」石川幸夫のブログ

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教育畑40数年、猫好き、子ども好き、音楽好き!幼児、小学生の算数指導用に、水道方式のタイルを独自開発。教育評論家・教育研究家・子育て評論家としても活躍中です。

 

 TODAY'S
 
保育の究極の狙い!

■これからの幼児教育に

 

 今日もご訪問頂きありがとうございます。

 満を持して、少しずつですが教育活動を開始し始めました。今月13日(日)には、子育てで頑張っているお母さん、お父さんに笑いと、子育てで悩んでいる方のための子育て相談をドッキングさせた「お笑い×子育てHOT LIVE」がZOOMで行われます。また、この間、休止していた関東以外の幼児教室との教育支援と教材開発などが動き始めました。そして、新たな取り組みである「幼児からのプログラミング教室」も、基礎から、応用、発展、そして、社会での活用を視野に入れたプログラムが出来つつあります。お遊びではなく、本格的なデジタル社会に向け、専門分野(現役システムエンジニア、教育者、人材関連の企業等々)の人たちが結集して造り上げる教室です。何だかワクワクしてきます!

 

           

 

 

 唐突ですが、「保育の目的」とは何でしょう。私は、幼児教育に傾倒してから、算数や数学を指導する傍ら、幼児教育に関連する様々な本を読んできました。その中には脳科学の本も含まれます。当時、脳科学者と言えば時実利彦先生(東大教授、京大霊長類研究所所長を兼任、京都大学名誉教授)でした。時実先生の書かれた「脳と保育」の中に、「人間にとって保育とは何か」という小見出しがあったのです。その中の言葉を引用すると「保育の究極の狙いは、生まれてくる赤ん坊の未熟な脳から、人間の精神を生み出し、人間の行為をする脳に成育すること」とあります。その為「保育に携わる者は誰もが人間の本質を見極め、それにのっとって成育しなければ、本当の保育は出来ないはずです。」と結ばれていました。

 

 時実先生の仰る通り、幼児教育の本質もここにあります。成長過程の子どもたちに、自分の欲求を抑えきれず、学業からはみ出し、ゲームやスマホの動画視聴から抜け出せない子が増加しています。こうした傾向は、「小1プロブレム」として、小学1年生から落ち着きがなく、自分勝手な行動をする子どもたちの存在が顕在化してきました。そこで、2023年度から「5歳児共通教育プログラム」の実施が検討されています。生まれてから5、6年で、自己抑制が出来ない状態に陥っていることが無視出来なくなってきているのです。

 

 その為、新指導要領では「社会情緒的スキルの向上」が組み込まれるなど、対応はしているものの、対象が義務教育期間の子どもたちであることで、対応が遅いのではと考えられています。その為の対策として、5歳児の教育プログラム実施なのかも知れません。本来は乳幼児からとなるのが正論です。その期間こそ、空白の6年間と呼ばれる乳幼児期なのです。

 

 赤ちゃんへの保育の取り組みは、その本質を見極めた上でどう取り組むかを考えると、赤ちゃんの泣くという意思伝達を尊重し、直ぐに対応をし、安心感と信頼関係を築くことから始まります。対応するときの優しくゆっくりとした言葉がけ、笑顔から始まるのです。そして、赤ちゃんの自立を促す作用が、原始反射を自分の意志で行う反応に変えることだと考えられています。「原始反射を随意運動へ」、母乳を飲ませる、物をにぎらせる、寝返りなどの補助をするなど、自分の意志で行えるようにすることで、脳の支配する運動に切り替えていくことが重要だと考えられています。この脳の部位が前頭前野という場所で、正に自分自身の意識をコントロールする場所なのです。

 

 「社会情緒的スキル」(非認知能力)も、脳活動の一部ですから、「保育」の重要性が理解出来ます。子育ても、保育も、教育も、時代は脳科学・認知心理学がベースになってきました。以前、よく言われていた「三つ子の魂百まで」という諺や、子育ての基本が、現代社会では、脳科学という科学で論じられるようになってきています。

 

 何をするのでも三日坊主、これを繰り返してしまうと、気持ちでは「毎日学習するぞ!」と思っても長続きせず、しまいには、「どうせ無理!」「やっても無駄!」と自己否定に入ってしまいます。自制心がきかない子どもたちのなんと多いことか、この感覚は大人になっても続きます。だから、早めの内に手を打たなければなりません。赤ちゃんなら、幼児なら、今からでも十分に対応出来ますが、年齢が高くなるにつれ、自分を誤魔化そうとします。一人では達成できなくなってくるのです。その為、大人の援助が必要になります。子どもと一緒に、学習の習慣付けをします。子どもと一緒にする、これは、子ども自身の為ですが、実は、対応する親も同じように三日坊主は多いものです。だからこそ、一緒に行うことに意味があるのです。互いに努力する時間を共有できるからです。時には子どもと同じスタートラインに立って見ませんか。親子で、良いきっかけを作ってみては!!