幼児の英語 | 「衣食住育学」石川幸夫のブログ

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教育畑40数年、猫好き、子ども好き、音楽好き!幼児、小学生の算数指導用に、水道方式のタイルを独自開発。教育評論家・教育研究家・子育て評論家としても活躍中です。

「英語とコミュニケーション」

■耳を鍛える、耳に慣れさせる

 数学と英語、多くの方が苦手意識を持つ”教科”です。その為、「我が子には!」という想いで、幼い頃から公文や英語を習わせます。ところが、意外にも、我が子が成長してから、これらの学習効果が思った以上ではなかったと感じる方は多いようです。本来であれば、今年度から小学3,4年生で英語の取り組みが行われ、5,6年生では新たに”教科”として指導が開始されます。

 

 お母さん方は、お子さんの英語教育に対し、何を望まれますか?経験上ご存じのように、これまで、我が国の英語教育は、主に受験英語と化していて、学習における評価対象になっています。”教科”として優劣を付けることから「話す」という、コミュニケーションとしての扱いは十分にされてきませんでした。成績を上げるため学習であって、人と話すためではありませんでした。ところが、世の中のグローバル化を受け、コミュニケーションのための英語学習を求める方が増えてきました。”英語が話せる”と言うことが、人として重要なスキルと考えられてきたのです。

 

 最近の幼児英語のブームでは、主に、英会話が中心的学習になっています。私自身、大学生の頃外国に行く機会に恵まれたのですが、日本で習った英語力では会話は無理でした。何より、相手の話すスピードがまるで、早回しのように聞こえてくるのです。しかし、1週間もすると、その速さを感じなくなり、次第に聞き取れるようになってきたのです。そして、2週間、3週間、1ヶ月と普通に会話ができるようになっていました。毎日、周囲は英語だけですから、必然的に耳が慣れてくるのです。幼児英語も、耳を慣れさせることが重要だと思います。絶対音感は、英語の絶対語感にも当てはまると思います。

 

 また、覚えた英語は使う環境にないと、直ぐに忘れてしまいます。幼児期に英語を話せるようになっても、持続できないのは、話す環境がないことも原因だと思います。また、環境で考えれば、子どもの持つ母国語の語彙数以上に、英語の語彙数が上がることは考えられません。ぼこくごの語彙数を上回ることがないからです。記憶の維持のためには、外国語放送やニュースを毎日聞く習慣を持つと良いでしょう。

 

 母国語も、語彙数低下が見られる状況では、子どもの言語環境の不備が疑われます。英語環境と共に、母国語の語彙を増やす環境整備も大切です。このことは、子どもの{耳を鍛える」ということになります。耳のいい人は、外国語の習得も早いと言われています。沢山の言葉を聞き、会話をする事、英語も含めた言語学習の基本はコミュニケーションがとても重要です。こうした意味でも、幼い時期に、ネイティブスピーカーに触れることはとても重要です。勿論、直接であれば、更にコミュニケーション能力は高まるはずです。それが、言葉の最も重要な機能だからです。

 

 コロナウイルス問題もなかなか収束へと向かってくれませんが、新たな試みとして、幼児小学生対象のオンライン英語を行うところがあります。これからは、オンライン教育ももう一つの教育として定着しそうです。そして、英語でコミュニケーションを取る。子どもたちが、せっかく覚えた英語を話せる場がもっとあると良いですね。