教え子の将来 独り言 | 「衣食住育学」石川幸夫のブログ

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教育畑40数年、猫好き、子ども好き、音楽好き!幼児、小学生の算数指導用に、水道方式のタイルを独自開発。教育評論家・教育研究家・子育て評論家としても活躍中です。

「まさかの…」
 
 このブログは、できる限り政治色を廃して書こうと決めていた。しかし、どうしても書く必要が出てくることに、別の不安が出てきた。私は、今まで数多くの生徒の指導をさせて頂いた。昨日も、姉妹で赤ちゃんを連れ尋ねて来てくれた。教え子の将来については、自分の元を離れたと言っても心配だ。2年ほど前、教え子から大学進学の相談を受けた。医学系を目指す教え子は、国立校の2校を選択したが、最終的方向で悩んでいた。様々な問題もあることから、最終的に防衛大を薦めた。その後、彼の持つ人間性は変わらなかったが、以前より逞しくなった。制服で表れた彼の姿は凛々しかった。久しぶりに制服というものの持つ存在感や精神性を感じた。
 
 しかし、ここに来て、自民党を率いる安倍政権は、国民に問うことなく、集団的自衛権行使を閣議決定するという暴挙に出た。私自身、勿論戦争の経験もなく、亡き父から戦争の空しさ、儚さ、無意味さを聞かされた程度だ。あるとき、我が師である故水野先生から三浦綾子著「銃口」を薦められた。早速買い求め車中で貪るように読んだ。この話も何度かこのブログの中で登場している。教師として教え子を戦争に参加させることほど空しいものはない。時の政府の言いなりになり、政府の意向を教育に生かし、生徒を騙し戦地に送り出すという、教師というより人間として許されない行為を当時の教師は犯してしまった。これは、報道機関も同罪だ。
 今回の集団的自衛権は、平和な生活の中で、突如として自分自身の考え方に責任を持つだけでなく、教え子の将来に突きつけられた問題だった。このことを大げさだと言う人もいる。「しょうがない」とか「どうでも良いんじゃない」では済まされない。今朝、その生徒の保護者と話す機会を得た。思いのままを伝えた。「自分の意思で判断できるようになりました。随分と逞しくなりました。先生、大丈夫です。」と言って頂いた。同じ教え子の妹も、兄を目指し防衛大附属病院を目指しているという。どちらも、我が教室の模範生だが、やはり、今後共、政府の動向を注視しなければならない。あの世界大戦で得た教訓を生かし切れないようでは、何の為に尊い犠牲を出したのか、それは、人、自然、動物、という抽象的な表現ではなく、我が子、我が家族、我が兄弟姉妹、我が父、我が母、我が祖父母、我が恋人、我が夫、我が妻、我が友人、我が家、我が故郷と、自分の周囲からより具体的に考えれば、改めて平和というもの大切さを実感できるはずだ。守るべきものは何かを。
 
 都議の女性蔑視発言から発した政治家の資質問題は、社会問題化している成長し切れない未発達な大人達の状況をより明白にしている。女性蔑視、男性蔑視は人間性無視へと進み、差別、虐め、虐待、育児放棄、飲酒運転、薬物乱用、無差別暴力、無差別殺人そして親族殺人へとエスカレートしている。歯止めが効かない状況では無いだろうか。共通項は何かを考えると、「全ての問題を他人に向けている」と分析できる。まずは、自分を考えること、自分を律することなのだろう。
 改めて自己をみつめ直し、まずは素直な目で見、聞き、考えることにしようと決めた。