家庭学習 | 「衣食住育学」石川幸夫のブログ

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教育畑40数年、猫好き、子ども好き、音楽好き!幼児、小学生の算数指導用に、水道方式のタイルを独自開発。教育評論家・教育研究家・子育て評論家としても活躍中です。

「家での学習」

 多くの場合、家庭学習は山あり谷ありの状態で、平均した学習活動にはなりにくいのが現状です。原因は簡単なことで習慣化されていないからです。そして、習慣化されているものは、短い時間で終えるものが多く、歯磨きや洗顔など毎日当たり前のように行っています。実際、朝起きてからの行動もパターン化、習慣化されており、動きを表す動線もほぼ同じです。学習も、このように習慣化することが大切で、幼児期では躾の一つとして捉えるという考え方もあります。

 何事にもそうですが、習慣化に向け当初は意識して臨みます。そこで大切なポイントが、時刻・時間・場所です。時刻は開始時刻の大まかな設定、時間は学習に費やす時間設定を意味します。そして、場所です。どこで行うかを予め決めておきます。習慣化にはおよそ3ヶ月もしくは100日かかることを頭に入れておきます。家庭学習では、直ぐに効果を求めてはいけません。毎日学習しても効果が得られない場合も当然ながらあります。本人も、周囲も、見える学習ばかりを期待していないでしょうか。学習効果には見えない学力もあります。毎日の学習で自然と身につく語彙、ことばの認識、考える力、文字や数式等に接する体験回数、学ぶことに対する当たり前の姿勢、これだけの力が備わって来ます。

 家庭学習は、緊張感が出にくいので、時間設定が大切です。ます、開始時刻ですが、一定の開始時刻を定めます。これは親子で話し合い決定すべきだと思います。次に学習時間ですが、最初から長い時間を設定しては習慣化は難しいでしょう。目安はお子さんの年齢です。
 お子さんの年齢が3歳であれば 3歳×3=9で9分を最長とします。ですから、学習時間は 3分~9分と定めます。
 9歳であれば 9歳×3=27で、27分が最長時間です。9歳では9分から27分が家庭学習の目安です。これを越え学習をさせても意味はありません。やりたくないという意識が高まっているときの学習は半ば体罰に等しく、学習に対し嫌悪感を持たせてしまいます。高学年で来る生徒の殆どが学習に対し嫌悪感を持っています。これでは家庭学習の習慣化はできません。学習はやらせるものではないからです。

 学習時間の設定は、それを越えてはいけないことを親子で認識します。開始時刻と学習時間の設定は、時刻と時間を認識します。この認識が、時間内処理という認識に繋がります。時間を意識できることはとても重要な事です。学習は、丁寧で、時間以内が原則です。いつも時間以内にできない子は、この時間的認識に欠けているのではないでしょうか。たぶん、全てにこの認識不足が災いしていると思います。この、時間の認識こそ、人間の持つ8つの知性の一つである時間的知性です。家庭学習は、学力だけでなくこのような見えない学力までも高めてくれるのです。続く