ナンバー 262 映画の話 その10 邦画編 | 堀切光男のエッセイ畑

堀切光男のエッセイ畑

主にエッセイ。

 

上  フイルムを使う古い映写機。

現在はデジタルが主流だが、山田洋次監督の様にフイルムにこだわっている

監督も多いようです。

 

下 日本の 歴代 名監督。  宮崎駿監督だけが 何故か 写真が無い

 

最近 WOWOW で「 39  刑法第 三十九条」を観る機会が有りました。

ずっと以前に観てもう一度観てみたいと思っていた映画でした。

いやあ、面白かった。

やはり 映画は 年月を置いて 二度 三度と観るべきですね。

 

「39」は 殺人犯に 堤真一、 精神科医の助手に鈴木京香、刑事が岸部一徳、国選弁護人に樹木希林と

皆 若いが素晴らしい個性派の演技で飽きさせない。

 

この手の映画たとえば、「砂の器」「天城超え」「人間の証明」等 見応えが有りますが

一度観て、もう二度と観たくない映画が一つだけ有ります。

それは「鬼畜」です。

それ程、拒否反応を起こさせる 映画でした。

という事は ある意味、 一番の名作なのかも知れません。

 

邦画は ホラー以外は何でも観ます。

とは言え 大竹しのぶの「黒い家」ぐらいは観た記憶が有りますが・・・・。

アニメ「君の名は」も とっても良かった。 この映画 二度目に観た方が面白いですよ。

漫画が原作といえば、「桐島 部活やめるってよ」というのが有りましたが

この映画 、ストーリーはともかく、撮りかたが面白い。

一つのエピソードを登場人物、数人の 視点から何度も繰り返し描くという手法は

斬新です。

又、 桐島自体は登場せず その人物像は周りの伝聞のみで明らかにされる・・・・・等、

中々に面白い映画でした。

 

面白い 撮り方の映画と言えば三谷幸喜の脚本、監督によるワンシーン、ワンカットドラマの

「ショートカット」です。

キャストは 中井貴一、鈴木京香の夫婦、猟師の梶原善の三人だけ。

ほとんどが中井、鈴木のやり取りだけで、進みます。

 

夫婦は其々 仕事の関係も有り、すれ違いで別居状態、 離婚の危機にある。

故郷で葬儀が有り、久しぶりで顔を合わせた二人。

葬儀後、町から離れたお寺から帰ろうとするが、アクシデントで車に乗れ無い。

助けを呼ぶにもとにかく 町まで出なくてはならない。

それなら夫が 昔 遊んだ里山の山道をショートカット(近道 )すれば良い と二人、喪服で山道へ。

途中 小さなお花畑や山中に置かれたミツバチの巣箱から蜂蜜を採ったり道草をしながら、

思い出話を 中井は喋りっぱなし。

いきなり猟師が現れ熊 出没の危険が・・・・。

会話が無かった夫婦にはこれが良かったようで、ヨリが戻りそうな予感。

 

こんな話を ワンカットで撮ったのがこの作品。

長 、長、長セリフを良く暗記したものだが、リハーサルもかなり時間がかかったろう。

それにも 増して カメラマンは肩に固定したキャメラを後ろ向きに歩きながら回している。

勿論、ノンストップなので小さな丸木橋を渡るシーンを先行しながら撮るなどは大変な苦労が忍ばれる。

 

ラスト 山から抜け出すと小川に出る。此処からはキャメラは望遠で追いかけるが

二人は浅瀬を渡り土手を梯子で上がり、いつのまにか先回りしていた猟師のトラクターに乗り 町に向かう。

この間の音声はどうなっているんだろう?

隠しマイクで拾っているのか?  アフレコかも?

 

(三谷幸喜さんの作品は大好きですが、

元奥さんの小林聡美主演の「カモメ 食堂」 「山の トムさん」等の なーんにも起こらない映画もいいですねえ。)

 

この「ショートカット」の成功で気を良くしたのか2013年にワンシーン、ワンカット映画の

第2 弾「大空港 2013」を発表しています。

このタイトルは洋画の「エアポート 75」  とか「エアポート  80」とかの 向うを張ったタイトルで

こういうユーモアも好きなところです。

この映画は前作とは打って変わって出演者 多数、エキストラも大勢の大作です。

松本空港を2時間貸し切って(もちろん昼間) 撮影されています。

上映時間2時間のワンカット映画ですから2時間ぴったりでロケも終わる訳です。

 個人的には「ショートカット」の方が面白かったと思います。

 

(追記)

一月二十一日に この大空港2013が急に観たくなって 撮っておいた D V D を見直しました。

全然 面白かった。

やはり映画は 2回以上観るべきと 再確認した 思い。

竹内結子、香川照之、 戸田恵梨香、 梶原善、 青木さやか、 オダギリジョーなど多彩な配役で

笑いっぱなしの映画でした。

 

三谷 映画で一番好きなのが「12人の 優しい 日本人」です。

この映画はコメデイ タッチですが原作は1954年のアメリカのテレビドラマそして1957年にリメイク

されて、それを原作とした舞台作品が「12人の 怒れる男」で大ヒット。

何本か映画化されましたが、ヘンリーフオンダ主演のが有名です。

 

三谷幸喜はこの大名作を コメデイタッチでオマージュ。

舞台作品として「東京サンシャインボーイズ」の為に脚本を書きました。

それが「12人の優しい日本人」だったのです。

 

この舞台劇を映画化した作品は役名が無いので陪審員11と呼びますが、トヨエツが役者の卵でありながら

弁護士と名乗り 中々の存在感を出している。

同じく7 号が梶原善でいい味だしてる。

これが映画版なのですが、舞台もライブ版で観られる。2005年の舞台版では

トヨエツの11号が 江口洋介。 

7号が温水洋一に替わっていますが甲 乙つけがたい演技です。

カーテンコールが4回も 行われるのを観ているとこの脚本の完成度がわかります。