自然薯のツル。 ムカゴが沢山なっている。
自然薯堀りは十二月が最適といいます。
一番美味しい時期 なのでしょうが、この頃には弦は枯れて、切れ切れに
なっていたりして、弦の根元を探し当てるのは非常に難しい。
名人と呼ばれる人は、夏の間に大きく育ちそうな弦を見つけるとその根元に
麦の種を蒔いたそうです。
十二月、自然薯のツルは枯れ果てていますが、麦の新芽がすくすく育って
目印となっている・・・と言う訳です。
私の村では大体の目印には傍の立ち木の枝を折って置き、弦の根本には
人の髪の毛を巻きつけて置きます。
こうすることで目印の他に猪が掘り起こして食べるのを人間の臭いで追い払う
事が出来るのです。
自然薯は最後まで折らずに掘り出しその長いもの程、価値があるとされます。
木の枝にアケビのツルで巻きつけられた自然薯は二メートルを超える事もある。
あの、 ナガシマさんはお土産に長い自然薯を貰ったが自家用車のトランクに
入らないと解ると躊躇なく半分に折って積み込みました。
走り去って行く車を見送りながら、 村人たち。
「ナガシマさんでは しょうがないか」と 顔を見合わせたそうです。
ナンバー16の「イワナと自然薯」(ラジオ放送されました)に自然薯を栽培する話を
書きましたが、それほど天然物は掘り出すのが大変。
それで山の露店の親父は古タイヤを積み上げ山土を入れて栽培する事を思いつく話です。
現実には、塩ビの雨どいに土を詰めて種イモを入れると,雨どいにもあちこちに穴を開け
土中に埋めます。
こうして三年程で掘り出すと立派だけど真っ直ぐな、自然薯(とは、言えないかも知れないが)
が収穫出来る。
山の竹藪は砂地の所が多い。 こんな所に育った自然薯は簡単に掘り出せる。
一方 岩場に生えた自然薯は石の間を縫って右に左に育って行くのでこれを掘り出すのは
半日がかりです。 石に阻まれて一センチ位しかない程薄っぺらくなったり、木の根っこを
U の字になって迂回したりしていて、悪戦苦闘の末に掘り出した自然薯は本当に
価値ある、一本。
又、味もより 深く粘り気も強いように思います。
さて、自然薯の食べ方ですが、アルミホイルに包んで焼き芋にして食べるのも良いのですが
やはり「 とろろ」が定番でしょう。
芋についたヒゲは取り、最近は 皮のまま すりおろします。
鰹節,昆布で取っただし汁に醤油、白味噌、味醂を加えおろした自然薯を のばして行きます。
「麦とろめし」とは とろろは、するすると噛まずに飲み込んでしまうので
消化の良い麦飯にかけて食べたそうです。
