ナンバー61 めし その一(なめろう) | 堀切光男のエッセイ畑

堀切光男のエッセイ畑

主にエッセイ。

酒飲みが集まって,キャンプを兼ねて釣りに行ったとする。


渓流釣り解禁前夜に,現地到着。


たき火も出来る山間の川原。夜はまだ冷え込むというシチュエーションなら


持っていくのは迷わず (ナメロウ)。


刺身に出来る白身魚(アジなど)を細かくたたいて、大葉 山椒の葉 ミュウガ等のみじん切りを


ねり込み、味噌を酒でのばして加える。



千葉出身の友は 手を使わず、全て包丁一本で混ぜ合わせた。


指先を使わないのは何か意味があるの? と訊いたら


「後で 手を洗うのが面倒だから」


と答えた 。 つづく


たき火を囲んでワンカップ酒で 乾杯。 おかん酒にしたい時は火の下にある


焼けた小石をコップに落とすとじゅっと音がして直ぐにおかんが出来る。


黒いススが浮かぶのが、たまにキズだが 、そんな時は あの C M の開高 健のように


こっそりススを 指先でピュッ、 ピュッと四方に飛ばし、


「大地の神にも お裾分け」


なんてく、さいセリフを のたまおう。


さて、小枝の箸の先にこのナメロウをからませて、ナメながら飲む酒はまさに絶品。


何故だか解らないが千葉の彼がこうすると旨いと言い張るので、試してみた。


焚火の火が落ち着いて炭が出来たら、それを取り出し 灰をふっと吹き飛ばし


炭の上に直にナメロウを乗っける。


火に当たった所が少し焦げた頃合いを食す。


コレを(サンガ) と言い、これが又旨い。


酒が進んで,明朝起きられるか心配になった所で、最後に腹ごしらえをして置く。


持参の冷や飯を丼に盛るとサンガを乗っける。


沸かして置いたヤカンのお湯に茶葉を入れ、茶漉しなど無いので


グルグル,ヤカンをぶん回す。


昔 カウボーイがコーヒーをいれた様に遠心力で茶葉を沈めるのだ。


と言っても茶葉は容赦なく入り込むので、余り意味がないような気もするが・・・・。


こうしてサンガのお茶漬けが出来上がると後は掻っ込むだけ。


その、美味しさといったら、食べた者しか解らない。


さあ、腹も膨れた事だし


寝て 起きればお魚さんが 待っている。