ラーメン屋 春ちゃん 「カツカレーラーメン」の巻き 「 散歩の達人」 2000年9月号に掲載
今はめっきり聞かなくなったが、 ほんの15 ~16年前まで使われていた隠語を、
拾ってみよう。
「ラーメン、 イーガ、リャンガ、 サンガ、 ツモ, リューガ」
まるで麻雀打ってるみたいだが、これを訳すと
「ラーメン一人前二人前,三人前、全部で六人前です」 ということになる。 たまに
「ラーメン、森の石松」
なんて声が聞こえてきたりする。 そう、
「ラーメン,硬めにお願いします」 という意味なのだ。 逆に「美空ひばり」という事もある。
そのとおり、「やわら」なのだ。 今ならさしずめ「田村亮子」なんて事になるのかも知れない
かつ丼の注文が入ったようだ
「ワラジ持ってこいっ。それじゃない、アニキの奴だっ」
これを訳すと、
「かつ丼用の揚げ置きしてあるカツ(薄くて形がワラジに似ている) 持ってこい。
それじゃないっ、古い奴があるだろっ」 という事になる。
「アニキ」の声が聞こえたら
「ああ、古い方食べさせられるんだな」
と思って間違いない。
ラーメン屋も、ここ数年でずいぶん様変わりした。 以前には考えもつかなかった、
サラダラーメンなんてのもある。 新顔も増えたが、消えていったのもある。
その一つにカツカレーラーメンというのがあった。
何てことはない、ラーメンの上に豚カツとカレーがのっているだけだが、
スープでふやけたカツの味が妙に懐かしい。
たまに作ってみたりするが、たまに食べるから良い、という程度の味だ。
私の店でも正規のメニューに上った事はない。
巷では20 年ほど前に「小山 遊園地」の食堂でお目にかかったのを最後に、
とんとご無沙汰している。 了
