外国語に取り組むための前準備として、
お金をためておく、学習時間を確保して
おく、出来るようになった暁に何をするか
を決めておくなどいろいろと考えられます
が、私は、「母国語で、おしゃべりの練習
をしておく」ことをお勧めしたいです。
なぜかと言えば、「おしゃべり」をする、
つまり、自分が言いたいことを言うという
習慣を身に付けておかないと、テキスト
の例文を発話するだけに終わってしまう
からです。
また、私自身の経験からすると、「おしゃ
べり」というのは、「おしゃべり」をしてい
る過程で自分が何を言いたかったのか
が分かってくるという側面が大いにあり
ます。「おしゃべり」を終えてから、
「そうか、自分は、そんな考えを持って
いたんだ」と改めて気付くということが
あるということです。
脳が既に発せられた自分の言葉や相手
の言葉に常に反応していて、言葉による
思考を推し進めているということなので
しょうか?
「おしゃべり」の習慣を身に付けた人は、
「おしゃべり」と同時に「ものを考える」習慣
をも身に付けていると言えるのかも知れま
せん。
いずれにせよ、外国語の教師にとっては
「おしゃべり」の習慣のない学習者は、手
ごわい存在です。
先生:では、この例文を言い換えてください。
生徒:これは、ペンです。
先生:もう一つ。
生徒:これは、椅子です。
先生:では、次の文型に移りましょう。
言い換えてください。
生徒:私は、ペンを持っています。
先生:もう一つ。
生徒:私は、椅子を持っています。
先生:?
言いますか、そんなこと?
一方、おしゃべりの生徒といると、俄然、
双方の頭の働きが活発になり、お互いに
高揚感を覚えます。
先生:では、この例文を言い換えてください。
生徒:これは、本物の偽物ですよ。
先生:もう一つ。
生徒:M資金のMは、人類資金のMです。
先生:では、次の文型に移りましょう。
言い換えてください。
生徒:先ず日本語で言わせてください。
「ある朝、彼の屋敷の裏庭に
一羽のヒヨドリが舞い込ん
で来て・・・・・・。」
先生:ちょっと待った!
どうやったら、これが、この文型
になるって分かるの?
欲張り過ぎ!
もっと短く!
生徒:「文学を解しない人には、
つける薬がない。」
先生:“无药可救?你指的是不是我?”
生徒:“是。”
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