中国語における3つの壁 | 100万人の中国語 

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田中則明(たなかのりあき)
小田原在住。中国語研究家。

二つの壁:「四声」と「日本語にない母音子音」

中国語における発音の重要性とその

攻略の困難さばかりを強調して来まし

たが、発音は、一つ目の壁に過ぎま

せん。


私の経験から言うと、


中国語:ペラぺ~ペラペラ


になるためには、或いは、


「話す」「聞く」「読む」「書く」の全てが

揃った中国語力を身に付ける


ためには、

次の3つの壁を打ち破らなければ

なりません。


第一の壁・・・・発音

第二の壁・・・・慣用句

第三の壁・・・・文章語


これを富士山登山に喩える、


第一の壁・・・・ふもと~3合目にある難所

第二の壁・・・・4合目~7合目にある難所

第三の壁・・・・8合目~頂上にある難所


となります。


どの壁が一番きついか?


勿論、第三、第二、第一の順序になり

ます。


ということは、第一の発音の壁は、

そのあとに続く壁と比べたら、たいした

ことないのです。

第一の壁は、出来るだけ、さっと通り過ぎ

て、次のステップに進むべきなのです。


第二の壁は、慣用句と表現しましたが、

実際には、語彙、語法、慣用句、慣用表現

諺などを含みます。


ですから、まさに広大な世界と言えます。

その世界をさまようのですから、時間も

エネルギーも必要です。


第二の壁を突破した辺りで、外国人向け

各種検定試験とはおさらばすることにな

ります。中検、HSK、TECC、どれで満点

を取っても、それは、第二の壁を乗り越え

たということを意味しているに過ぎません。


第三の壁は、言ってみれば、

「ネイティブ独壇場の世界」

であり、

「漢字一色の世界」

す。


第一の壁で、耳にタコができるほど

「ピンイン」「ピンイン」と訴え続けて来まし

たが、ことここに至っては、「ピンイン離れ」

を実行しなければなりません。


この最後の壁は、中国語に対する限りな

い関心と情熱がなければ、乗り越えること

は到底無理です。


或いは、中国語を自己表現の主要ツール

であると認めるところまで行った人のみが

壁を乗り越える喜びを味わうことが出来る

と言うべきでしょうか。


しかし、

「千里の道も一歩から」

です。


第一の壁にまだ手をかけたばかりの人

は、まずそれによじ登ってください。


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