残留孤児裁判に寂聴怒る
中国残留孤児裁判は「血も涙もない判決」
原告たちが中国で敗戦の災難にあったのは彼らに何の責任もない!
私は北京で終戦を迎えた時、23歳だった。
前年8月に生まれた娘をかかえていた(中略)。
夫は招集されてどこにいるかもわからなかった。
娘を何としても日本に連れ帰らなければいけないと言う一心で生きていた。
中国人に殺されても仕方ないと脅えていた。
私は自分の目で、北京における日本人の中国人への
横暴・虐待を見てきたからだ。
もし、私があの時満州にいて、ソ連の襲撃にあっていたらどうだろう。
(中略)
歩いてでも肉親のいるハルビンに行こうかと真剣に思いつめたりしていた。
あの時、ハルビン行きを決行していたら今の私はないし、
娘は残留孤児になっていただろう。(中略)
貧乏をしたことのない人には
十円の銭さえ拾いたい貧しい人のみじめさがわからない。(中略)
判決文を読み、こう言う判決の書ける人の想像力のなさに
恐怖と絶望を覚え、身も心も震え上がった。