おかしなことを言うと 「ヘソが茶を沸かす」と言われ笑いものになりますが、
「ヘソが茶を沸かす」とはどういうことでしょう。
おかしくてたまらない、ばかばかしくてしかたがないことの例えで使われる言葉で、
嘲りの意をこめて用いられることが多いようです。
「お茶」にまつわる言葉は枚挙にいとまがありません。
お茶が気軽に飲めるようになったのは江戸時代になってからのことです、それ以前は
武士階級で茶道として嗜まれていました。江戸時代中期にはお茶が庶民の飲み物になり、
お茶にまつわる言葉が多く生まれています。
「お茶の子さいさい」、「お茶をにごす」、「茶にする」、「茶番」などなど・・・
「へそが茶を沸かす」は、当時の人びとに好まれ、さまざまな文芸作品にも登場します。
あまりの馬鹿馬鹿しさに大いに笑いコケるときの、腹がよじれて波打つ様子が
湯が沸き上がるのに似ていることに由来していると言われています。
笑い過ぎてお腹が痛くなったとき、おへそのあたりが煮え立つように沸騰するので、
そこへ茶を沸かす急須でも置くと、お茶が沸くんじゃないかという思いがありそうです。
同義語に「へそが笑う」、「へそが捩れる」、「片腹痛い」がありますが、
どれも笑い過ぎて腹が捩れることに由来しています。
浄瑠璃の「糸桜本町育」の中に
『意見するもあんまり阿保らしいて、呆れが舞うて臍がをかしがって茶を沸かす』
と謳われていて、「へそが茶を沸かす」が広く使われていた様子が伺えます。
