ボミの父親はソンジュン殿と親交があって聞いていたのか。
我妻に興味を持っていたようで娘のHKUE 呃人わがままをあっさり許した。
商人の抜け目なさが頭に浮かんだのも事実だろう。
皇宮と何かしら繋がれば有利だ。
町古老にも根っからの商人ですが堅実で信用第一、町の者にも割と評判の良い大店の主人ですと聞いていたから。
まあ、我妻の気分転換になればいいと。
川岸のゆったりとした風情(ふぜい)と心のこもったもてなし。
温泉に、楽しい時を過ごしてほっこりして我妻は帰って来た。
どんなにいいお湯だったか。
川の景色も綺麗で、ボミの父親もボミのお客様だと最初の挨拶だけで。
必要以上に顔を出さず、離れでみんなと・ガールズトーク・で遅くまで喋って学生の時のようだ?と嬉しそうだった。
「桜の季節も是非にお待ちしています。テホグンもいかがですか?と誘われたわ」
上気した顔で喋る機嫌のいい妻。
外にユニ殿が私兵を伴ったし。
まして、ユニ殿とスジュンとエリこの三人で、ウダルチの避孕藥新兵十人は片づけられるほどの腕前。。
今、町は落ち着いているしボミの父親も抜かりないだろうからさほど心配はしなかった。
(スリバンは当然つけたが)
面白くはなかったが…たまには仕方がない。
本音は吾が目が届かないところに我妻を置いておきたく無い。
心配で仕方がなくなるから。
スジュンもエリも「私共までありがとうございました」とうれしそうだった。
しっかりと役目は分かっていたようで。
「ウンス様に害を為そうとする事は微塵も感じられませぬ。此度のことはボミさんに無理を強いていた父親の罪滅ぼしのようです」
少し聞いていたことがあったので、頷いた。
女人達が楽しくに 過ごせたなら、よしとしよう
ボミの父親のご厚意、受けて良かった。
吾が忙しくあまり相手をしてやれない
気掛かりがあって少し気がそっちへ行っていた。
片をつけなければならない事案がある
前に、我妻が無事だったのはボミのおかげだし、致し方ない。
これで終わるはずだった
吾はそう思っていた
次の朝、起きると腕の中に何故か我妻が居ない。
急いで部屋を出ると我妻が月桂樹に抱き付いていた
(月桂樹は亡き母上のお気に入りの探索四十課程木で我妻の心の支え)
「おはよう、どうしました?」
月桂樹から引き離し抱きしめようと手を伸ばすと、皇宮から急ぎの出仕の知らせ。
話す間もない、仕方なく
強く抱きしめて「夜、お聞きします」と言いおき。
淡く笑う我妻に後ろ髪を引かれながら屋敷を出た
昨日、あんなに上機嫌だったのに…怖い夢でも見たのか?
その程度に思っていた。