もうちょっとだけ)接する。 | おまじないコブラはじめました。

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河内美雪さんの『借金王キャッシュ』好きが昂じてこのようなタイトルをつけましたが、中身は数学オタク中年乙女のボヤキです。悪しからず御了承くださいませm(_ _)m

科学的考証とかできてないため、ウンチクは話半分で読んでください。


わかってるんだ。

みんな(誰のことだよ)数式より綺麗なオベベの方が好きなことぐらい(アクセス解析を見た中年乙女の悲嘆)…

でも、そもそも当ブログは「誰も聞いてくれないウンチクをひとり垂れ流すための場」として始めたので、まだまだ数式を載せまっせ!

今日初めて訪問してくださった方は、前の記事も見てね(強要)!


と、開き直りも済んだところで。



今回は、もうちょっと視点を変えて、二次方程式

 x²+x+1=0

を見ていきたいと思います。


前回のおさらいとなりますが、上の式を満たすxの解は

 x=-1/2+(√3)i/2
 x=-1/2-(√3)i/2

の2つ(iは二乗すると-1になる数)となります。

今回は、この2つの解をそれぞれ二乗、三乗したらどうなるかを、見ていきましょう。

ひとまず、x=-1/2+(√3)i/2の二乗から。

 x²={-1/2+(√3)i/2}²

と、素直に二乗してゴリゴリ計算しても悪くないのですが、実はもっと楽な方法があります。

元の二次方程式の両辺から“x+1”を引き、ⅹ²以外を右辺に移項するのです。

 x²+x+1-(x+1)=0-(x+1)
  ↓  
 x²=-ⅹ-1

で、右辺のxに解を代入すると、ややこしい二乗の計算を免れることができます(かように、なにごとも下ごしらえは大切です)。


では、実際にやってみましょう。

 ⅹ²=-{-1/2+(√3)i/2}-1
  ↓  
 ⅹ²=1/2-(√3)i/2-1…({ }を取るため、中身に-1をかけました)
  ↓  
 ⅹ²=1/2-1-(√3)i/2…(順番を並べ替えました)
  ↓  
 ⅹ²=-1/2-(√3)i/2…(実数部分の引き算をしました)

というように、もう一方の解になるのですよ。


ちょっと面白くないですか?面白いですよね⁉


計算過程は省略しますが、x=-1/2-(√3)i/2を二乗しても、x²=-1/2+(√3)i/2となります。

もしかして、この値ってちょっと特別なんじゃないの?と思っていただけたでしょうか?



その思いを(半ば強制的に)ⅹ³を計算して、確かなものにしていただきましょう。でも

 ⅹ³={-1/2+(√3)i/2}³

と、いきなり三乗するのはしんどいですよね。

なので、先ほども使いました移項式

 ⅹ²=-ⅹ-1 の両辺をⅹ倍し
  ↓  
 ⅹ³=ⅹ(-ⅹ-1) の右辺を展開
  ↓  
 ⅹ³=-ⅹ²-ⅹ に…


「あ、やっぱり計算大変そう…」とげんなりしたあなた、ちょっと待って!

ここで、右辺にそのまま -1/2±(√3)i/2を代入して計算するより、もっといい方法ありますよね⁉


思い出してくださいまし。ⅹ²=-ⅹ-1だったことを。

これを使って、ⅹ³=-ⅹ²-ⅹ の右辺の ⅹ²部分を書き直すと

 ⅹ³=-(-ⅹ-1)-ⅹ となり、右辺を展開すると
  ↓  
 ⅹ³=ⅹ+1-x あれ?もしかして…
  ↓
 x³=1

と、一度もⅹに解を代入することなく結論が出てしまいました。


そう、実は「ⅹ²+ⅹ+1=0を満たす数xは三乗すると1になる→x=-1/2±(√3)i/2は1の三乗根」なのです。

「ⅹ³=1なら、ⅹは1しかないじゃん」と思っていたら、実は、他に複素数解が2つもあったんですねぇ(しみじみ)。




毎度のことながら、ここまで我慢強く読んで下さった皆様、まことにありがとうございます。

そして、容赦ない方ならこう思われたでしょう

「ブログタイトルに“接する”ってあるのに、ちっとも接する話出てこないじゃん!」


というわけで、これから“接する”ゾーンに突入したいと思います。

1の三乗根である 1、-1/2+(√3)i/2、-1/2-(√3)i/2を、複素数平面にプロットしてみましょう(新たな図を作るのしんどいので、前回の三次元グラフ使い回しです)

おさらいしておきますと、横軸(緑)方向がxの実数、縦軸(赤)方向がxの虚数の大きさで、点Aがⅹ=-1/2+(√3)i/2、点Bがⅹ=-1/2-(√3)i/2、そして、新たに加わった点Cがⅹ=1となります。

(※見やすくするために、y=0平面に塗っていたグレー色は消しました)
次に、この3点を結んでみましょう。
解を見て「1とか2とか√3とか、どっかで見た数字で構成されてるな〜」と思っておられたアナタ(誰だよ)は鋭い!

実は、三乗根を構成する3点を結ぶと正三角形(3辺の比が1:2:√3の直角三角形を2つ並べた形)になるのです。

さらに、この上に、原点を中心とした半径1の円(以降「単位円」と呼びます)を重ねてみますと
正三角形がキレイに内接し、円弧AB、BC、CAの長さは等しくなります。

つまり、1の三乗根を複素数平面にプロットした点A、B、Cは円周を三等分するのです。


この性質、実は、三乗根に限らず

「1のn乗根は複素数平面上で1を起点として単位円の円周をn等分する」

と言う風に一般化できます。


例えば1の平方根の場合、ⅹ²=1を満たすxは1と-1ですよね。これを複素数平面にプロットして、単位円を重ねると
当たり前っちゃあたりまえですが、2点は円周をぴったり二等分します。

1の四乗根ならどうでしょう。

ⅹ⁴=1となる数ですから、±1はすぐに分かりますが、もうないのでしょうか?

ちょっと真面目に因数分解してみましょう。

 ⅹ⁴=1 の右辺を移項して
  ↓  
 ⅹ⁴-1=0
  ↓  
 (ⅹ²)²-1=0
  ↓  
 (ⅹ²-1)(ⅹ²+1)=0
  ↓
 (x-1)(x+1)(ⅹ²+1)=0 で、ちょっと強引ですが
  ↓  
 (x-1)(x+1)(ⅹ-i)(x+i)=0 と分解できます。

左辺は( )内の計算結果のかけ算ですので、( )内のいずれかが0になるようなⅹが答えになります。つまり、1の四乗根は±1と±iです。

これらの点と単位円を複素数平面に描くと
ちゃんと点が単位円の円周を四等分します。


今はまだ、自分にとっては経験則でしかないのですが、いつか自力で一般化の証明に辿り着きたいな〜(気が利いた数学ブログや数学系YouTuberの動画は既にたくさんあると思うのだけど、まだ見るのを我慢している)。


などと思う、初夏の深夜でした。

気がつけば、もう、けっこうカエルが鳴いてる季節なんだねえ…




(おまけ)
因数分解に躓いたのでボツにしたけど、八乗根の図も作ったので見てください。
1の八乗根は±1、±i、(√2)/2±(√2)i/2、-(√2)/2±(√2)i/2ですので、よろしければ、それぞれを八乗して本当に1になるか確認してみてくださいませ。

検算は意外と簡単ですよ。まず二乗して、出た答えを二乗して、もう一回二乗するだけ。

さあ、レッツトライ!