変身と相互理解。 | おまじないコブラはじめました。

おまじないコブラはじめました。

河内美雪さんの『借金王キャッシュ』好きが昂じてこのようなタイトルをつけましたが、中身は数学オタク中年乙女のボヤキです。悪しからず御了承くださいませm(_ _)m

科学的考証とかできてないため、ウンチクは話半分で読んでください。

こんな本を読みました。

伊藤亜紗さんの『目の見えない人は世界をどう見ているのか』

一見すると、ヨシタケシンスケさんのイラストの入った表紙カバーがかかっているのですが、これをめくると、下にもう一枚極めて地味な表紙カバーがあって、どうも、イラスト付きのこのカバーは、ほぼ冊子大の帯のようです。

その冊子大の帯にまんまと釣られて、また、数年前に多分NHKスペシャルで見た、視角障害者の中には音の反響を大脳の視覚野で処理している人がいるという話が心に残っていて、(見えるってなんなんだろうな)と興味をそそられたのが、この本を手に取ったきっかけです。

自分とは違う知覚を持った存在としての視覚障害者を『助ける』ではなく『違いを面白がる』ことから理解し、障害に新たな社会的価値を見出だすことを主題に書かれています。

幼少の頃生物オタクで、自分とはちがう生き物に『変身』してその視点から世界を見てみたいという思いを持っていたという著者の知的好奇心に満ちた文章は、視点も文体も人間の体温をじんわりと感じさせるように優しく、読んでいると少し幸せな気持ちになりました。

何より、単純に面白かったです。一見すると均質な人(所謂健常者)の中で暮らしている自分も、実際は知覚や認識や視点の違う雑多な存在の集合体の中にいるんだろうな。と思うと、少し景色が違って見えるような気持ちになります。



社会インフラの課すハードルが高い人達にさらに高いハードルを課して乗り越えさせて涙を誘うより(もちろん本人が取り組みたがっていて周囲がサポートすること自体を否定はいたしません)、こういうテーマに取り組んだらいいのに。

などと、季節柄もあり、やたら放送時間が長い例の番組に対しても思う今日この頃です。