
統計とはどんなものか、なにがわかるのか、どんな誤解を生みうるのか、などを、キャッチーなトピックを使い分かりやすくまとめた、たいへん読みやすい本です。
ワタクシにとって、ポケットに忍ばせた地獄行きの片道切符のような『ポアンカレ予想』を提唱したポアンカレ氏が、毎日パンの重量を測ってその分布を調べ、パン屋のちょろまかしを指摘した話なども載ってます。
『単連結な3次元閉多様体は3次元球面S^3に相同である(※ワタクシ物理数学ちょっとかじった筈ですが、未だ以てなにが書いてあるのかサッパリ分かりません)』の壮大さに比べて話があまりに小さく、涙を誘います。
ともかく、悩が異常に興奮するほどエキサイティングでもなく、非常に整然としたある意味美しい世界を眺めていると、悩がとてもリラックスするらしく、心地よい眠りを誘われるのです。
ここしばらく不眠に悩んでいたのが嘘のようです。
今でもそういうフレーズあるのかな?昔なつかし8ビットRPG風にいえば
『フユヒコはねむれるまほうのほんをてにいれた』的な感じです。
その、『ねむれるまほうのほん』の中に、このようなグラフがあります。

著作権に抵触するのであまりハッキリ写しませんが、人口10万人あたりの男性の死亡者数の分布を年齢別に線グラフにしたものです。
最も古いのが1947年、最も新しいのが2010年で、近年に近付くほど若年層、中年層の死亡者数が減り、また、最も死亡者の多い年代がより高齢になり、ピークも鋭いことから、日本という国が、60数年の間により多くの人が長生きする社会になったのだと目で見てわかります。
ですが、ワタクシがこのグラフで気になるのは、どうしても1947年の曲線なのです。
昭和でいえば22年、終戦から2年ほどだからでしょうか、20代に小さいピークがあります。
戦地へ駆り出されていた若者が、それにかかわる何らかの理由(ケガの後遺症や精神的なもの)で命を落としたのでは?と想像させます。或いは、遺族(または国家)が捜索を諦めた若者の数が反映されているのかもしれません。
そしてなにより(ページをまたいでいるので画像では見にくいのですが)全世代で最も死亡者が多いのが新生児で、グラフ表示の上限を越えています。
医療も物資もたぶん不足していて、満一歳を迎えるのも難しかったのだろうな。
このグラフは男性のみの統計ですが、もし女性のデータがあれば、出産にともなう母親の死亡数も少なくはなかったのでは(なので、女性も20代に小さなピークがあったかも)、とも思います。
少子化で新生児のn数が小さくなっていることを差し引いても、現代は、医療の進歩と治療体制の充実で助かる命が増えているのだろうと推測できます。
そして、それを支えている土台は、やっぱり平和なのだと、グラフを眺めているだけでも多少実感できます。
世界中には、まだまだ情勢が不安定で、日本でなら普通に育つような新生児も安全に育てない場所もあるんですよねぇ。そこ、なんとかできんやろか…
なんて思う、終戦の日でした。