永冬生活…浮心 | 腹回り鏡餅に浮輪ネガポジ部屋

腹回り鏡餅に浮輪ネガポジ部屋

光と闇は表裏一体。
2017年末に 脳梗塞で倒れ 糖尿病も併発、軽い右側麻痺、言葉がたどたどしい。
LDH系、特に三代目JSB、特に登坂広臣(臣ちゃ)好き♡♡♡
斎藤工(工ちゃん)好き♡♡♡
《いいね》は生存確認、内容に関わらずしてます。
(記事に無関係、無神経な※ 無言削除)

しかし、ダーリンはそれを拒んだ。

それら全てを私に知られるのが嫌だったのか、それとも、自分が多重債務者で多額の借金があるという事実を、はっきりと認めるのが怖かったのか。

ともかく彼は、はっきりと把握していなかった。
把握しようとしていなかった。

これだけ何社もあるのも

【コッチの返済が出来なくなったから、アッチから借りて返済】

【アッチの返済が出来なくなったから、ソッチから借りて返済】

と繰り返していた為。

いわゆる自転車操業だ。

おそらく義姉に渡していた銀行関係の支払い分(携帯代など)も、足りなくなるとそこから引き出していたのだろう。
あとから思えば、例の女とのデート代も、そこから引き出していたのかもしれない。

なんだか…
なんだかとても情けなかった。

私は自分が欲しいものも我慢して、必死で彼を支えてきた。
入籍もしていないのに。
事情もよく解らぬまま。

靴が一足しかなかったので新しい靴が欲しかったが、見に行っては、そのまま帰ってきていた。
【たった500円の靴】をだ。
ダーリンの欲しいものや、車の諸経費などは、支払える限り上限なく使う癖に。

それに私は、市県民税など、税金や健康保険の代金も支払えずにいた。
督促状の山から目をそらす後ろめたさ。

コッチはそんな思いまでしているというのに、ダーリンは何をしているのか。

そう思っていても、ダーリンと別れることも、ダーリンを追い出すことも出来なかった。

そして結局。
借金のことも詳しく聞き出せなかった。


そしてこの頃。
私の仕事に大きな変化が。

別の検査に異動し、メスボスも以前ほど風当たりが強くなくなったとはいえ、やはり、仕事を辞めたい気持ちは強くなっていた。

ただでさえやる気がないのに、ダーリンの多額の借金が判明し、益々やる気を失っていた。

それに。
会社に行けば、散々私に嫌な思いをさせた連中がゴロゴロいる訳で。

((過ぎたことだ、忘れよう。あんな連中に腹を立てれば、自分も奴らと同じレベルに下がるんだ…))

そう自分に言い聞かせようとしたが、やはり出来なかった。

携帯の方の検査に助っ人で行けば、嫌でもオセロと関わらねばならず。
それが苦痛を増幅させた。

ある日、こんなことがあった。

オセロと一緒になって私を陥れた、一階の連中(偵察オババ含む)と一緒に仕事をすることになった。
携帯の方の検査が忙しく、下の連中も駆り出されたのだ。

オセロが、検査のことで上司に話しを聞きにいっている間、下の連中は

「ねー、冷蔵庫からジュースとってー。」

「あ、あたしもー。シュークリームもとってー。」

なんてキャピキャピ。

ジュースを投げあってキャーキャー。

私の記憶が間違っていなければ、仕事中の筈だが。
連中の騒ぎは、オセロが戻るまでの約30分ほど続いた。

更に別のある日。

例によって携帯の方の助っ人に行った私は、オセロと2人きりになってしまった。

オセロは、新しい派遣の子に頭を悩ませていた。

新人さんは、やはり若い子(二十歳前後)で、ちょっと癖のある、あまり仕事を真剣にやろうとしないタイプだった。

オセロは色々私に愚痴を言った後

「だから意地悪したくなるんだよねー。」

と。

はいっ!?

私も新人さんと仕事して、確かにあまり使いやすい感じではなかったが…
それでも意地悪をしていい理由にはならないだろ。

というか。
働き始めてまだ、たった数日の新人さんに意地悪するて。
それで益々やる気のない子になったのではないのか?

相手が気に入らないから意地悪をする…
オセロの性格がよくわかった発言だった。

つまり私のことも、お気に召さなかった、ということだったのだろう。
もっとも、あんな特殊な性格の人間に好かれたいとも思わないが。

そんな連中と仕事をすればするほど、連中への嫌悪感は増すばかり。
必死で押さえつけていた憎悪も、どんどん大きくなるばかりだった。

((絶対に辞めよぉっ。))

再び固く決意した私は、派遣会社の上司に話しをした。
来月末には辞めたい、と。

ちょうどこの頃。
私の検査の所に、新しい検査の機械が入る話しが出ていた。

現在。
私達、人の目に、ほとんど頼っている印刷の検査を、その機械にやらせよう、というのだ。
何億というお金をかけて。

それが軌道にのったら、大幅に人員削減するつもりらしい。
もちろん、真っ先にクビになるのは、あのオスボスとメスボス。

私はどうなるか解らなかったが、良い機会だった。

派遣会社の上司は、最初は少し驚いたようだった。
違う検査の方に異動になってからというもの、表向きは大きなトラブルはなかったので尚更驚いたようだ。

《それに、どのみち新しい機械が入ると何人かクビになるみたいなんで。》

と言うと、更に驚いた顔をする。

新しい機械が入るのも、それに伴って大幅な人員削減があるのも知らなかったらしい。

上司にとっては、私が辞めると言い出したことよりも、そっちの方が凄まじく大事な情報だったに違いない。

ともかく。
この上司は、私が色々耐えていたことなど、この会社に派遣されてからの経緯をずっと見てきた訳で。
色々話すと、今回は比較的すんなり納得して、私の気持ちを聞き入れてくれた。

そして私は、密かにあることを考えていた。

辞める日。

最後に挨拶に行き、あのブヒ太郎をはじめ、私に色々やってくださった方々に、自分の気持ち全てをぶつけてやろう、と。

もちろん他の人達の前で堂々と。

今まで我慢してきたことや、今も抱えてるこの気持ちを全てぶちまけてやろう、と。

今更、しかも辞めてゆく人間、それもたかが派遣社員が何を言っても、奴らが何かを感じることはないとは思う。
それどころか、みっともないとさえ思われるかもしれない。
皆の暇つぶしの良い話題になってしまうだけかもしれない。

それでも。

それでも、自分の気持ちをぶちまけねば、どうにもおさまらぬとこまできていた。

そしていよいよ。
辞める日が近付いていた。

私は、わくわくさえ、していた。

この後。
まさかあんなことが起きるなんて、全く思いもせず…。