永冬生活…撃沈 | 腹回り鏡餅に浮輪ネガポジ部屋

腹回り鏡餅に浮輪ネガポジ部屋

光と闇は表裏一体。
2017年末に 脳梗塞で倒れ 糖尿病も併発、軽い右側麻痺、言葉がたどたどしい。
LDH系、特に三代目JSB、特に登坂広臣(臣ちゃ)好き♡♡♡
斎藤工(工ちゃん)好き♡♡♡
《いいね》は生存確認、内容に関わらずしてます。
(記事に無関係、無神経な※ 無言削除)

以前、私は、自分に飲食の仕事は向いてない、と思っていた。

お客さまと関わるのも苦手意識があったのだが、何よりも、座席番号などを覚えるのが嫌だったのだ。
嫌だ、というか、出来ないと思っていた。
特別な根拠があるわけではなかったが、とにかく、自分には無理だ、と思い込んでいた。

だから短大時代にバイトした時も、ホールをやったらどうだ、と言われたのを固辞したのだ。

それが…。
まさか、その10年後、ホールを走り回っているなんて。
全く想像もしていなかった。
それも、お客さまとの関わりが、本当に楽しく思える日々が来ようとは。

まぁ、大半のお客さまは、仲間同士でワイワイというパターンだが、中には、お店に入った瞬間、その場の空気を暗くしてしまうほどの、激不機嫌な人もいる。

そんなお客さまを、いかに笑顔にさせるか。

誰も寄せ付けないほどの雰囲気をカモシ出してたお客さまが、顔には笑みさえ浮かべ、私や他の従業員に

「一杯飲むか。」

と言ってくださった時の…喜び、というか、勝利感、というか。
その時の気持ちは、言葉では言い表せぬものであった。

やがて私は、お客さまとの【駆け引き】を楽しむようになった。
同じような状態の人でも、すべての人に共通の対処はない。

例えば、非常に不機嫌さんでも、ただゴマをすったり持ち上げたりすれば良いってもんじゃない。
その時の状況にもよる(店内の雰囲気…騒がしいとか静かとか)し、やはり、元々のその人の性格などによっても、対処の仕方は変わってくるのだ。

それを瞬時に見分け、その人に合った方法、その人に合ったタイミングで接する…
そんなやり取りが楽しかった。

なので、どんなに偏屈そうな人でも、まぁ実際偏屈な人でも、お客さまに対してはあまり腹は立たなかった。
(どうにもムカつく奴もいたが;)
そういう人に的確な対処をし、帰る頃には笑顔にさせてやる、という気持ちが、尚更、私を燃えさせた。

だけどもちろん、それが必ずしもいつも上手くいくとは限らない。
どれだけ頑張っても、太刀打ちできない人はいた。

お父さんの常連さんだった、イデさん。
彼に、完璧に潰されたことがある。

最初は熱燗だった。

お父さんは、アチコチのお店回りをし、店長はピトピの頃だった。
その日は、あまりお客さまのいない日で、お父さんは他の店舗に行って留守だった。

「はぃ、チビちゃん。ここに座って♪」

と、カウンター席の端っこを陣取ったイデさんにご指名を受けた。
(指名料はありません(苦笑))

私のオチョコに注ぐと

「はぃ、飲んで♪」

で、飲む。

すかさず注がれる。

注いでいただいた、とはいえ、たった今飲んだばかりなんで、オチョコを置こうとすると

「あれっ、チビちゃん。飲まないのっ?」

《え。今飲んだばかりじゃないですかー。》

「なに、チビちゃん。僕の注いだお酒が飲めないのっ!?」

顔は笑っているが、目は笑っちゃいない。
(怖いよ、これ)

仕方なく飲む。

置く前に注がれる。

置く前に飲まされる。

はぃ、やられました。

イデさんにも注いで、色々話しかけて、なんとか自分のペースを保とうとしたのだが…。
敵は手強かった。

結局、短時間に、お銚子を6本飲まされたとこでギブアップ。

ピトピにバトンタッチ。

そして私は、便器とお友達になりましたとさ(泣)。

片やイデさんは、ほろ酔い気分で終了。
そりゃイデさん自身は、正味2本くらい、しかもご自分のペースで飲んでらっしゃるのだから、酔っ払うわけもなく。

コチラは、私とピトピの二人がかり、熱燗10本くらい飲まされ、しかも二人とも潰され(苦笑)。

完敗だった。

もちろん、本当の意味でのお客さまとの駆け引きとは違うけど、やはりある意味【やられたー】て感じだった。

そして…イデさんとの【闘い】は、これで終わりではなかった。

数日後。

「はぃ、チビちゃん。ここに座って♪この前熱燗だったから、今日は冷酒にしよか♪」

流石に、前回で学習した私。
同じ状態には、絶対にならないぞっと臨んだ…のだが…。

やはり敵は手強かった。

イデさんは

《この前…あの後、大変だったんですからー。》

なんて言う、私の軽い牽制などもろともせず。
順調にイデさんのペースにはめられた私は、前回同様潰され…またしても、トイレとお友達(泣泣泣)。

今回は冷酒が5本。
よく頑張ったよ、私(笑)。

いつものイデさんは、ご自分が少し飲む程度で、お父さんがいれば、お父さんに飲ませ、他の従業員には、たまーに飲ませるくらいの人だった。
それが、何故この時、私を潰したのか…理由は解らない。
だが、とりあえず、私が潰れてゆく様子を見てるのを楽しんでいるのは解った。
(私に憎しみがあったとかではなく(笑) )

ところで。
そこまで潰れた状態で、帰りはどうしたか。

実は、お父さんが

「チビが使いもんにならなくなったから、迎えに来てやってくれッ!」

と、ダーリンに電話。

ということで、前回と今回、あわせて2回もお迎えを頼んでしまったのだ。
それ以来ダーリンに【日本酒禁止令】を出されたのは、言うまでもない。

私は私で、日本酒を、普通の状態では受け付けない体になってしまった。
飲むと全身、鳥肌が立ち、身震いが止まらなくなるのだ(苦笑;)。

特に冷酒がダメだった。
しかし、冷酒を好むお客さまは多く、よく

「飲むか?」

と言われた。

断れる雰囲気でない時はどうしたか。