ピンクゴールドの細い指輪は、「割れやすい」ってマジすか!? | 事件は御殿場で起きている♪ 御殿場のウオッチ&ジュエリーのお店・ヤマトヤ 青嶋寿和のブログ

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富士山の麓・御殿場市にある、
時計・ジュエリー店「ヤマトヤ」の青嶋です。
時計だったり宝石だったり、働いたり遊んだり、
食べたり飲んだり、出張だったり地元ネタだったり、
いろんなタリタリ綴っていきます!

こんにちは!
ジュエリー店ヤマトヤのアオシマです。


ちょっと前に、友人からの相談が。



「ピンクゴールドの指輪が、割れちゃった!」



と。



プレゼントでもらったものだそうですが、
詳しく聞いていくと、

・K10の刻印あり
・ピンクゴールドの細いピンキーリング
・デザインが入っている部分とまっすぐの部分の境目に割れが入った


とのこと。



コレ、パキッと割れやすい条件が揃ってる品物なんです・・・。



◆10金(K10)とは?
金の配合率が24分の10、つまり、約41.7%が金で、
残りが他の金属の合金材質のこと。


ジュエリーに使われる「金」、ゴールドは、
純金の状態だと変形に弱いので、
他の金属と混ぜ合わせる「割金」をすることによって、
変形に対する強度を上げています。


世界的に見て、最も多くジュエリーに使用されるのが、
「18金」と呼ばれる素材。
24分の18、つまり75%が金で、残り25%が他の金属です。
その他、14金や9金、22金などもジュエリーに使用されます。


金は素材的に高価なものなので、
金の配合率を下げれば下げるほど、
安価にジュエリーの制作ができます。
細身のファッションジュエリーには、10金もよく見られます。



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▲多くのジュエリーには、指輪やネックレスの目立たないところに
金属の材質の刻印が入っています。






◆ピンクゴールドとは?
例えば18金の場合、25%が金ではない別の金属ですが、
その部分に、「銅」を多めに配合することで、
ピンク色を強くした金の合金素材のことです。
略称、「PG」。

赤みのある銅を多く配合すると、
その色味が濃くなる、というワケです。

ちなみに、「イエローゴールド」(YG)と呼ばれる、
よく見られる金色の素材は、
銀と銅を半分ずつ混ぜるのが一般的です。
白味のある「ホワイトゴールド」(WG)は、
主にパラジウムを配合し、白さを出しています。




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▲ヤマトヤで取り扱っている結婚指輪「LUCIE」の指輪。プラチナのほか、18金YG、PGでもおつくり頂けます。





◆なぜ、細いK10PGは割れやすいの?
金自体は、非常に粘りのある金属です。
「延性」と言って、長ーく伸びる性質を備えています。
金箔が作れるくらいですからね。


で。


ピンクゴールドは、銅が多く使われています。
ピンクゴールドは他の金属に比べ、極端に粘りがない素材なんです。
そのため、サイズ直しした箇所や、
デザイン的に細くなっている箇所に力がかかると、
割れてしまいやすい、というワケです。


K18のPGに比べ、K10のPGは銅の配合が多いので、
特にそうなりやすい傾向があります。
そして、細ければ細いほど割れやすい、というわけです。





◆割れてしまったら、直せるの?
製造方法にもよりますが、金やプラチナのジュエリーは、指輪の一部を切ったり地金を足したりして補修が可能です。


が。


PG、特にK10の場合は、銅の配合割合がメーカーによって異なる(=補修できる素材が製造メーカーにしかない)ので、購入したところでないと直すとことが難しいんです。ヤマトヤでも、他店でお求めの場合は、一度職人さんに見てもらってからの判断になります。



18金なら他店品でもほとんど直せるのですが、K10素材は、購入したところがちゃんと対応してくれれば、それが一番確実です。今回の友人のケースも、購入先を調べてもらって、そこに対応をお願いするようにアドバイスをしました。



というわけで、10金のピンクゴールドの指輪は、安価にオシャレを楽しむことができる一方で、材質的にはちょっと注意が必要です。お持ちの方は、重いものを持ったりする際は、必ず外して下さいね。



ヤマトヤでも、修理可否の判断およびお見積もりまでは無料でやるので、どーしても困った際はご相談くださいませ!