刑事塾 詐欺、採用面接、営業で騙されない、ウソや人間心理の見抜き方講座 -21ページ目

刑事塾 詐欺、採用面接、営業で騙されない、ウソや人間心理の見抜き方講座

刑事塾は刑事力を学ぶ場です。元刑事が刑事のスキルであるウソや人間心理の見抜き方を教えます。




なかなか無くならないオレオレ詐欺ですが、これをひとつの会社の事業として考えると初期投資はかなりの額が必要になります。


まず携帯電話購入費、拠点用の事務所借り上げ賃、名簿屋から入手する名簿購入費、プレーヤーを研修するための研修費用、当面の運転資金など。


普通の事業と違うのはこれらのモノはまっとうな名義で借りたり、買ったりできないという特殊性があるということです。当然経費も高額になってしまいます。携帯電話だってまともな名義は使えないので裏から入手したモノになりますし、事務所も偽名で借りる必要がありますしね。


そうすると事業を始めるまでに数百万と必要になるのです。これらの経費を出資する輩がいます。


これがオーナー、金主というやつです。だいたいがヤクザ関係や怪しい商売をして羽振りがいい奴らとも言われています。


このオーナーが出資して番頭を使って詐欺をさせるわけです。
オーナーは売上の何%かを納めさせて収益とします。


こうなってくると本当に会社組織ですよね。


末端の人間はオーナーが誰かなんて全く知りませんし、会ったこともないはずです。現場に近ければ近いほど捕まる可能性が高くなりますから。


組織化するオレオレ詐欺グループ。


警察も更に頑張らないと上まで登り詰めるのは至難の業です。


今日も読んで頂き、ありがとうございました。




ご承知のとおり、大阪の寝屋川で凄惨な事件が起きてしまいました。
中一男女ふたりが殺害されて遺棄された事件です。


大阪府警は早い段階で容疑者を絞って尾行し、その捜査の過程で男子中学生の遺体も発見しました。


この事件が解決に至ったポイントは防犯カメラの映像犯人の前科あっただろうと思います。


点の点が線になったのはまさにこれらの情報があったからでしょう。


現代の警察捜査において事件発生当初にやるべきこと。
それは現場周辺の防犯カメラの映像を押さえることであるといっても過言ではありません。
現在は街中至るところに防犯カメラが設置されていますし、すぐに回収しないと映像が上塗りされたり、消去されてしまいますからね、防犯カメラのデータを何より早く押さえることが先決になります。


収集したデータはすぐに解析されます。この犯人も周辺の防犯カメラに映像が残っていたようです。ある程度、犯行で使用した車の車種が絞り込めればNシステムでふるいにかけてナンバーが特定できます。


そのナンバーの車両所有者の名義人について前科前歴を照会し、誘拐や強制わいせつ、監禁などこの事件に近い前科を持つものを絞り込みます。


今回はまさにビンゴ状態でこの男がヒットしたのでしょう。
見つけ出した刑事は「こいつだ!!!」と思わず叫んだと思います。


それから警察は男の所在を確認し、追跡に入ります。未だ見つかっていなかった男の子の所在を明らかにするためです。


しかしその途中で山林内に入る男の動きから男子中学生の遺体を発見します。

「犯人は現場に戻る」 

まさにこの言葉どおりの行動でした。


犯人は何故危険な現場に舞い戻ったのか?


それは安心したいからです。


犯人はいつ捕まるのか、いつ警察に自分だということがわかるのか、ビクビクして生活しています。きっと夜も寝れず、そのことばかり気にしているでしょう。


「犯行の現場はどうだっただろうか?」「証拠は残してこなかっただろうか?」「どこかに防犯カメラはなかっただろうか?映っていないだろうか?」


心配で心配で少しでも自分の心を落ち着かせ、安心するために現場をもう一度見て確認したくなるです。

だから「犯人は現場に戻る」という行動をとります。

今回はまさにその行動が仇になったわけですね。


私も刑事生活の中で多数の事件指揮をしてきましたが、今回、短期間で犯人を絞り込み、犯人を逃がさずに検挙することができたのは大阪府警の執念であるとともに現場指揮官の的確な指揮があったからだろうと思います。


検挙した時の指揮官の気持ちを思うと私も現役の頃の熱い気持ちを思い出します。


現在、この犯人は黙秘をしているとの報道もあります。全容解明に向け、大阪府警の更なる奮起を期待したいと思います。


そしてお亡くなりになったお二人のご冥福を心よりお祈りします。


合掌。





オレオレ詐欺は息子になりすましたり、警察官、弁護士などになりすました奴らが電話をしてきます。


つまり役者が電話をしてくるのと一緒です。痴漢をでっちあげる場合には駅構内の音のBGMを流して電話してくることもあります。


しかし彼らはどうやってその演技を学ぶのでしょうか。


ぶっつけ本番?いえいえ違います。企業と同じように研修を受けて訓練するのです。


そのための研修講師もいるのです。もちろん全うな講師ではなく、オレオレ詐欺の経験者の研修講師です。


そして一週間から10日、みっちりと訓練をして鍛えます。


研修の厳しさから中には逃げ出す者もいますがその前に家族、親せきなど個人情報をびっちり吸い上げられています。仮に辞めた後に警察に垂れこんだりすれば御礼参りがあり大変なことになります。ですから口封じもしっかりしてあるんですね。


過酷な研修が終わると実践に入り、現場で学んでいきます。「架け子」で経験を積んでいくとチームをまとめる「番頭」に昇格するものも出るなど完全に組織として仕事をしているということなんですね。


まさに詐欺会社です。


変な電話に騙されないように注意してくださいね。