私も刑事20年経験しましたから、多種多様な犯人と接触してきました。
刑事になり立ての若いころ、当時25歳でしたかねー。年配で前科20犯の悪党を取調べしたことがあります。
あちらから見れば例え刑事といっても子供も子供ですよ。いろいろ取調べをしていくうちにあちらもイラついたんでしょうね。
「おい、おまえ、俺が何回ムショに行ってると思ってんだ!!お前が生まれたころからムショ入ってんだよ。!!」
なんて怒鳴られたことがあります。
私も若かったんで「そんなこと関係あるか!ふざけんな!自分の立場をわかってんのか!」とかなんとか言って静かにさせましたけどね。
今となってはいい思い出ですよ。(笑)
まぁほんとにいろんなタイプの人間がいます。
例えば詐欺の犯人は「騙す(だます)」という言葉を使うのを嫌います。
刑事「返済の見込みも全くないけど返せるように装って金を借りた、つまり騙したわけだな。」
犯人「いや、騙すっていうか、騙すつもりはなかったんですけど・・」
刑事「だから騙したんだろ?」
犯人「いや、騙すつもりはなかったんですよねー。まぁ返せる見込みもなかったんですけど、つい・・」
刑事「だからそれを騙すっていうんだよ。あなたは騙し取ったの!わかる?」
犯人「はぁ、まぁそんな形になりますかね・・・。」
こんな感じです。
そもそも詐欺罪は返済の見込みもないのに嘘を言って金を借りれば成立するわけです。例えば、寸借詐欺という手口では「田舎の親が亡くなって九州に帰らないといけない。旅費として10万円貨してもらえないかな?帰ったら返すから。」と言ったとします。葬式の事実が嘘であれば詐欺ですよね。
でも犯人としては騙すつもりじゃなかった、返すつもりだったといいたいんでしょうね。「騙す」という言葉を使うのを極端に嫌います。
犯罪者の中でも詐欺師は悪いことをしたという意識が低いかもしれません。
人を傷つけたとか、殺したとか粗暴犯ではないし、返せば済むと思っているかもしれません。
こないだAIJ投資顧問の巨額詐欺事件ありましたよね。預かっていた年金資金を運用で損失していたのにもかかわらずそれを隠しながら資金を集めていたという事件です。

社長が国会に呼ばれて質問受けてましたけど「騙すつもりはありませんでした。」などと自信に満ちた顔で答弁してました。
私はあれを見て「あー詐欺師だなー。答え方も明らかに詐欺師だなー。」と思って見てましたね。
預けた被害者からすれば「騙すつもりがない?ふざけんな!!!」と言われても仕方ないですよ。
預かっても返せる見込みなかったわけですからね。
被害額からするとおそらく実刑でしょうけど、しっかり反省してもらいたいですね。