ビタミンABCとグルタチオンは飲んで、塗るサンスクリーンです | 青山ヒフ科クリニック院長Dr.亀山のオフィシャルブログ

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表参道にある青山ヒフ科クリニック 院長 亀山孝一郎のブログです。

日々強い紫外線が降り注いでいます。

診察室の窓から青山通りを見下ろすと多くの方が日傘をさしています。

今年目につくのは男性でも日傘を使用している方が多くいることです。

数十年前には、ゴルフ場でサンスクリーンを使用する男性ゴルファーはほとんどいませんが、

今はほとんどの男性ゴルファーもサンスクリーンを使用するようになりました。

僕はスタート前、昼休みに塗るようにしていますが、キャディバッグにはつねにサンスクリーンをいれておいて

擦れたり、取れたりすると追加で塗るようにしています。

 

サンスクリーンの役割は、日焼けを防止することです。

 

なぜ皮膚がやけるかというと、紫外線により皮膚に活性酸素が生じます。

生じた活性酸素を消去するために、活性酸素を消去する作用をもつ

ビタミンC, ビタミンB群、グルタチオンが使用されます。

活性酸素による炎症は皮膚の赤みとして認知されます。

メラニンはあまり知られていませんが、活性酸素を消去する作用を持っています。

ビタミンで消去されない活性酸素を消去するためにメラニンが増加して、日焼けとなります。

 

メラニンには紫外線を吸収して皮膚に侵入するのを防ぐという作用があります。

メラニンのSPFは約4といわれています。

SPFとはサンバーンを起こすUVBをどれくらい吸収するかという数値です。

メラニンがない場合通常15分くらいで日焼けをする人に通常量の

メラニンが皮膚に存在すると日焼けするまで1時間かかるという事です。

 

2%パルミチン酸レチノールを人の皮膚に塗ると、SPF20相当の紫外線防御作用を持っていることが確か2004年

に報告されています。

その報告をもってサンスクリーンに抗酸化作用を持つビタミンC, ビタミンEと並んでビタミンAが

配合されるようになりました。

パルミチン酸レチノールなどのビタミンAをマウスに塗って紫外線を照射すると

発癌性があるということが報告されたのは確か2010年でした。

その報告によりレチノールは朝使用しないということになりました。

 

その後発がん性があるといわれたマウスの実験では、

マウスはメラニンを持っていない

マウスの皮膚は極めて薄く、紫外線が浸透しやすい

マウスの皮膚には、人と異なりビタミンCなどの抗酸化剤が少ない

 

そしてサンスクリーンにビタミンAを配合したり

皮膚癌や乾癬、ニキビの治療にビタミンA酸を飲んでも発癌は増加せず

癌の患者さんに使用したら発癌を防ぐということより

 

ビタミンAは安全である。一応念のために朝使用するときは紫外線対策をしましょうという事になりました。

皮膚にはビタミンCBグルタチオンなどの抗酸化剤がきわめて豊富に存在します。

ビタミンAも肝臓ほどではありませんが、極めて豊富にパルミチン酸レチノールの形で

表皮角化細胞のなかに保存されています。

 

ビタミンAが皮膚に豊富に存在する理由を考えてみましょう。

ヒトは発癌性のあるビタミンAを皮膚に豊富に配置したのではなく

ビタミンBCやグルタチオンとセットで強力な抗酸化作用を発揮するようにしなのでしょう。

わざわざ発がん性を持つビタミンAを高濃度皮膚に配置するはずはありません。

もし発癌性があるのであれば、皮膚の濃度は極めてうすくなる、あるいは存在しないはずです。

 

上の図に皮膚における抗酸化剤の役割を模式的に示しました。

紫外線により酸化したビタミンAや、ビタミンA放出した活性酸素はビタミンEで消去されます。

その結果ビタミンEが酸化してしまいます。

酸化したビタミンEを還元するのがビタミンC

酸化したビタミンCを還元するのがグルタチオン

酸化したグルタチオンを還元するのがビタミンB3由来のNADPH

酸化して水素を失ったNADPHを還元するのがミトコンドリアや、解糖系の側副路である

ペントーススリン酸回路で通られたNADPHです。

  

 

  

ビタミンABCやグルタチオンは外用すると毛穴を閉じ、色を白くしてアンチエイジング作用を発揮します。

同時にこれらの成分は飲むサンスクリーンでもあるのです。

せっかく外用しても、内服しないとビタミンCは、命の維持に大切な脳などに血流にのって移動してしまいます。

サンスクリーンとともに、ビタミンABCやグルタチオンを塗ること、

そしてこれらの成分も内服しましょう。

 

サンスクリーンを通過した紫外線は皮膚に活性酸素を生じますが、

紫外線対策をしない場合に比べてその量はわずかです。

ビタミンABCやグルタチオンが紫外線により生じた活性酸素を消去してメラニンの増加を防ぐとともに

DNAや蛋白の変性を抑制して光老化を抑制します。

 

僕はビタミンC、B群、内服するとグルタチオンと同じ作用を発揮するハイチールを毎日内服しています。

βカロチンをたっぷり含んだ野菜ジュースやオレンジジュースを毎日飲んでいます。

βカロチンは体内でビタミンA変換します。

βカロチンをたっぷり含んだ僕の皮膚は、手のひらが黄色くなっているのがよくわかります。

これは表皮細胞内にビタミンAの前駆体であるβカロチンがたくさんあることを示します。

βカロチンをふくむノリやミカンなどをたっぷり摂取すると皮膚にはビタミンAが豊富に含まれるようになります。

これらの方々や、ビタミンAを配合したミルクなどを摂取した方で皮膚癌が増加したという報告はありません。

 

ビタミンABCやグルタチオンを摂取して、これらを外用して、サンスクリーンを使用する事。

これを長く継続することが、自然老化や光老化を防ぐために大切です。

これらの成分は飲むサンスクリーンであると同時に塗るサンスクリーンであり、

 

さらに毛穴の引き締まった、美しい皮膚を実現します。