赤ら顔はしばしばニキビと合併しますが、単独でも出現します。
赤ら顔を呈する代表的な疾患として脂漏性皮膚炎と酒さがあります。
臨床的にふたつの疾患は似ています。
皮脂の分泌が盛んなTゾーンを中心に赤くなります。
脂漏性皮膚炎の場合は髪の毛の生え際、髪の毛がはえるている部位や耳の周囲も赤く痒くなります。
また脂漏性皮膚炎の場合は皮脂分泌が亢進しているため毛穴が開き、
黄色調の鱗屑(りんせつ)がつくこともあります。
酒さでは毛穴が開かずに赤くなります。しかし皮脂の分泌が進むと毛穴が開きニキビを合併して、見た目では脂漏性皮膚炎と見分けがつかなくなります。
酒さでは温度などのセンサー(TRP)が過敏となり冷たい水で洗顔すると痛い、
常に顔がひりひりするなどの症状が出ます。
酒さ、脂漏性皮膚炎ともに痒みを伴います。ときに見分けはつかなくなります。
治療法として僕はビタミンCの静脈注射 イオン導入 外用を中心にスタートします。
傾向として脂漏性皮膚炎の方が酒さよりビタミンCに対する反応は良好です。
酒さは発症に肥満細胞という免疫担当細胞が関与しています。
活性化した肥満細胞を鎮めるための抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、蛋白分解酵素抑制因子などの内服、導入が必要になります。
一部の医療機関ではこれらの疾患にステロイドを処方しますが、この治療では一時的に炎症が収まってもやめると症状が悪化するリバウンドが出現します。
これらの疾患ではアクネ菌が関与しています。
人がアクネ菌を認識する際にはTLRというパターン認識受容体を使います。
ステロイドはTLRの発現を増強して、炎症をなくすことを困難にします。
またステロイドは皮脂の分泌を増強します。
その結果ニキビが多数出現することもあります。
青山ヒフ科クリニックでは、これらの疾患にはステロイドは使用しません。
アンチアクネメソセラピーも高濃度ビタミンCやB群からなり、
ステロイドは使用しておりません。
この患者様は脂漏性皮膚炎の方です。近所の皮膚科でステロイドを処方され、
数か月外用して赤くなり、止めると赤くなるのでやめられないと来院されました。
左は治療前です。ビタミンCと強力な抗炎症作用を持つオリゴノールのイオン導入を行いビタミンCクリームの外用を3週間おこないました。 頬、顎の赤み、ヒリツキはほぼ消失しています。
この患者様は酒さの方です。他のクリニックで顔全体の痒みにステロイドを処方され数年間外用をおこなっていたそうです。顔全体が赤くなりむくんでいます。酒さの場合ムクミを起こす肥満細胞が関与してムクミ、痛みなどをともないます。
蛋白分解酵素抑制因子、ビタミンCなどの導入と外用を行いました。 この方の場合赤みがおさまるまで約1年かかりました。今はムクミ、痛みも全くありません。