僕らの体の中では常に蛋白が合成されて、古い蛋白質は分解されています。
皮膚の表面でも古くなった角層は常に剥がれおちています。
これは表皮のカリクレインという蛋白分解酵素の働きによるものです。
蛋白の合成と分解のバランスがうまく取れていて僕らの体のバランスはうまく取れているのです。
でも皮膚にアクネ菌が侵入した場合はどうなるのでしょうか?
1.アクネ菌を分解しようとして蛋白分解酵素の分泌を促進します。
2.アクネ菌が存在する皮膚そのものを体外に排出しようとします。
3.アクネ菌をやっつけとうとして抗菌ペプチドが増えます。
皮膚はたくさんの作用を持った臓器で、蛋白分解酵素を作るだけでなく、
抗生物質のような抗菌ペプチドを作ってアクネ菌を排除しようとするのです。
その結果、蛋白合成よりも分解のほうにベクトルが働きます。
皮膚は当然薄くなり、乾燥してヒリヒリします。
抗菌ペプチドは血管を拡張したり、増やしたりする作用を持っているのですが、ニキビ、赤ら顔で生じるLL37という物質は特に血管の新生作用が強いのです。
その結果…・
このような、ニキビと赤ら顔が入り混じった皮膚ができてしまうわけです。
血管を新生する抗菌ペプチドもまた、カリクレインという蛋白分解酵素によって作られることが判明しています。
蛋白分解酵素の合成と活性を抑えることがいかに重要かお分かりいただけると
思います。