赤ら顔、酒さとはどういう病気? | 青山ヒフ科クリニック院長Dr.亀山のオフィシャルブログ

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表参道にある青山ヒフ科クリニック 院長 亀山孝一郎のブログです。

脂漏性皮膚炎と並んで赤ら顔を引き起こすのが酒さ(しゅさ)です。

 

酒さ(しゅさ)がよくできる部位はTゾーンです。

オイリースキン、ノーマルスキン、ドライスキンあらゆる肌質にできます。

症状は皮脂の分泌亢進を必ずしも伴わない血管拡張、紅斑です。

温熱刺激、精神刺激で、皮膚の痛み、痒みが激しく出現します。

冷たい水で顔を洗っただけで、顔がピリッとする、寒いところから暖かいところに移動すると

顔がほてるなどの症状が出ます。

TRPVという温度、紫外線のセンサーが皮膚に過剰に増加したため起こります。

 

 

酒さは 進行状況に応じて、以下のように分けられます。

第1度 紅斑、血管拡張型 両頬の赤みと血管拡張

第2度  ざ瘡型  1度の症状にニキビが混じる

第1度の酒さの方です。

第2度の酒さの方です。

 

また顔のバリア機能が低下して、敏感肌、乾燥肌になります。

最近原因として、

・抗菌ペプチドの皮膚における大量産生

・蛋白分解酵素による抗菌ペプチドの分解とその後の炎症

・蛋白分解酵素によるPAR-2という受容体の活性化

・引き続く血管拡張、炎症

・肥満細胞という免疫担当細胞からのヒスタミン、カリクレインなどの放出

・TLR2 TLR4などのパターン認識受容体の異常発現

などが報告されています。

 

ニキビをともなう脂漏性皮膚炎と第2度の酒さの違いですが

皮膚科医でも難しい場合があります。

寒いところから暖かいところに動いて顔がほてる、

冷たい水で洗うと、ピリッと痛いという場合は酒さですね。

 

TLR2,4はアクネ菌に対する自然免疫反応を開始するためのセンサーだと考えてください。