脂漏性皮膚炎と並んで赤ら顔を引き起こすのが酒さ(しゅさ)です。
酒さ(しゅさ)がよくできる部位はTゾーンです。
オイリースキン、ノーマルスキン、ドライスキンあらゆる肌質にできます。
症状は皮脂の分泌亢進を必ずしも伴わない血管拡張、紅斑です。
温熱刺激、精神刺激で、皮膚の痛み、痒みが激しく出現します。
冷たい水で顔を洗っただけで、顔がピリッとする、寒いところから暖かいところに移動すると
顔がほてるなどの症状が出ます。
TRPVという温度、紫外線のセンサーが皮膚に過剰に増加したため起こります。
酒さは 進行状況に応じて、以下のように分けられます。
第1度 紅斑、血管拡張型 両頬の赤みと血管拡張
第2度 ざ瘡型 1度の症状にニキビが混じる
第1度の酒さの方です。
第2度の酒さの方です。
また顔のバリア機能が低下して、敏感肌、乾燥肌になります。
最近原因として、
・抗菌ペプチドの皮膚における大量産生
・蛋白分解酵素による抗菌ペプチドの分解とその後の炎症
・蛋白分解酵素によるPAR-2という受容体の活性化
・引き続く血管拡張、炎症
・肥満細胞という免疫担当細胞からのヒスタミン、カリクレインなどの放出
・TLR2 TLR4などのパターン認識受容体の異常発現
などが報告されています。
ニキビをともなう脂漏性皮膚炎と第2度の酒さの違いですが
皮膚科医でも難しい場合があります。
寒いところから暖かいところに動いて顔がほてる、
冷たい水で洗うと、ピリッと痛いという場合は酒さですね。
TLR2,4はアクネ菌に対する自然免疫反応を開始するためのセンサーだと考えてください。