Let's become a family! 81 | ギイタクと時々クロネコ

ギイタクと時々クロネコ

大好きなギイタクを勝手に妄想しています。
話は全て、原作設定とは関係のないパラレルです。
お気を召さない方はご遠慮ください。

望未が3歳になる年の初夏、待望の第二子が誕生した。

望未と同じ濃いブラウンの髪と瞳、顔立ちはギイによく似た男の子。

6月に生まれたので、葵生-あおい-と名付けた。

 

ぼくとギイにとって6月は特別な月。

死にたくなるほどの絶望を味わって、全てを諦めたあの日から、毎年6月が来るたびに憂鬱になった。

でも、ギイの愛を信じて受け入れたのも6月だった。

その時からぼくの世界は一変した。

兄の墓参りにも行けたし、兄と両親を許すこともできた。

何のために自分は生まれてきたのかと、生まれてこなければよかったと、そう思うのもやめた。

ギイに出会えたから、ギイがぼくを愛してくれたから、生まれてきて良かったと初めて思えた。

葵生にも、生まれてきて良かったと思える人生を歩んでほしい。

 

 

「あーちゃん、カワイイね」

「そうだね。望未、仲良くしてあげてね?」

「うん、のぞみはおねえちゃんだから、あーちゃんのおせわする!!」

望未は、ぼくのお腹がまださほど大きくない頃から、「いつ産まれるの?」ととても楽しみにしていた。

下の子が産まれると、上の子はやきもちを焼くとか言うけれど、望未はしっかりしたもので、もうお姉ちゃんの自覚が芽生えている。

おむつを持ってきたり、ミルクを作ろうとしたり、母親のぼくよりも母親らしくて、時々困ってしまう。

 

「望未!まだ首がすわってないんだよ。抱っこするのはやめて!」

「わかってるよ。あたまがおちないようにだっこしたらいいんでしょ?」

まぁ、それはそうだけど。

とにかく弟のお世話をしたい望未は、うちにある育児書を読んだり、

(絵や写真を見て理解しているんだと思う)

いつの間に覚えたのか、タブレットをいじったり、とても勉強熱心だ。

 

「タブレットの操作、ギイが教えたの?」

「ああ?オレは何もしてないぞ。託生が使ってるのを見て覚えたんだろ?」

確かに、あれは主にぼくが料理を作る時に使っている。

だって、レシピを見ながら作るのに便利なんだもん。

「お手伝いしてくれるのはすごく助かるんだけど、何でもしたがるから困っちゃうよ」

「葵生が泣いたら、一番に飛んでいくもんな」

「小さなお母さんだよ。ギイも絵利子ちゃんが生まれた時、そうだったの?」

「・・・いや、あそこまで構いはしなかったな」

「だよね。う~ん、女の子だから世話好きになるのかな?」

「かもな。でも興味があることを突き詰める、そういう性格はオレに似てる」

なるほど、やっぱり望未はギイの遺伝子を濃く受け継いでる。

おもちゃで遊ぶよりも、絵本を読む方が好きだし、たまに絵本じゃなくて、普通の本を読んでいる(眺めている?)こともあって、ドキッとするけどね。

ぼくに性格が似ていたら、きっとこうはいかない。

「それより・・・、望未が手伝ってくれるから育児は楽でいいだろ?その余った体力はオレのお世話に使ってほしいんだけど」

いや、いくら望未が手伝ってくれるといっても、目が離せないことに変わりはないし、楽してるわけでも体力が余ってるわけでもないんだけどな・・・。

逃げ出せないほどきつく抱きしめられて、腰に押し付けられる熱い感触。

こうなってしまったら、ギイは止まらないし、ぼくも簡単に煽られてしまう。

「明日、葵生の検診で朝から出掛けるから、軽めにね?」

「ん、分かってる」

本当かな?

軽めと頼んで、そうなったことって、ほとんどない。

 

 

何年たっても変わらぬ愛情を注いでくれるギイと、可愛い二人の子供。

ぼくの日常は、こんなにも輝いていて、本当に幸せです。

 

 

 

 

 

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二人目が生まれたところから再開します。

 

一話、二話で終わる話を時々、おのろけたっぷりでお届けできれば。+.。ヽ(*>∀<*)ノ。.+。