頭まで布団を被って息を殺してギイの気配を探っていると、ギイは自分のベッドに入ったようだった。
・・・どうしよう。
これじゃあ、ぼくが嫌がって断ったみたいだ。
そんなんじゃないのに。
今すぐギイのベッドに行って謝れば、続きをしてくれるだろうか。
それともこのまま別々に寝ても、明日の朝、ギイはいつものように優しい笑顔で、おはようとぼくに言ってくれるだろうか。
・・・でも、そうしたら、もう求めてもらえないかもしれない。
あの温もりにもう触れられないのかと思ったら、無性に悲しくなった。
一度だけでいいなんて、無理矢理自分を納得させてただけ。
本当はギイに抱きしめられたかった。
素肌で触れ合うことが心地いいなんて、ギイに会うまで知らなかった。
ギイの温もりを感じられたら。
強く抱きしめてもらえたら。
深くギイと繋がることができたら。
きっと、すごく幸せな気持ちになれる。
恋人なんだって実感できる。
でもそれを、ぼくが望んでもいいんだろうか。