second night⑥ | ギイタクと時々クロネコ

ギイタクと時々クロネコ

大好きなギイタクを勝手に妄想しています。
話は全て、原作設定とは関係のないパラレルです。
お気を召さない方はご遠慮ください。

ベッドに入ってみたものの、一度身体に宿った熱はなかなか引いてくれず、全く眠れそうにない。

託生はもう寝ただろうか?

隣のベッドを見ても、頭まで布団を被っているので分からない。

気まずいまま週末を過ごすのは嫌なんだけどな。

明日の朝、何もなかったようにオレがおはようと言えば、きっと託生はほっとした顔をして、おはようと返してくれて、それで元に戻るはず。

 

・・・でも、それでいいのか?

オレは二人の関係をより深いものにしたい。

もっと踏み込んで、託生の思いを確認した方がいいんじゃないのか?

それとも、まだ早いのか?

オレは焦り過ぎているんだろうか?

 

オレの中の相反する二つの感情は、ぶつかり合って結論は出ない。

「・・・ぐすっ・・・・・」

・・・ん?

鼻をすするような音がしたような・・・。

「託生?起きてるのか?」

ビクリと揺れる布団。

返事はないが、起きているのだろう。

ベッドを降りて近づくと、オレの足音に気づいたのか、もう一度布団が震えた。

「起きてるんだろう?」

布団をめくると・・・、

 

「託生、どうしたんだ!?」

そこには身体を丸め、声を出さないように両手で口を押えて泣いている託生がいた。

オレと目が合うと、慌てて布団を被ろうとする。

その手を捕まえて、そっと抱き起したら、堪えきれなくなった嗚咽と涙がぽろぽろとこぼれ始めた。

「・・・ごめん・・・、なんでも、ない・・・から・・・」

「なんでもないじゃないだろう。こんなに泣いてるのに」

「だって・・・」

オレをちらりと見て、唇を噛んでまたうつむく。

託生は自分の気持ちをうまく言葉にできない。

辛抱強く待つか、短い言葉から汲み取るかだが、さすがにこれだけではオレも分からない。

オレに誘われたことが泣くほど嫌だったのとしたら・・・、

そんなこと言われたら、オレの方が泣きそうだ。

 

託生が落ち着くまでしばらく抱きしめて、何も言わない託生にそっと話しかける。

「ごめん託生。・・・そんなに嫌だった?」

腕の中の託生がぴくりと揺れる。

うつむいたままで表情は見えないが、オレに身体を預けているし、オレの腕を掴んでいる手が縋っている様にも見えた。

 

嫌がってるわけじゃないよな?

 

少しだけ自信が戻ってきた。

「・・・嫌じゃないよ」

託生の小さな呟きがオレを後押しする。

「え?」

聞こえないふりをしたら、

「嫌、じゃない。そうじゃない」

今度ははっきりと聞こえた。

抱きしめる腕に力を込めても、託生が拒絶する気配はなくて。

「じゃあ、なに?」

「・・・ぼくが嫌がったって、ギイに誤解されたと思って」

「だからって泣くことないだろう?」

「もう、・・・誘ってもらえないかと思ったから」

「・・・・・・」

 

それって・・・。

それって、つまり・・・。

 

「つまり、オレともうセックスできないと思って泣いてたのか?」

顔をのぞき込むと、託生は耳まで真っ赤に染めて、気まずげに目を泳がせている。

 

なんだ、照れてただけなのか。

なら、遠慮しなくてもいいよな?

 

 

 

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こうしてギイは調子にのっていく?