時々本の感想やネタばれ叫びます。
その場合未読の方は注意してくださいね。
私が大好きな作家さん、有川浩先生。
図書館戦争で一気にファンになり、大人買いして読んだ後は自衛隊三部作へと走りました。
女性らしい細やかな文章と、ハッとさせられる視点にはいつも驚かされます。
そしてとっても男らしいと私は思います(笑)
今日昼休みに植物図鑑を久しぶりに読みなおしました。
私は植物には興味なくて、庭に生える草はすべて雑草にしか見えないくらい草オンチ☆
昔サボテンを育てて枯らしてしまって以来、私の手は黒い手だと思ってます。
上手に植物を育てる人を緑の手っていうんでしょ?
私はその逆です。
植物の話でどんな話よ?って最初は思ったんですけどね。
題名なんてそのまま植物図鑑(笑)
どんな話なのか全然分からないじゃないですか。
ところがところが読みだしたら止まらない。
飲み会の帰りにふらふら帰宅した主人公が行き倒れている男を拾います。
ちょ、なにやってんの、さやか!(主人公の名前です)って思うんですよね。
冒頭ではすっかりさやかの友人そのイチな気分。
行き倒れていた彼は名前しか教えてくれません。
胃袋を掴まれたさやかは同居することを持ちかけ、奇妙な同居生活が始まるわけですが。
彼(あえて名前は伏せましょう)が植物に詳しく、食べられる草に精通していたことからさやかの生活が一変するのですが・・・
これがとても楽しい。
読んでいて一緒に”狩り”をしている気分になるのです。
そして、食べたい・・・と思うのですが、作品の中で彼が言ったように素人判断で手を出しちゃ危ないんですよね、食べたいと思うだけで、勇気は出ません(笑)
やがて二人は思いを通じ合わせるのですが・・・そのシーンがとてもなくたまらない。
でも幸せは続かないんですよね。
名前しか教えてくれない”彼”の背負っているものが二人の未来を阻むのです。
彼が出て行ってしまったあとの部屋に帰宅したさやかのシーンは涙なしでは読めませんでした。
胸が本当に痛かった。
有川先生は、こういう描写を書かれると天下一品だと思います。
最初は第三者視点で物語に入るのに、物語の佳境に入るころは主人公になったり彼になったりするわけです。
それは作品の中の登場人物が”生きている”からなんでしょうねぇ。
番外編に出てくる杏奈ちゃんがお気に入りな私。
彼女視点でもう一本お話書けそうだと思うんですけどね~
余談ですが、作品の中に出てくる
雑草と言う名の草はない。草にはすべて名前があります
という言葉が大好きになりました。
この言葉は有名だそうですね。
だって昭和天皇が仰ったそうですから。
この言葉でわたし、昭和天皇が好きになりました。亡くなられてますけど・・・・
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