Aonote-アオノート-|ダウン症・PVL・超低体重児Aoの成長記録 -14ページ目

Aonote-アオノート-|ダウン症・PVL・超低体重児Aoの成長記録

ダウン症・PVL・超低体重児として生まれたAoの成長記。日々の喜びや工夫、支援制度の活用など。誰かの勇気になれますように…。

生まれた時から歯がある?NICUで発覚した息子の「魔歯」と、その謎の結末

こんにちは、Aoパパです。

NICUで初めてAoと対面した時、ふと口の中に光る小さな白いものを見つけました。

「え、嘘でしょ...歯?」

生まれたばかりの赤ちゃんに歯が生えているという、信じられない光景との出会い。

これは、超レアケースと言われる「魔歯」を持つ息子との、ちょっと不思議な体験談です。

私たちのこと⤵️

 

息子の口の中にあった謎の"白いモノ"

NICUでの初対面で見つけた異変

432gという超低出生体重で生まれたAo。

保育器の中で小さな体を横たえている姿を見て、愛おしさと同時に不安でいっぱいでした。

面会の際、看護師さんが少しだけAoの口を開けて見せてくれた時のこと。

ふと、口の中に光る小さな白いものが目に入りました。

「これって...まさか歯?でも生まれたばかりなのに?」

信じられない光景に、思わず二度見してしまいました。

 

新生児の魔歯(先天性歯)

 

この歯、フニャフニャ?普通の歯じゃない違和感

硬くない、不安定な謎の物体

よく見ると、その歯は硬い骨というよりは、なんだかフニャフニャしていて不安定でした。

しっかりと歯茎に根付いている感じでもなく、グラグラしているように見えます。

赤ちゃんの歯といえば、しっかりした乳歯というイメージがあります。

でも、Aoの口にあるものは、そのイメージとは全く違う謎の物体。

「これは一体何なんだろう?」と夫婦で頭にハテナが浮かびました。

主治医からの一言「Aoくんには"魔歯"が生えています」

恐る恐る質問してみると

NICUの主治医の先生に、恐る恐る口の中の白いものについて質問しました。

すると先生は落ち着いた様子で「ああ、これは"魔歯(まし)"ですね」と一言。

魔歯?

初めて聞く言葉に、さらに疑問が深まります。

魔歯(先天性歯)とは

  • 生まれた時から生えている歯のこと(医学的には「先天性歯」と呼ばれる)
  • 数百人から数千人に1人という、非常に珍しいケース
  • 授乳時にママの乳首を傷つけたり、赤ちゃんの舌を傷つけたりするリスクがある
  • 自然に抜けることもあれば、グラグラして飲み込んでしまう危険がある場合は、意図的に抜歯することもある

なぜ生まれた時から歯があるのか

先生の説明によると、通常は歯茎の中で成長するはずの歯が、何らかの理由で早く出てきてしまうことがあるそうです。

魔歯は正常な乳歯とは構造が異なり、根がしっかり形成されていないため不安定なのだとか。

超レアケースに遭遇したことに驚きつつも、「また一つ知らないことを学んだな」と思いました。

挿管チューブと魔歯...どうすべきか

邪魔そうに見える魔歯

当時のAoは、呼吸を助けるために口から管を入れる「挿管」をしていました。

 

そのチューブが魔歯に当たっているのを見ると、「邪魔じゃないかな」「痛くないかな」と親としては心配になります。

先生と「この歯、どうしましょうか?」と話しましたが、特にすぐに抜くなどの具体的な方針は決まりませんでした。

「様子を見ましょう」ということになり、とりあえずそのまま過ごすことに。

魔歯の対応について
授乳に支障がある、赤ちゃんが舌を傷つける、誤飲の危険があるなどの場合は抜歯を検討します。

Aoの場合は授乳もまだ先で、特に問題がなさそうだったため経過観察となりました。

ある日突然、魔歯が消えた!真相は闇の中

謎のミステリー

抜くとも抜かないとも決まらないまま、数日が経過しました。

ある日、いつものようにAoの顔を覗き込むと...「あれ?歯がない!」

きれいさっぱり、あのフニャフニャの魔歯がなくなっていたのです。

結局いつ、どうやって無くなったのかは誰にも分からず。

真相は闇の中へ...なんともミステリアスな結末を迎えました。

魔歯の行方
看護師さんの話では、魔歯は根が浅いため、吸引の際や口の中を清拭している時に自然に取れることがあるそうです。

おそらくそのタイミングで抜けたのではないかと考えています。

育児は"知らないこと"の連続

新しい世界を教えてくれる子どもたち

最初は驚きと少しの不安でいっぱいだった「魔歯」との遭遇。

結果的にミステリアスな結末を迎えましたが、この一件を通して「世の中には自分の知らないことが、まだまだたくさんあるんだな」と改めて実感させられました。

医療従事者の方々にとっては珍しくても既知の現象だったのかもしれませんが、親の私たちにとっては初めての体験。

育児を通して、こうした新しい発見や学びに出会えることは、大変さの中にある小さな楽しみでもあります。

レアケースから得た学び

魔歯というレアケースに出会えたことで、赤ちゃんの体の不思議さや、医療の奥深さを実感しました。

Aoは超低出生体重児で、ダウン症やPVLなど様々な医療的背景を持っています。

その一つひとつが、私たちに新しい知識と経験をもたらしてくれます。

知らないことばかりで不安になることもありますが、一つずつ学んでいけば大丈夫。

子どもが教えてくれる新しい世界を、これからも一つ一つの発見を楽しんでいきたいと思います。

魔歯との不思議な出会い

生まれた時から歯が生えているなんて、普通では考えられないことでした。

でも、そんなレアケースに出会えたこと自体が、Aoとの生活が特別なものであることを象徴しているような気がします。

これからもAoが教えてくれる新しい発見を、家族みんなで楽しんでいきたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

※魔歯(先天性歯)については、赤ちゃんの状況に応じて対応が異なります。気になる症状がある場合は、必ず小児科医にご相談ください。

医師の一言で発覚した「妻の失職危機」…酸素吸入が必要な息子の保育園問題

医師の一言で発覚した「妻の失職危機」…酸素吸入が必要な息子の保育園問題

こんにちは、Aoパパです。

NICU退院後の初めての外来。

ベイフォータスの接種も無事に終わり、ホッとしていた矢先のこと。

先生から何気なく告げられた「HOT(在宅酸素療法)が取れる目安は1年後くらいですかね」という一言。

その言葉が、我が家の未来を根底から揺るがす引き金になるとは、この時はまだ知りませんでした。

私たちのこと⤵️

 
ベイフォータスのこと⤵️
 
HOT(在宅酸素療法)のこと⤵️

 

「酸素吸入中は保育園に入れない」立ちはだかる2つの壁

医師の何気ない一言で絶句した理由

なぜ「1年後」という言葉で夫婦揃って絶句したのか。

それは、私たちが住む自治体の保育園入園ルールに大きな壁があったからです。

保育園入園の2つの壁

  • 壁①:医療的ケア児は、対応可能な特定の園にしか入れない
  • 壁②:酸素吸入をしている場合、器具が外れてから丸1年間、自宅で経過観察し、問題がないと確認できないと入園できない

特に衝撃だったのが2つ目の壁です。

酸素が外れればすぐに保育園に入れるわけではなく、そこからさらに1年間の経過観察期間が必要だというのです。

なぜ「1年間」の経過観察が必要なのか

担当部署の説明によると、「春夏秋冬を一通り経験し、季節の変わり目による体調変化がないかを確認するため」とのこと。

私自身が重度の喘息持ちであるため、理屈としては理解できます。

季節の変わり目がどれだけ体に影響するかは痛いほどわかります。

でも、理屈で分かっていても、受け入れがたい「期間の長さ」。

このルールが家族の生活設計を大きく狂わせることになりました。

迫りくるタイムリミット「育休は2年まで」という現実

衝撃の大きさに拍車をかけた最大の理由

保育園の壁だけなら、まだ受け止められたかもしれません。

しかし、衝撃の大きさに拍車をかけた最大の理由は、「Aoママの失職」という問題でした。

Aoママの職場の規定:「育休は最長2年。それを過ぎると自動的に退職」。

この規定と、保育園入園の壁を照らし合わせると、絶望的な状況が見えてきました。

絶望的なタイムライン
・Aoの誕生日:令和7年2月
・育休のタイムリミット:令和9年1月末
・現在(令和7年10月):在宅酸素療法中
・仮に1年後(令和8年10月)に酸素が外れたとしても
→そこから1年間の経過観察:令和9年10月まで保育園に入れない
→どう計算しても、育休期間中に復職条件をクリアできない

当初の計画は完全に白紙に

実は当初、令和9年4月の入園を目指し、足りない期間はAoパパが無給育休でカバーする計画を立てていました。

しかし、その計画も今回の事態で完全に白紙になってしまいました。

「働きたいわけじゃない、でも…」住宅ローンと家計の不安

頭を抱えるAoママ

「別に積極的に働きたいわけじゃない。でも、家のローンもあるし、このままじゃ生活が...」

頭を抱えるAoママ。

この言葉に、医療的ケア児を育てる家庭が直面する現実が凝縮されています。

医療ケアの問題だけではない「経済的な問題」。

これは綺麗ごとでは済まされないリアルな葛藤です。

在宅酸素療法の費用、定期受診の費用、ワクチンや定期検診の費用…こういうのは医療費助成があるのでお金はかかりません。

しかし、医療費助成があっても収入がないのであれば、確実に生活は逼迫していきます。

医療的ケア児家庭の経済的負担
収入減(育休による収入減少)と支出増(医療関連費用)のダブルパンチ。

制度的なサポートはあっても、実際の家計への影響は深刻です。

どうなる?!Ao家!同じ壁に悩む全国のパパママへ

次から次へと押し寄せる問題の波

医療ケア、保育園、仕事、お金。次から次へと押し寄せる問題の波に、正直言って心が折れそうになることもあります。

でも、これは決して我が家だけの問題ではありません。

医療技術の進歩で救われる命が増えたからこそ、その後の「生活」を支える社会の仕組みが追いついていない現状があります。

保育園の入園条件、育休制度、医療的ケア児の受け入れ体制。

どれも少しずつ改善されてきてはいますが、現場で子育てをしている私たちにとっては、まだまだ課題が山積みです。

同じように悩むご家族へ

まだ解決策は見えていません。

でも、同じように悩むご家族と情報を共有し、一緒に乗り越えていきたいと思っています。

医療的ケア児を育てる家庭の現実を発信し続けることで、少しでも制度や社会の理解が進むことを願っています。

諦めない、前を向く

まだどうなるか分からないAo家の未来。

でも、諦めずに前を向いて、できることを一つずつ探していきます。

同じような壁にぶつかっている全国のパパママ、一緒に頑張りましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

※保育園の入園条件や育休制度は自治体や職場によって異なります。詳しくはお住まいの自治体や職場にご確認ください。

NICU退院後の初ミッション!1回で済むRSウイルスワクチン「ベイフォータス」を打ったリアルな話

こんにちは、Aoパパです。

たくさんの祝福を受けて、長く険しかったNICU(新生児集中治療室)での入院生活を終えた我が子。

やっと家族みんなで暮らせる喜びと同時に、私の心の中には大きな不安が渦巻いていました。

特に、早産児や基礎疾患のある赤ちゃんが感染すると重症化しやすいと言われる「RSウイルス」。

NICU卒業生にとって、RSウイルスシーズンは本当に気が抜けません。

私たちのこと⤵️

 
前回のお話⤵️

 

この記事では、そんなRSウイルスから赤ちゃんを守るため、我が家が従来薬の「シナジス」ではなく、1回の接種でワンシーズン乗り切れる新しい抗体薬「ベイフォータス」を選んだ理由と、接種当日のリアルな体験談をお届けします。

NICUを退院したばかりの親御さんや、ベイフォータスについて知りたい方の参考になれば嬉しいです。

1回でOK?「ベイフォータス」と毎月通院「シナジス」何が違うの?

RSウイルス予防の2つの選択肢

RSウイルスの重症化を防ぐための注射には、以前から使われている「シナジス」と、2024年から保険適用になった新しい「ベイフォータス」の2種類があります。

担当の先生から説明を受け、私なりにそれぞれの特徴をまとめたのがこちらです。

従来薬「シナジス」

  • 接種回数:流行期間中、毎月1回(シーズン合計で5〜6回)
  • メリット:長年の実績がある。退院前に1回目を接種できる場合がある
  • デメリット:毎月、赤ちゃんと一緒に通院する必要がある

新薬「ベイフォータス」

  • 接種回数:シーズン中、たったの1回
  • メリット:1回の接種で約5ヶ月間効果が持続。毎月の通院負担(時間・費用・感染リスク)が大幅に減る
  • デメリット:新しい薬であること。原則、退院後の外来での接種となる

我が家がベイフォータスを選んだ理由

NICU退院後、ただでさえ心身ともにヘトヘトな状態。

それに加え、我が家には元気いっぱいのAo兄もいます。

Aoは在宅酸素療法も必要で、外出するだけでも準備が大変です。

「毎月、生まれたばかりのAoを連れて病院に通うのは、現実的にかなり大変だよね...」

夫婦で何日もかけて話し合った結果、ベイフォータスを選択しました。

通院の手間や母子の負担が一番の理由です。

しかし、どうしても避けられない一番のデメリットがあります。

退院後まで打てない!ベイフォータス接種までの「おこもり生活」

ノーガード期間をどう乗り切るか

ベイフォータスを選ぶと決めたものの、一つだけ大きな課題がありました。

それは、「退院前に打てない」ということです。

入院していた病院なら、シナジスは退院前に打てるそうですが、ベイフォータスは退院後の最初の外来まで待たなければなりません。

つまり、NICUという無菌状態に近い環境から、ウイルスだらけの世界へ、ワクチン(抗体薬)なしで飛び出さなければならない期間が生まれるのです。

退院した木曜日から、初外来の火曜日まで。この約1週間、我が家は家族総出で徹底的な「おこもり生活」に突入しました。

我が家のおこもり作戦
・Aoパパ:この期間に合わせて「セルフ育休」を取得
・AoママとAo:もちろん一歩も外に出ない
・Ao兄:事情を話して保育園をお休み
・来客:祖父母も含め、すべてお断り

窓の外を眺めながら、「せっかく退院したのになあ」なんて思う瞬間もありましたが、すべてはAoを守るため。

家族一丸となって、静かに、でも必死にその日を待ちました。

 

*セルフ育休の話

 

いざ接種!注射の瞬間、息子の強さに涙

初外来でついにベイフォータス接種

そして迎えた火曜日。

ドキドキの初外来で、ついにベイフォータスを接種する時が来ました。

安全面から暴れないようにAoを固定する先生たち…ギャン泣きのAo笑

先生がAoの太ももにチクっと注射を刺した瞬間、「ふぇ...」と、か細い声で少しだけ顔をしかめ泣きました。

でも、注射で泣いたのは本当にその一瞬だけ。

NICUで鍛えられた強さ

その姿を見て、私はハッとしました。

予防接種のたびに、この世の終わりのように大泣きしていたAo兄の姿を思い出したからです。

「この子、強い...」

でも、それは生まれ持った性格だけじゃない。

NICUで過ごしたあの日々。

まだ小さな体で、一体何十回、注射や採血の痛みに耐えてきたんだろう。

そう思うと、慣れっこになっている息子の姿がなんだかとても切なくて、胸がチクっと痛みました。

つらい日々を乗り越えてきたんだね。

本当に、本当に、よく頑張ったね。

胸の痛みと同時に、この子の生命力と確かな成長を実感して、涙がこみ上げてきました。

病院の裏事情?ベイフォータスが退院後にしか打てない理由

薬価が高いという現実

接種後、先生と薬の話になりました。

なぜベイフォータスは退院後にしか打てないのか、前々から気になっていたので質問してみたんです。

先生によると、その理由は「薬価が非常に高いから」だそう。

入院中に高価な薬を使うと、病院の持ち出しになってしまうらしく、経営的にはかなり厳しいのだとか。

詳しい仕組みは分かりませんが、病院も色々と大変なんだなと感じました。

トータルコストは実はほぼ同じ

そして、気になる費用について。

「ベイフォータスは1回で払うから高く感じるけど、シナジスをシーズン通して打った合計金額と、ベイフォータス1回分の金額は、実はほとんど同じなんですよ」とのこと。

なるほど、「一括払い」か「分割払い」かの違いなんですね。

我が家の場合、Aoは市町村からの補助があるため自己負担はありませんでしたが、費用面でも安心できる情報でした。

費用について
費用は赤ちゃんの体重や保険適用、お住まいの自治体の助成制度によって異なります。詳しくは病院でご確認ください。

ダウン症児の特例!ベイフォータスは「2回目」も打てる?

約5ヶ月の効果持続

ベイフォータスは、1回打てば約5ヶ月効果が持続します。

素晴らしい薬ですよね。

ただ、効果が切れるのは冬の真っただ中。

「次の接種はどうなるんだろう?」と思っていたら、先生からこんな話がありました。

基礎疾患がある子の特例措置

「ベイフォータスは基本的に打てるのは1回なんですが、ダウン症や他の基礎疾患があるAoくんのようなお子さんは、特例で来シーズンももう1回ベイフォータスを打てるんですよ」

なんと!普通は次のシーズンはシナジスに切り替えるそうなのですが、Aoは特例で引き続きベイフォータスが打てるとのこと。

これは本当にありがたい情報でした。

次回の接種は2月以降になりますが、またベイフォータス1回で済むと思うと、心の負担が大きく軽減されました。

特例について
この特例の適用条件は、お子さんの状況によりますので、必ず主治医の先生にご確認ください。

まとめ:ベイフォータスを選んで、心から良かった

通院負担からの解放

NICU退院後の初ミッションだった、ベイフォータス接種。

退院後すぐに打てない期間は不安でしたが、結果として毎月の通院負担から解放されたメリットは、想像以上に大きいものでした。

何より、接種の日の息子の姿を通して、あの子がNICUでどれだけ頑張ってきたのか、そしてどれだけ強く成長したのかを改めて感じることができました。

同じ悩みを持つ親御さんへ

今、RSウイルスワクチンを前に、シナジスとベイフォータスのどちらを選ぶべきか悩んでいる親御さんもいらっしゃるかもしれません。

新しい選択肢が増えたことは、それだけで私たちの心の負担を軽くしてくれます。

それぞれのご家庭の状況、赤ちゃんの状態、通院の負担など、考慮すべき点は様々です。

この記事が、あなたの家族にとって最善の選択をするための一つのヒントになれば幸いです。

Aoの成長と家族の選択

ベイフォータス接種という初ミッションを無事に終え、Aoは次のステップへと進んでいます。

毎月の通院がないことで、家族みんなの生活リズムも整いやすく、Aoママの負担も大きく軽減されました。

これからもAoの成長を見守りながら、家族みんなで支え合っていきます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

※RSウイルスワクチンの選択については、お子さんの状況に応じて主治医とよくご相談ください。

7ヶ月のNICU生活を経て:432gで生まれた息子が退院した日

こんにちは、Aoパパです。

2025年9月25日14時。ついに、ついにこの日がやってきました。

432gという超低出生体重で生まれ、7ヶ月間NICUで過ごしたAoが、ようやく退院することができました。

涙、涙の別れと、家族の再出発。この日の出来事を、ぜひ皆さんに伝えたいと思います。

私たちのこと⤵️

 

涙、涙の別れと、家族の再出発

感動の退院日:2025年9月25日14時

この日を、どれほど待ち望んでいたでしょうか。

2月に生まれてから7ヶ月。

長いようで、振り返ればあっという間だったNICU生活が、ついに終わりを迎えました。

NICUで退院の準備を進めながら、これまでお世話になった看護師さんたちとすれ違うたび、自然と涙が溢れてきました。

毎日のように面会に来ていた私たちにとって、このNICUは第二の家のような場所でした。

432gという小さな命が、3800gにまで成長しました。

ここまで24時間、7ヶ月間もAoの命と向き合ってくれた医療従事者の皆さんには、感謝してもしきれません。

本当に、本当にありがとうございました。

 

432gで生まれたAo

 

別れの時、看護師さんたちの温かさ

退院の日、いつもお世話になっていた看護師さんたちが次々と声をかけてくれました。

「おめでとうございます」「元気でね」「また外来で会いましょうね」という言葉一つひとつが、心に染みました。

ある看護師さんは「最初は本当に小さくて、手のひらに乗るくらいだったのに、こんなに大きくなって」と、目に涙を浮かべながら話してくれました。

夜勤で直接お別れできなかった看護師さんも、わざわざ手紙を残してくれていました。

廊下ですれ違う職員の方々も、「退院おめでとうございます」と声をかけてくれます。

NICUに入院中の子のご家族も、声はかけられませんでしたが私たちの退院を見て本当に素敵な笑顔を向けてくれました。

この病院全体でAoを見守ってくれていたんだと、改めて実感し、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

「セルフ育休」突入!パパのミッションとチャイルドシートの洗礼

ギリギリまで働いて有給を節約

以前の記事でお伝えした通り、会社の都合で正式な育休が取れない私は、有給休暇を使った「セルフ育休」を決断しました。

少しでも有給を節約するため、退院日の午前中はギリギリまで仕事をしていました。

仕事を終えて急いで病院に向かい、妻と合流。

いよいよ退院の時間です。

 

*セルフ育休の話⤵️

 

予定通り、テイジンのHOT(在宅酸素療法)の機械を装着し、パルスオキシメーターも肩にかけての退院となりました。

私がAoを抱っこし、HOTの機械とパルスオキシメーターを肩にかけて歩く姿は、なかなかの重装備。

でも、この装備があるからこそAoは安全に家に帰れるのです。

重さなんて全く気になりませんでした。

 

*テイジンのHOT(在宅酸素療法)の話⤵️

 

チャイルドシートの衝撃的な状態

病院を出て、車に向かいます。

ここで一つ大きな問題が。

病院に向かう前に職場から家に戻って、Ao兄が乳児期に使っていたチャイルドシートを引っ張り出してきて車の後部座席に装着したのですが、これが大変なことになっていました。

久しぶりに出してみたら、埃だらけ、お菓子のクズだらけ。

しまう前にちゃんと掃除したつもりだったのですが、数年の時を経て、予想以上に汚れていました。

チャイルドシートの衝撃的な状態

 

チャイルドシート掃除あるある
シート部分をめくってみたら、いつ買ったかわからないスプラトゥーンのマスコットが発掘されました。

チャイルドシート掃除あるある

 

しまう時にはきちんと掃除しましょうという、身をもっての学びを得ました。

急いで車内で掃除をして、なんとかAoを乗せられる状態に。

こんなドタバタも、今となっては笑える思い出です。

3800gになった小さな命と、変わってしまった我が家

Aoの驚異的な成長

432gで生まれたAoが、この7ヶ月で3800gまで成長しました。

体重だけでなく、身長も伸び、顔つきもしっかりしてきました。

NICUで見ていた時は「本当に大きくなるのかな」と不安でしたが、子どもの成長する力は本当に素晴らしいです。

慢性肺疾患があるため在宅酸素が必要ですが、それでもこうして家に連れて帰ることができる。

医療の進歩と、医療従事者の皆さんの献身に、改めて感謝の気持ちが込み上げてきます。

まるで別空間になった我が家

自宅に到着し、Aoを家の中に連れ込んだ瞬間、不思議な感覚に襲われました。

5年住んでいる家なのに、Aoがいるだけで「まるで別空間」のように感じられたのです。

リビングに置かれたベビーベッド、在宅酸素の機械、パルスオキシメーター…。

これまでの生活とは明らかに違う景色が広がっていました。

でも、それは決して悪い意味ではありません。

「新しい人生が始まるんだな」というワクワクした気持ちでいっぱいでした。

 

在宅酸素の機械とAo

 

押し寄せる感情の波

同時に、大きな不安も押し寄せてきました。

Aoには21トリソミー(ダウン症)、PVL(脳室周囲白質軟化症)、慢性肺疾患など、複数の医療的背景があります。

これまではNICUの医療チームが24時間体制で見守ってくれていましたが、今日からは私たち家族が主体的に向き合わなければなりません。

「ちゃんとできるだろうか」

「何かあったらすぐに対応できるだろうか」

そんな不安が頭をよぎります。

ワクワクと不安、喜びと責任感。

様々な感情が一気に押し寄せてきて、しばらく立ち尽くしてしまいました。

5歳のお兄ちゃんが教えてくれたこと

超ハイテンションで帰宅したAo兄

「大丈夫かな」と不安な気持ちでいるところに、保育園からAo兄が帰ってきました。

玄関を開けた瞬間、超ハイテンションです。

「Ao!Aoいるの?!」と大喜び!

扉を開ける前に目をつむらせ、部屋の中へ。

「いいよ」と声をかけて目をあけるAo兄…布団の上で寝ているAoを見て、「可愛い!めっちゃ可愛い!」と大興奮。

 

超ハイテンションで帰宅したAo兄

 

兄としての優しさと成長

Ao兄はこれまでNICUに何度か面会に行っていましたが、感染症対策で一度しか面会ができませんでした。

それなのに、まるで何ヶ月も一緒に過ごしてきたかのように、Aoにべったりデレデレしています。

「Ao、お兄ちゃんだよ。これから一緒に遊ぼうね」と優しく話しかける姿。

「パパ、Aoがうちに来てくれてよかったね!」と満面の笑みで言ってくれる姿。

5歳のAo兄が、いつの間にか「お兄ちゃん」になっていたことに気づき、また涙が溢れてきました。

子どもは親が思っている以上に、しっかりと成長しているんだなと実感しました。

Ao兄の優しさエピソード
Aoが少し泣き出した時、Ao兄は「大丈夫だよ、お兄ちゃんがいるからね」と頭を撫でてあげていました。

その姿を見て、「この子たちなら大丈夫かもしれない」と、少し不安が和らぎました。

家族4人、ここから始まるAoの物語

新たなスタートラインに立って

Aoの物語は、まだ始まったばかりです。

これから先、様々な困難や課題に直面することでしょう。

定期的な通院、療育、在宅医療的ケア、そして日々の成長を見守ること。

でも、この退院の日を新たなスタートラインとして、家族みんなで力を合わせて乗り越えていこうと決意しました。

一人じゃない。

家族がいる。

そして、これまで支えてくれた多くの人たちがいる。

その事実が、私たちに大きな力をくれます。

支えてくれたすべての人へ

7ヶ月間、本当にたくさんの方々に支えられてきました。

NICU の医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、ソーシャルワーカー、そして事務の方々。

病院の外でも、保健師さん、訪問看護の方々、福祉制度の担当者の方々。

そして何より、この7ヶ月間、ほぼ毎日NICUに通い続け、Aoの側にいてくれたAoママ。

Ao兄の世話をしながら、Aoの面会にも行くという大変な日々を過ごしてきました。

すべての方々への感謝の気持ちを、この場を借りて伝えたいと思います。

本当にありがとうございました。

これからのAoとの生活へ

在宅酸素、定期受診、療育、服薬管理。

やることはたくさんあります。

でも、それらすべてがAoの成長を支えるために必要なことです。

Aoには障害や病気があります。

でも、それ以上に、Aoは私たちの大切な家族の一員です。

笑ったり、泣いたり、少しずつ成長していくAoと一緒に、私たち家族も成長していきたいと思います。

家族みんなで、前へ

432gで生まれたAo。

7ヶ月のNICU生活を経て、ようやく家族4人での生活が始まりました。

不安もありますが、それ以上に希望と喜びに満ちています。

これからAoがどんな成長を見せてくれるのか、家族みんなで見守っていきます。

Aoの物語は、まだ始まったばかりです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

退院の色紙をもらったAo

 

※在宅医療的ケアについては、必ず医療機関の指導を受けてください。

🏠💼 セルフ育休を決断!RSウイルス対策で家族引きこもり作戦

こんにちは、Aoパパです👋

いよいよAoの退院が目前に迫ってきました!

でも、喜びの裏で新たな課題が発覚...それは「RSウイルス予防接種のタイミング問題」です。

本来なら育休を取って妻をサポートしたいところですが、会社の都合で取れない状況。

そこで思い切って「セルフ育休」を決断しました。

有給を使って家族みんなで引きこもり生活を送る予定です📝

私たちのこと⤵️

 

🔹 退院目前で発覚したRSウイルス対策の重要性

📌 ダウン症児にとってRSウイルスは命の危険

まず、RSウイルス感染症について調べた内容をもとに説明します。

大人にとっては「ただの風邪」程度の症状ですが、ダウン症児や早産児にとっては全く違います。

主治医から「Aoくんにとってはとても脅威で、命の危険もある」と説明されました。

ダウン症児は免疫機能が低く、筋緊張も弱いため、RSウイルスに感染すると重篤な肺炎や呼吸困難を起こしやすいのです。

特にAoは慢性肺疾患もあるため、リスクはさらに高くなります。

そのため、退院時にRSウイルスの予防接種について、医師から2つの選択肢を提示されました。

それがシナジスとベイフォータスです。

 慢性肺疾患の話⤵️

 

📌 予防接種の2つの選択肢を比較検討

医師から提示された2つの選択肢を詳しく比較してみました。

🏥 シナジス(パリビズマブ)

  • 20年以上の実績がある従来薬
  • RSウイルス流行期(10月~3月頃)に毎月1回投与
  • 計5~6回の注射が必要
  • 退院前から開始できる
  • 毎月通院が必要なため、家族の負担が大きい

💉 ベイフォータス(ニルセビマブ)

  • 2024年から使用開始された新薬
  • 1回の投与で約5ヶ月間効果が持続
  • 1シーズンに1回のみの接種
  • 初回外来時にのみ投与可能
  • 薬価が高いが、補助により自己負担なし

Aoは鼻から酸素を入れており、毎月の通院は母子ともに大きな負担になります。

そのため、1回で済むベイフォータスを選択しました。

ただし、これが後に「ノーガード期間」という新たな課題を生むことになったのです。

🔹 ノーガード期間の恐怖とセルフ育休の決断

📌 退院から初回外来まで約1週間の空白期間

ベイフォータスは初回外来時にしか投与できないため、退院から初回外来までの約1週間は完全に「ノーガード」状態になってしまいます。

この期間中にRSウイルスに感染するリスクを考えると、親としては非常に不安でした。

RSウイルスは保育園や幼稚園で感染することが多く、兄弟がいる家庭では特に注意が必要です。

Ao兄が保育園からウイルスを持ち帰る可能性もあります。

また、私(Aoパパ)も数百人規模の人が出入りする場所に務めているので、私自身がウイルスを持ち帰る可能性もあります。

「どうすればAoを守れるだろうか」と夫婦で何度も話し合いました。

そこで思い切った決断をしたのが「セルフ育休」です。

📌 有給を使った自主的な育児休暇

本来なら会社の育児休業制度を利用したいところでしたが、以前の記事でお伝えした通り、同僚2人が産休・育休に入るため取得できない状況です。

 

以前の記事⤵️

 

しかし、Aoの命を守ることが最優先。

そこで「セルフ育休」という造語を作り、有給休暇を使って自主的に育児休暇を取ることにしました。

この期間中は、Ao兄も保育園を休ませ、体操教室などの習い事も全てキャンセル。

家族4人で完全引きこもり生活を送る予定です。

外部との接触を最小限に抑え、Aoがベイフォータスを接種するまでの2週間を乗り切ります。

💪 セルフ育休の内容
・期間:退院日から初回外来まで約1週間
・方法:有給休暇を使用
・対象:家族全員で引きこもり生活
・目的:RSウイルス感染リスクの完全回避

🔹 制度の限界を感じつつも家族のために

📌 育児休業制度が使えない現実

今回の経験を通して、育児休業制度の限界も感じています。

超未熟児として生まれ、長期間NICUに入院していた子どもの家庭には、一般的な制度では対応しきれない特殊な事情があります。

妊娠がわかった時から計画していた5月の育休は、まさかの26週での出産(同年2月)により全てが白紙に。

その後もNICUでの長期入院により、育児参加休暇なども利用できませんでした。

会社や制度を批判するつもりはありませんが、もう少し柔軟な対応ができる仕組みがあればと思わずにはいられません。

📌 少しでも家族の役に立ちたい

制度的な育休は取れませんが、有給を使ってでも妻と子どもたちを支えたいと思います。

特にAoママは7ヶ月間、ほぼ毎日NICUに通い続け、心身ともに疲労が蓄積しています。

初めての在宅医療的ケアへの不安、Ao兄の世話、そして新生児期を過ぎたAoとの生活に慣れること...課題は山積みです。

少しでも負担を軽減できるよう、「セルフ育休」期間中は全力でサポートしたいと考えています。

💡 セルフ育休期間の予定
・在宅医療機器の操作習得
・Ao兄との時間確保
・家事全般のサポート
・外部接触の遮断によるウイルス感染予防

🔹 まとめ:子どもの命を守ることが最優先

📌 本音を言えば正式な育休が取りたかった

正直な気持ちを言えば、会社の育児休業制度を利用して、堂々と休みを取りたかったです。

それが本来あるべき姿だと思います。

有給休暇を使うということは、年次有給休暇の日数を消費してしまうということでもあります。

今後の家族の病気や急用の際に使える有給が減ってしまうのも、正直なところ不安です。

でも、そんなことよりもAoの命を守ることが何より大切。

制度的な制約があっても、親として取れる最善の行動を選択しました。

📌 同じ境遇の家族への応援メッセージ

もし同じような状況で悩んでいる親御さんがいらっしゃったら、迷わず子どもを守る選択をしてほしいと思います。

制度が追いついていない部分もありますが、親の愛情と行動力でカバーできることはたくさんあります。

我が家の「セルフ育休」が成功するかはまだわかりませんが、後悔しない選択をしたと自信を持って言えます。

Aoと家族の笑顔を守るため、家族一丸となって頑張ります。

💙 親として大切なこと

制度の完璧さを求めるよりも、今できることを精一杯やることが大切だと感じています。

「セルフ育休」という形であっても、家族のために時間を作り、子どもたちの安全と健康を守る。

それが親としての責任だと思います。完璧でなくても、愛情を込めた選択であれば、きっと子どもたちにも伝わるはずです✨

最後まで読んでいただき、ありがとうございました🙏

※RSウイルスワクチンの選択については、お子さんの状況に応じて主治医とよくご相談ください。