Yahooブログより転載
3/22
前夜からの雨は一晩中降ったり止んだり…夜中も雨音で目を覚ました。
朝になっても雨足が強い。
前日よりも早く起きて薄暗いうちから出撃する予定だったのだが、雨で待機を強いられた。
小一時間で雨は弱まったが、まだシトシトと降っている。
「内陸部でこんな降り方することは滅多にないんだけどな…」とクロさん。
農場の方々にとっては恵みの雨だろうが、釣りへの悪影響は心配される。
Shoも私も自他ともに認める雨男…オーストラリア内陸地に恵みの雨をもたらした。
とりあえず雨が止んだところでポイントに向かう。
道中カンガルーが居るが、もう野良犬感覚である。
ダチョウのような鳥が走っている。野性のエミューだそうだ。
これだけでもプチサファリツアーの用である。
ピーターさんのとなりの農場の川に到着。農場主に挨拶をし、ビールを1箱渡す。
昨晩の雨は釣りが出来ない程の増水は生んでいない。一安心でカヌーを浮かべる。
この日は私が後ろのカヌーに一人で乗る。
カヌーを漕ぐのは全く初めてで不安だったが、結構楽しかった…
まずは前日好調だったデプスチャージを投げる。
しかし…魚がなかなか出ない。
Shoがファーストフィッシュに35cm程のベイビーコッドを釣ってからはしばらく沈黙する。
雨は降ったり止んだり。風もあり、水面が波立つ。水温も雨で下がったのかもしれない。
ノイジー系のトップルアーには少々分が悪いようだ…
ということでスピナーベイト(Bカスタム)にチェンジ。
すぐにブレードバイトを感じる。
ゴツッゴツッ…
そのままリーリング…
ガツンッッ!!
乗った~!!!
ブッシュに逃げ込む。
ガチガチに締めたソルティストHRFのドラグがグリグリと出る。
「おお~、これデカイんちゃうか~!!デカイ、デカイ!!!」
コッドは最初の突っ込みの力は強いが、諦めの早い性格のようでしばらくすると途端に大人しく浮いてくることが多かった。
魚が浮いてくる。
「あれっ、そうでもないわ。」
テンションが一気に冷めた私を見て、前のカヌーの3人は大笑いであった。
先ほど書いたように、映像を見ていると随分大人しい引かない魚だと思っていたが、掛けた直後や足元で暴れた時には大きさ相応のパワーがある。バス用のフックやリングをそのまま付けずに替えてきてよかった。ファイトも
十分楽しい魚である。
私なりに「ボトムノック」をしていたきた。調子に乗ってやっていたら、立て続けにディープクランクを根がかりさせてしまった…
ストライクキングのスピナ―ベイトに戻す。
ヒット!!
「もしかして僕ちょっと上手なんかの~。」などと調子に乗った口を叩く余裕も出てきた。
やはりこの日はスピナベが好調であった。
たまにトップにも出ていたし、ビッグベイトにもアタックしていたのである程度水面は意識しているようだが…
前のカヌーの2人がトップ系を投げて、後ろの私がスピナベやクランクを投げたのが良いフォローになったのか
も知れない。
陸に上がりお昼の休憩をする。
ホームステイ先の奥さんが朝早く用意してくれたサンドイッチを食べる。
こんなロケーションで食べるサンドイッチほど贅沢なサンドイッチがあるだろうか…?
ジンジャーエールのショウガ風味を強くしたようなジンジャービール(といってもお酒じゃない)も美味い。
正直何を食べても美味いと感じるに決まっている。一服のタバコも美味い!!
午後からの釣り開始。
先頭のShoが好調である。クランキークランクでよく釣っている。
流石バサーの本領発揮!
見ていると、本当によくも毎投あんなにキャストがタイトに決まるものだと思う…
私のキャストも着実に良いところに入る率は高くなったような気がする。
マーレイコッドは「Lazy(怠け者)」な魚だと言われるらしく、自分の前に通ったルアーしかなかなか追わないとのこと。
やはりタイトなキャストは要求されるが、先頭のShoが良いところに撃って魚を追わせてくれると後ろの私は非常にありがたい。
結構長い距離を追ってからバイトすることも多いようで、カヌーの近くでのヒットもよくあった。
トップをピックアップしようとした寸前に顔に水しぶきを浴びるくらいのところで水面を炸裂させるのだから心臓に悪い…
私がスピナーベイトで4本目をゲット。
Shoの方が1cmくらい長かった気がしたが同じだと言い張ってすぐにリリースした…
こんな大自然の中でさえ、釣り人はつまらぬ意地を張ってしまうものだ…
その後もShoは好調で、この日もクロさんを手こずらせていたTakaも1本ゲット。
Shoはこんなものまで釣った…
あおりー「なんや、ワニの子供かいな…?」
クロさん「ウォーター・ドラゴンっていうトカゲだよ…時々釣れちゃうんだよ…」
爬虫類は嫌いだけど、ここまでデカけりゃ触るのにも全く抵抗がない。
針を外そうとすると暴れる暴れる…
爬虫類にも効いたクランキークランク!!
ちなみにこれ、マーレイコッドの「ベイト」だそうな…
私の未熟なベイトのキャスティングでは、どうも着水音がボチャンと大きくなってしまい、魚を散らしてしまうと心配したのだが、クロさん曰く「ウォータードラゴンが水に飛び込む音にコッドが反応するから着水音はデカイ方が良いんだよ。」とのこと…
安心してヘボキャストを続けよう…
再び陸に上がって小休憩。
休憩中、相変わらずバックラ頻発のTakaのキャスト練習の時間になった。
Sho「だから、脇をしめないと!」
あおりー「もっと練習してこないから…ブツブツ…」
クロさん「俺、こんな酷いバックラみたことないよ。まさにバードネストだね…」
皆にボロカス言われてシュンとなったTakaを乗せて、カヌーはまた出船。
涙目のTakaの休憩後の2投目…
ばっこおおおーーーんんっっ!!
今までに無いほどの大きく重い音の水柱が、Takaのデプスチャージを襲った。
Shoが「デカイ!」と言って取り込んだ。クロさんもデカイと歓声を上げている…
やったね~!!!
先ほどまで半ベソだったTakaが満面の笑みである。他の3人も拍手喝采!!
あおりー「いや~、これが釣りやね…」
クロさん「ほんとにそう。」
釣りは確率のゲーム。魚の目の前を、魚が食べたくなるような動きで針を通す回数が多いほど確率が上がる。それが「腕」なのだ。
でも、それはあくまで「確率論」。誰にでもビックフィッシュのチャンスがあり、ヒーローになれるのだ。
この日は、この後私がトップで1匹追加し、Shoも好調に釣り続け終了。
私が5本、Shoが8本か9本、Takaが2本だった。
もちろん最大サイズはTakaで、彼がヒーローになった。
これだから…釣りは面白い!!
だから私は釣りが好きなのだ。私のような運動神経も才能もないヤツでも、運が味方してくれれば結果が出るのだから…
そして、私も、多分Shoはもっと、彼の快挙を祝福しながらも心の中で闘志を燃やしながら、最終日3日目の釣りに思いを馳せながら就寝したのだった。
続く。
使用タックル
竿:デプス サイドワインダー・アウトクロス
リール:ダイワ ソルティストHRF
ライン:東レ BAWOスーパーハード 25lb
竿:ダイワ ソルティガコースタル68GAME
リール:シマノ レアニウムCI4 4000
ライン:よつあみ キャストマンWX8 40lb
リーダー:ナイロン40lb