Yahooブログより転載
今回からご覧になった方は、是非Part.1~Part.3を先にお読みください!
いよいよマーレイコッド本編はこれで最後です。
3/23
マーレイコッドフィッシング最終日。
前日の雨も止み、この日は最終日にしてようやく朝マヅメから竿を出せる。
釣り場は前日と同じ川のプールである。
この日のポジションはTakaが先頭で私は真ん中。
朝は風も無く川面も静かである。私はサイレントキラー、他の2人はデプスチャージとやはり水面を意識したルアーで開始する。
如何にも出そう…だが、誰の竿にも全く反応がない。サイキラにも一回魚がギラリと翻っただけである…
1時間…2時間…誰にもヒットがなく朝マヅメも終わってしまう…
「朝はすぐに出るもんなんだけど…今日はシブいのかなあ…」とクロさん。
雨で水温が下がった影響だろうか…?
明らかに前2日に比べて反応が悪い…といっても、本来のマーレイコッドの釣りなんてそんなにすぐ反応があるものでもないのだが…
朝はなかった風も随分強く吹き出した…
3時間くらい経過…ファーストヒットは、初日からキャストに苦しみ続いてきた(そしてクロさんを苦しめ続けていた)Takaさんだった!
バッッコーーーンンッ!!!
またもやデプスチャージに巨大な水柱が上がった。
その後は再び反応が薄く、小腹が空いたあたりで休憩で一旦上陸。
そういえば、前日Takaが最大魚を釣ったとき、その直前の休憩で皆からボロカス言われていたのを思い出した。
あおりー「これ、休憩でボロカス言われたらデカイの釣れるんちゃうか?」
Sho「そうかもしれませんね。」
あおりー「お前、何年バス釣りやっとんねん!もっと釣れや!!ダメやなぁ~。」
Sho「あおりさんの愛、受け止めましたよ。」
あおりー「よし、俺にも言ってくれ。」
Sho「うるせー、このクソ豚野郎!!!」(注:彼は後輩です)
Taka「お前メンドクサイねん!」
あおりー「いや、それ言い過ぎ…」
クロさん「普段言えないことを今言ったんだね。」
前日のTakaと同じくシュンとした私を乗せて再び出船…
20分後、涙目で巻いていたBカスタムにガツンっと来た!!
ボロクソ言われたお陰であろうか…?
とりあえず一安心。最終日がボウズでは締まらない…
今日はなかなか釣れないけど出たらデカイ日であろうか…?
Takaも1匹追加した。釣れる日も釣れない日も何故か必ず「2匹」釣る男だった…
あと半日…
モンスターコッドも釣りたいが、せっかくオーストラリアの奥地まで来たのだ。他にも日本にはいないような魚は釣れないだろうか…?
クロさん「この川ではここ最近コッド以外の魚がほとんど釣れないんだよ。昔はシルバーパーチやゴールデンパーチ(イエローベリー)がよくつれたんだけど…」
シルバーパーチやゴールデンパーチはオーストラリア大陸に広く分布して人気のターゲットである。
にもかかわらず、この川ではコッドよりパーチの方がレアらしい…
でもせっかくなので他の魚も狙ってみようと思い、小さなクランクベイト(クランキークランク)を投げたり、仕舞いにはシドニーの海釣り用に持ってきたガルプのサンドワームを垂らしたりするが、小魚のアタリも無い…
再びコッド狙いに戻りスピナベをひたすらキャストする…
ガツンっ!!!
ヒットした魚はドラグをキュッキュと出しながら突っ込む。
今までのコッドより引きが鋭い…
「これデカイんちゃうか~!?」
しかし、浮いて来た魚影は随分と小さい…うん??
クロさん「おお~!!イエローベリーだ~!!」
他の魚が釣りたいと思ったところなのでメチャクチャに嬉しかった!!
クロさん「この川で釣れるのは2年ぶりだよ。まだ居たんだね。」
ヘラブナのような体型で平たい魚である。どうりで引きが強いはずだ。同サイズの小型コッドよりは随分よく引いた印象だった。オーストラリアで人気のあるターゲットであるというのも頷ける。
その後、私の投げたデプスチャージに、クロさんが「良いとこ入ったね~…出そう…」と言った瞬間本当にバイト。1日目からこう言ったクロさんの予言は当たりまくり…一体この人は何者なんだろう…と思う。
私には針がかりしなかたが、スピナーベイトでフォローを入れた後ろのカヌーのShoがその魚を回収。
最終日も食いが渋いながら全員安打になった。
残り時間、最後の一投まで、10kgオーバーの巨大コッドを目指してひたすらルアーをキャストし続けたが、タイムアップとなった。
最後の一投を投げ終えた時、名残惜しさと、達成感と、モンスターに出会えなかった少しの心残り…様々な感情が込み上げてきて胸が熱くなった。
準備期間を入れて本当に長かったマーレイコッド釣行…ついに終わってしまうのだ…
ちなみに、3日間通しての3人の釣果は30本以上。
私は13本のコッドとイエローベリーをキャッチ。最大魚は2日目のTakaの釣ったもので、やはり彼がヒーローになった。
ファームステイ先もPeter Redmanさん宅に戻ると、家主のピーターさんが帰って来ていた。
Part.1にも書いているように、ピーターさんはこのとてつもなく広い農場を経営しながら、平日は隣町(といっても車で2時間)の専門学校で大工の教鞭をとっている。もちろん釣りの名手であり、自らハンドメイドのルアーブランドも展開している。ギターを弾き、ポエムを書く…という実に多彩な方であった。
1985年に釣った60ポンド。自己記録であり、また「僕が最後に殺した魚だ。」とおっしゃっていた。
つまり、氏は25年以上魚はオールリリースされているのである。
実はマーレイコッドは非常に食味の良い魚らしい。それ故に開拓時代から乱獲され続け数が激減し幻の魚と言われるまでになってしまったそうだ。
ピーターさんをはじめ地元の釣り人たちの努力で、野性のコッドが多く潜むこのような「聖地」が復活したのである。
もちろんクロさんやそのゲストも、魚を殺さないという条件で、氏の敷地内での釣りが許可されている。
実を言うと、キャッチ&イート派の私は、美味しい魚ならちょっと食べてみたい―と出発前には思っていたのだが…クロさんにも魚を大切に扱うように指導され、この姿勢に感銘を受けた。
こんなモンスターへの夢は…次回へ残しておこう。
氏とこの家での最後の夕ご飯を食べた。
今回奥さんのキムさんは、毎晩美味しい晩御飯、そして朝早く起きて昼食のサンドイッチを用意してくれた。本当にお世話になった。
牧場の中にある、氏の手作りの広い工房。ハンドメイドをやる方なら、こんな大きな工房を持つのは夢だろう…
コッド用のルアーの他に、オーストラリアンバス用のルアーも作っておられる。
組立から塗装、リップ取り付けなど全ての作業過程をたっぷり見せて頂き非常に勉強になった。
いつも何気なく使っているルアーも、開発者や製作者の魂が入っているということを実感した。
もっと丁寧に、自分の魂も込めてルアーを操作しよう…と思った。
そして、いよいよこの「マーレイコッドの聖地」に別れを告げる時が来た…
レッドマンさん一家に別れを告げ出発。この地をあとにした…
本当に、本当にこの場所に来て良かった。
最高に楽しい釣りだった。
見渡す限りどこまでも続く大草原の中を流れる川の上で、秘境に来たという実感に身を振るわせながら金緑色の怪魚を追った。
大きな水柱が静寂の中に響き渡り、大自然の中で興奮と喜びを爆発させた。
眩い星空を眺めながら、オージービールでその日の釣果に祝杯を上げた。
全てのスケールが大きく、大げさではなく本当に釣りや自然に対する価値観が変わった。
またチャンスがあれば、是非この場所を訪れたい。
今回果たせなかった、モンスターコッドと出会うためにも…
最後に、この釣行は本当に沢山の方の力を借りて実現したものです。
クラブの先輩の方々、ガイドのクロさん、ファームステイ先の皆さん、ルアーを送って頂いたり応援を頂いたブロガーの皆さん、そしてこの釣行の企画者でリーダーのSho君。
皆さんのおかげで一生の思い出に残るであろう最高の釣りができました。
本当に、ありがとうございました。
使用タックル
竿:デプス サイドワインダー・アウトクロス
リール:ダイワ ソルティストHRF
ライン:東レ BAWOスーパーハード 25lb
竿:ダイワ ソルティガコースタル68GAME
リール:シマノ レアニウムCI4 4000
ライン:よつあみ キャストマンWX8 40lb
リーダー:ナイロン40lb