エレガントな毒の吐き方 脳科学と京都人に学ぶ「言いにくいことを賢く伝える技術」  中野信子 | 青子の本棚

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「すぐれた作家は、高いところに小さな窓をもつその世界をわたしたちが覗きみることができるように、物語を書いてくれる。そういう作品は読者が背伸びしつつ中を覗くことを可能にしてくれる椅子のようなものだ。」  藤本和子
  ☆椅子にのぼって世界を覗こう。

 

 

 

 

本 自分の心に無理をさせず、相手からのリベンジを誘わず、しかもいつでも逃げられるように準備しておく。

 

そんなんできたら最高やん。よだれ

まぁ、そんな便利な言い回しが一朝一夕で身につくはずもなく……。

タイトルに惹かれ図書館で借りたけど、これは、ちょっと失敗したかな。

 

 

 

残念なことに人間の脳は、互恵性を築く前に、相手より優位に立とうとするようにできているそうです。

確かに、どーでもよいようなちょっとしたことにもマウント取ろうとする人いますもんね。

それを京都弁の”イケズ”な言葉を使って、やり過ごそうというのが、この本の趣旨です。

 

 

 

私は生まれてからずっと神戸(厳密にいうと、京都市と神戸市発行の母子手帳があるので、赤ん坊の時何か月かは京都にいたみたい)ですが、「いけず」という言葉は、神戸でもフツーに使われていたように思います。

同義語で「根性ババ」とも言ってましたが。爆笑

 

例えば、こんなふうに。

かわいい顔しとうねんから、そんな”いけず”言うたらあかんで~

 

下線部分は神戸弁です。

前にクッション言葉のように相手を持ち上げといて、しっかり否定。

京都弁では、この否定さえも使わず褒めているように見せかけて否定するところに、技ありなんでしょうね。にっこり

 

 

例えば、ピアノの音がうるさくて苦情を言いたいとき下矢印

 

 

お嬢さん、ピアノが上手どすなぁ

 

仕事ができない(遅い)くせに、えらそうにふるまってくる人に、「丁寧な仕事してはりますなあ」と言うのはイヤミやと判っても、これは判れへんわ。ネガティブガーン

私なら、「ありがとう」と言ってしまいそう。汗うさぎ

 

 

 

相手を論破すると快感ルンルンがあります。

しかし、そのために敵をつくってしまうと、後々面倒なことになりかねません。

なので、本当は、相手を傷つけず、自分の感情を抑え、沈黙や妥協を戦略的に使うことで、互恵性を維持できればベストなのですが、誰もがそんな能力に恵まれているわけではありません。

ストレスピリピリたまっちゃう。

 

 

しかし、京都は長く都として続いてきた土地であるので、後に情勢が変化したときをも見据え自身の安全のため、むやみに敵を作らない、相手をとことん追い詰めないことを念頭に、ダイレクトに論破することを避けてきた歴史があるのだといいます。

孫子の兵法でも、囲師必闕ともいいますしね。

 
 

反対に、人間関係が短期的にしか続かない、またはコミュニティをつくる必要がなく自分一人で生活が成立するのであれば、恨みを買ったとしてもリスクが低いため、論破のスキルを磨いて、ストレス解消するほうがコスパがよいとしています。

でも、そんな場所ってなかなかないし、一人で完結する強い人なんて、いないのでは?

 
とりあえず、どちらの方法も否定はしてないよというスタンスを取っているだけのような気がします。

 

あほやから、ようわからへんけど。笑ううさぎ

 

 

 

ちなみに上矢印は、≪レッスン③自分を下げる「枕詞」を入れて、断る」≫を使ってみました。

どうでしょう? 

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