ぼくがラーメンたべてるとき、となりでミケがあくびをする。ミケがあくびしたとき、となりのみっちゃんが、チャンネルをかえた。みっちゃんがチャンネルをかえたとき、そのとなりのたいちゃんが、ボタンをおして、トイレの水をながしてる。そのたいちゃんが……。
ページを繰るごとに、順に隣のお友だちに繋がっていきます。
その繋がりは、隣町の子からその隣町の子へ、やがて国を超え、隣国の子からその隣国の子へとリレーされていきます。
たいちゃんのお家の壁に、実篤っぽい額がかかっていて、思わず脱力。
だって、こんなだよ。
みち
みちに、
ぐんてが
おちていても
ひとは
ひらわない
よしを
子どもたちは、バイオリンの練習してたり、お友だちと野球をしたり、おかあさんとケーキを焼いてたり。
お隣の国でも、自転車に乗ってる子がいるかと思えば、子守をしていたり、水を汲んでいたり、牛の世話をしていたり、生活のためでしょうか、パンを売っている子もいます。
そして、そのまた山の向こうの国では、男の子が倒れています。
そこには、風がふいていて、そのとき、ラーメンを食べているぼくにも風がふいていて……。
並べられた植木のそばには、ママチャリが止めてあり、物干し台に干した蒲団をたたく手が見えます。
ありふれた日常のワンシーン。
窓のカーテンが風に揺れて、ラーメンを食べてるぼくが窓越しに見えます。
ラストページは、窓の外を見つめるミケ(茶トラなんだけど、名前はミケ)の後ろ姿。
窓の外は、ずっとずっと繋がっているんだなと思うと、この展開、知ってたのに、思わず泣きそうになります。
今夜はクリスマスイブ。
もうプレゼントをねだる年齢ではないけれど、欲しいものがあります。
きっと、誰もが欲しがってるはず。
「平和」をおねだりしてもよいよね。
だって、わたしたちサンタクロースの正体知ってるもん。
内緒だけど、サンタクロースは、オトナたちなんだよ。
これ、公然の秘密。
その気になれば、楽勝やん。
裏表紙には、倒れていた男の子が歩いている後ろ姿が描かれています。
パラレルワールドかなぁ。
この世界の未来だったらいいのになぁ。
Merry Christmas !
This world will never be the same without you.