字が大きくて、ひらがな多くて、余白も広くて、すぐ読了。
私の不徳ゆえか、心からおっしゃる通りですと言い難い部分もちらほらでした。
部分的には頷けるのですが、ときどき、んとなってしまいます。
キズのあるリンゴ
キズのあるリンゴはあまい。
キズをかばおうとして、ひたむきな努力を重ね、無キズのリンゴより美味しくなるリンゴと人間を重ねる冒頭の一節は、もちろんステキです。
キズなどない方が
いいにきまっている
キズがあって
かえっていいこともあるのが
人間の不思議
脚下照顧
孫子の兵法の「敵ヲ知リ己ヲ知レバ百戦危ウカラズ」に物申す。
敵も己も知るのはムツカシイ。
もし、本当に敵を知ることができれば、こわくて戦う気にならなかったり、バカらしくて戦う気がしないだろうとおっしゃいます。
確かにねぇ。
理解できないから、争いになるんだもん。
そして、己を知るくらい聡明であったなら、敵と戦う愚などおかさないはずだとも。
戦争しなければ、勝つこともないし負けることもない。
ならば、わざわざ争って、100%の勝利を望む必要はないよね。
人間の目は、自分で自分を見ることができません。
鏡でみても、左右は逆だし後ろは見えない。
そこで、登場したのが、合わせ鏡。
しかし、それも廃れ気味で、かと言って正しく自分を写してくれる鏡を未だ人間は持っていません。
禅でいう「脚下照顧」も、これもまた助言の域をでておらず、自分で知っているわけではないと、お気に召さないようです。
ほんと、ムツカシイ方ですね。
我慢
<少しくらいの暑さなら死ぬことはない>なんてのは要注意。
いえいえ、死にますから、イマドキの暑さは。
90歳の我慢は超キケン、絶対ダメですよー。
<ちょっとしたことで、へたりこんでたいへんだ、助けてくれという人間のふえるのは末世である>とは言うものの、「助けてくれ」と言わなきゃいけないのに言えない人がいる のも現実やからね。
まぁ、「よい我慢」と「悪い我慢」の線引きが難しい時代ということでなんでしょう。
言葉の共有は、ムツカシイ。
ごもっともな内容でもあるんですが、微妙にズレを感じてしまい、ちょっと煙たいご隠居さんの説教聞かされてるようで、詭弁とまでは言わへんけど、微妙やねん。
「親はなくても子は育つ」、「ブタもホメれば気にのぼる」、「火事場のバカ力」、「船頭多くして船山にのぼる」、「勝ってカブトの緒をしめよ」、「我が道を往く」、「腹八分」など、よく知られた言葉に、一見噛みつくように始まるものが多く、これって、ひょっとして、ツカミとも思ったりして……。
まぁ、ええけど。。。
【おまけ】
そんななかでも、へぇーを二つ。
◆コンビニ
イギリス英語の「コンビーニエンス」には、トイレ、公衆便所の意味があるのだそうです。
トイレを貸してくれなくなりサービス低下のコンビニに、そんなのコンビニじゃないと怒っておられます。
◆一日は”夕べ”から
一日は”夕べ”から始まった。
元は、
朝 to-morrow
昼 to-day
夜 to-night
だったのが、
太陽暦により夜中に日付が変わると、「to-day」は今日で、「to-night」は今夜だけど、「to-morrow」は明日になったそうです。
では、今朝は何て言うんだろうと調べたら、
「this mornig」でした。
恥ず。