- やらなきゃゼロ!――財政破綻した夕張を元気にする全国最年少市長の挑戦 (岩波ジュニア新書)/岩波書店
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「財政破綻した夕張を元気にする全国最年少市長の挑戦」というサブタイトルがついています。
2010年11月に、都庁の職員を退職し、夕張市長選挙へ立候補。
「全国最低の行政サービス、全国最高の住民負担」と揶揄される財政破綻し、「財政再生団体」となった夕張市。
そんなとこに、どーしてぇ~???
「若いときの苦労は買ってでもしろ!」なんて言葉もあるけど、なんでやねん???が、誰もが思う正直な気持ちだと思います。
というか、「バカじゃない」
市長の月給二十五万九000円。
東京都の職員時代とくらべると、年収で二00万円も低いのだそうです。
退職したからって、選挙で選ばれるとは限らないし、落選すれば無職。
そんな彼が市長選出馬を決めたのは、「やりたいか、やりたくないか」と自らに問うた結論が「やりたい」だったから。
で、そんな彼についていった奥様(当時は婚約者)の思いは、「死ぬわけじゃないから何とかなる」なのだそうです。
さすが奥様。
偉いよ。
似たもの夫婦だね。
そして、夕張市長に就任。(30歳)
夕張市と言えば、「夕張メロン」くらいしか思い浮かばない無知な私。
そして、「極北クレイマー」 ・「極北ラプソディ」 の極北市のモデルとなった場所、くらいかなぁ。
毎年二六億円もの返済を抱え、若い人は地元を離れ、四五%を越えるという全国一高い六五歳以上の高齢者率と、問題山積の自治体。
「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」、道東自動車道の「寄り道サービス」、東京都内の高校生を対象にした夏休みの「夕張キャンプ」、東京からの企業誘致、「市長と話そう会」・・・。
持ち前の元気と行動力を武器に、地域再生を目指す若き市長の挑戦。
そんな彼が講演で、「政治に興味を持つにはどうしたらいいですか」という高校生からの質問に答えています。
「今やっていることを一生懸命頑張ってください」
スポーツでも勉強でもアルバイトでも、一生懸命頑張ることで今の日本が見えてくる。
そこから、自分はこれからどうしたいか、ということを考えるきっかけを掴むことができると言うのです。
うーん、これは岩波ジュニア新書にぴったりですネ。
若い人に、ぜひ読んでもらいたい一冊です。
そして、↓こちらは「高校生の夕張キャンプ」を受け入れてくれた農家の人の言葉だそうですが、たぶん鈴木市長も同じ思いなのではないかと思います。
『全て楽しいが全てつらい、それが仕事』