美人画報  安野モヨコ | 青子の本棚

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「すぐれた作家は、高いところに小さな窓をもつその世界をわたしたちが覗きみることができるように、物語を書いてくれる。そういう作品は読者が背伸びしつつ中を覗くことを可能にしてくれる椅子のようなものだ。」  藤本和子
  ☆椅子にのぼって世界を覗こう。

安野 モヨコ
美人画報 (講談社文庫)


×「この肌をかくす」
○「本来の肌に戻してあげてる、これが本当の私の肌(はぁと)」


同じように化粧をするにしても、思いが肌を美しくする。
まさに「思いの強さ」、気合いで美人になろう! というお話。
きゃーっ、これなら簡単。
っていうか、単なる思い込みやん。
と思う私は美しくなれない。
せっせと努力が物をいうのです。
そして、やっぱり思い込みも。。。


同じ時間を共有していても面白いものに目がいっちゃう回路を持つ人と、そんなもんは目に入らずただひたすらに美しいものだけに反応しちゃう人がいて、そういう人はとびきりの美人でなくても何故か美しい。
       ↓
ゆえに、まず、「美しいもの回路」を修復しよう!


でもって、ブランド化粧品やエステやカリスマ美容師を求めて、ロスへひとっ飛び。
いいな~有名人は。
お金やコネのない者はどうしたらいいの~。

しかーし、著者の美人の定義は美容だけに留まらず、精神の美なども追求してゆくのです。
職人さんの手仕事から生まれる生活文化としての日本の美、美しい日本語の話し方、美しい姿勢、きれいにかたづいた部屋、美しく身体によい食べもの‥‥と、日常生活全般に及んでいくのです。

でこれが、かなりナマケモノでめんどくさがり屋の彼女が、自分のだらしなさを暴露しながら理想を語ってくれちゃうのです。
だから、同じようにナマケモノでめんどくさがり屋の私は、くっくっくくと笑いながら一緒に反省したり、同調したりしてしまうのです。


そして、そして、6年後のあとがき(本文は雑誌「VOCE」1998年5月~2000年2月連載)で語られるのは、「綺麗なおばあさん」、「格好いい婆さん」になりたい!!
定石どうりでそうきたか、とは思うものも、私もおばあさんになったとき、

 「この香水をもう50年使ってるわ……。」

なーんて言ってみたいです。


さあ、みなさん、とっとと美人になりませう!




トントン > 気合で美人に!いい言葉ですね。思い込みは激しすぎたらだめだろうけど、適度だったら美しくなるパワーになるかも。最終的には綺麗なおばあさんが目標だけど、今は素敵なママになるべく努力したいと思いました。でも毎日のお手入れもあやうい私(笑)ぜひ読まねば♪ (2004/12/12 10:18)
青子 > トントンさん、お久しぶりです。なんせ「思い込み」はタダですので使わないとね。赤ちゃんのほっぺは理想のお肌ですが、お世話しているお母さんの「幸せ」もやっぱり”ママの美人化”に貢献してると思いますよ~♪ (2004/12/12 16:54)