引越しの翌朝。
ゴミ出しもあるし、くにぞうも早く仕事に行く日なので、6時半起き。部屋の空気が、なんか気持ちいい。窓を少し開ける。しかし、雨戸代わりの大窓のシャッターは、いつ頃開けたらいいんだ? 早くてもうるさいだろうし、遅いと、すごい寝てるみたいだし。
くにぞうが、台所に積み上がってた荷物の箱が全部なくなっていることに感動していた。「俺がのほほんと寝てる間に、どんだけやったの!」と。「ちょっとだけ出そうと思って開けたけど、通路だし、結局全部開けちゃった」と言う。くにぞうは、このエピソードが好きで、後々まで何度も言ってほめてくれた。
そして、ゴミを出してみる(ゴミの出し方については、以前ご近所の方から聞いていた)。
初出し。それだけで、なんだか緊張。ゴミの集積所は、うちの北側なので、よそのお宅の前に置きに行くよりは、緊張しない。そしてその場所は、うちの玄関や、どこの部屋からも見えない、家の裏って感じのとこでよかった。偶然だけど。
しかし「たてすべり窓」って、開いてると、普通の窓と違って、窓が開いてることが一瞬でわかるなあと思う。斜めにせり出すから。
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9時過ぎに、また掃除機を抱えて、タクシーで前のマンションへ。がらんとしてて、なんか感慨深い。掃除機をかけたり、ちょっとクイックルで拭き掃除。
不動産屋さんがいらして、退去の確認。年配の、気さくな、とてもいいお父さんのような方。更新の際にお会いしたり、家のちょっとした不具合を直してくださったりもした(ポストの開きとか、風呂の水栓金具とか)。
「特に困ったとか、なかったでしょ?」と言われたので、「はい、すごい快適でした!」とお答えする。
あちこち、ふらーっと見回っておられたが、じっくり汚れを見るようなこともなく、ありがたかった。わりときれいにはしてたと思うけど、15年住んだから。
敷金も全部返してくださるそう! 数日の日割りの分も。非常にありがたい。
エアコンの説明書とか、最初にもらった設備の資料とかお返しし、「シャワーヘッド、自分で変えたんですけど(元のも出しつつ)、もう使わないので、そのままつけておいていいですか?」とか細かいことを説明する。
そして「ほんとに長いこと、ありがとうございました!」と小さい菓子折をお渡し、お見送り。
空になった部屋の記念写真を撮る。泣きそう……。15年。世話になったなあ。楽しかったなあ。というか、後になると、いい思い出しか残らないのかな。
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不動産屋さんが帰られて、ちょっとしてM工務店のNさんが、スカパーのアンテナはずしに(はずしてもらう約束になっていた)。
レンチでネジをゆるめていき、私が支え、無事はずれる。そこから伸びたケーブルが室内側で長かったので、このケーブルを全部エアコンの穴から送っていくのはたいへんだと、カッターで切ろうとしたが、案外頑丈で切れない。よく見たら、アンテナ側のほうに外すところがあって(先に気づこう!)、なんとか無事外せた。
それから、私の名前の漢字が間違ってて、書き直してもらった耐震等級の念書を受け取ったり、壁の角が壊れたところ(1箇所、硬いものが、ぶつかってポロッと)は、珪藻土の粉をくださるそうで、自分たちで補修する方向でお願いしたい、などと話をして帰られた。
ふと帰りにポストをのぞいてみると、まだ自分達宛の郵便物が入ってたので驚く! くにぞうが転送の手配したはずだけど。郵便局に電話しないと。
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そこからタクシーに掃除機とアンテナを載せ(運ぶ用に大きな持ち手つき袋を持参しててよかった)、粗大ゴミセンターまで。近くにあるのはわかってて、電話してみたら、普通に持ってきてもらえばいいとのことだったので。
タクシーの運転手さんはすごくいい方で、「この間、引っ越しの日に、ここからご主人をお乗せしました」と言われ、「えー! ほんとですか! そうなんですよー」とか話す。
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粗大ゴミセンターは、へんぴな場所なので、タクシーに入口で待っててもらう。向こうの建物の中で、ゴミの分別が行われている。ああ。夏は特にキツそうだなあと思う。ありがとうございます。ちゃんと分別せねば。
アンテナを抱えていくと、係の方が「150円です」と。処分料、安! 車があったら、こうやって持ってくれば、粗大ゴミの日を待たずにラクなんだな。
そこから掃除機とともに、新居へ。今日は暑い日で、閉め切って出かけてたけど、家に入ったら、ひんやりした! おお。昼過ぎだったけど。
家の断熱が優れてるから涼しいと、工務店さんから聞いてたけど、ほんとに涼しい。えー、ほんとにこんな? いつも? これだったら、すごいぞ。まあ、午前中は家というのは、外よりはみな涼しいものではあろうけど。
家から郵便局に電話。そしたら、いい方で、調べてかけ直してきてくださり、ちゃんとくにぞうがパソコンから指定した通り、転送になってるよう。
もしかすると引っ越し当日、バタバタしてたので、前日に配達されたものなのじゃないかと思う。きっとそうだ。郵便局の方とも、そういう話をし、「調べてくださってありがとうございます」と言う。
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いろいろ買い物へ。隣駅までバスに乗ったら、爆睡してて、はっと気がついたら、もう全員降りたところだった。
お昼は、なんかご褒美的なものを食べたいと思って、駅ビルの洋食のレストランで、ハンバーグランチを食べる。おいしくて、人間らしく感じる。
あれこれ買い物。カーテン用の布の買い足し、無印でリネンの布団カバーや、洗濯ピン付きの物干しなど。
家電店で冷蔵庫を固定するベルト(取り寄せ)を受け取り、小屋裏につけるシーリングライトや、短いランケーブルなどを物色。
そして買い物帰りに入ったカフェでも、メモを取ったり、スマホで調べ物をしてる間に、激しい眠気がきたので、ちょっとほおづえをついて一瞬寝る。
どれだけ疲れているのだ。ただ眠りたい。
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帰宅して。
携帯でもネットは見れるけど、まずはパソコンを開通させねば、ということで、フレッツのリモートサービスに電話。月500円だけど、最初の接続の仕方とか教えてくれるというので入ったもの。フレッツの担当の人に、「いらなくなったら、翌月から解約してください」と教えてもらってて。
がっ! 教えてもらいながら、何度トライしてもできない。1時間近く電話しながら、やったけどダメ。で、夕方は、昨日伺えなかったご近所に挨拶回りに行くので、今日は終了。はー。もう。なんで、つながらないのー?
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ご近所の方にご挨拶した後、「あの……、窓開けてると、うちの音がどれくらい聞こえるかとか、よくわからないので」とか、初めての一軒家で心配なことをいろいろ聞いてみるとと、「大丈夫よー、生活音でしょう? うちも夏は窓開けるし」とか、あれこれ教えてくださった。(昨日別のお宅でも、いろいろ聞き、それもいいふうに言ってくださったので、すごく安心した)
なごやかに双方の家族の話などもして、最後に「素敵なおうちを建てられたのだから、そんなこと気にしないで、暮らしを楽しんでください」という言葉に泣きそうになる。
昨日は、マンションにすればよかったか、なんて思ってたけど、一気に明るくなる。嬉しい……。ほんとに嬉しい。こんなご近所さんで、よかったなあ。一気に安心する。
仕事帰りのくにぞうと待ち合わせて、今日はまた別の和食屋さんで夕飯。くにぞうに朝からのことを、順に勢い込んで話す。
ご近所の方にそう言ってもらったことを話すと、くにぞうも、「よかったねえ」と嬉しそうに言っていた。
最近は外食をほとんどしてなかったら、引越し前後に外食続きで、なんか新鮮な感じ。たくさん食べて、たくさん話す。
ふたりで乗り越えた感がある。
[その、以前のマンション]
偶然ボケて撮れてた、リビングの窓。
日当たりが、とてもよかった。ふたりとも、日当たり重視。
この廊下の左奥が、私の仕事部屋だった。マンションなのに外廊下がないので、明るくて、窓も開け放題。
掃除機とスカパーアンテナを袋に入れ、これから抱えてタクシーへ。
引越し翌々日。くにぞうが味噌汁と玄米食べたいということで、それだけ用意して食べる。納豆、大根おろし、梅干し。
あと、なぜか、ゆで卵。くにぞうにつくってもらった。油が飛び散らず、簡単だし。
昨日余って冷蔵庫に入れといたコンビニおにぎりも、私が食べる(くにぞうは、さすがにもうコンビニおにぎりは、イヤなよう)。味噌汁は鰹節と味噌をお椀に入れて、お湯を注いだだけだったかも。それでも美味しいですよ。
[今日のひとこと]
●家の断熱をしっかりしたからだと思うけど、初夏くらいとか、ほんとに涼しい。家に帰ってきて「あれ、冷房つけてる?」と思うと、何もしてないとか、よくある。工務店さんが言ってたのは、このことかと思う。断熱、すごいなあ。
断熱のこと、詳しくはないけど、羊毛の断熱材とか、間に何か熱を遮断するシートみたいなのを挟んだり、カルクォールというスイス漆喰の外壁とか。内壁の珪藻土も、湿気を調整するようだから、感じる温度に差が出るのかも。また今は標準ではないかと思う、二重窓も効果ありそう。どれがどう効いてるのかは、わからないけど。
朝も窓を開けなければ、前夜の家の中の気温がそのまま残っている感じ。家の外に出たら、「うわ、今日こんなに暑かったんだ」と思う日も。
冬も普通に暖房してて、寝る時に切るのだけど、明け方もあまり派手な冷え込みを感じない。
さすがに真夏は普通に冷房するし、冬もガスストーブやパネルヒーターとか使うけど、ここまで違うとは思わなかった。
でもワンフロアのマンションと違って、一軒家だし、うちは家にいることが多いし、冬に比較的安いエアコンは使わないしで、光熱費はかかってるほうかと。うちの場合。
断熱は大事だと思うので、よく調べられたし。今は、もっと進化しているのかも。リノベーションされる方も、大事なことだと思う。やり直しは、なかなかできないし。
●郵便の転送の手配とともに、前日や、引っ越し当日の郵便物がポストに入っていないかを確認すること。
●ちなみに、2016年に取材にきていただいたWEB「100%LIFE」で、家の中が見れます。
(レンズの関係で、本棚とか、やや伸びて写ってるものも)
タイトル:「自然素材にこだわり抜いた本質的な暮らしの贅沢」
『あおきみさんち、家を買う』の中にも、家の写真あります。
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